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黒猫少年との特別授業  作者: 迎 カズ紀
純子のたどった3ヶ月
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新学期が昨日から始まったにも関わらず、受験間近の3年生は今日から中間テストが始まる。今までのような定期考査というより、実力テストの内容に近いのだと思う。テスト範囲は中1から今までやってきたこと全てだから。

「テストだるいね〜。5教科でもしんどいよ」

冬美が死にかけの状態で言う。冬季講習で習った内容をまとめたプリントを見ながらってだけでもマシだと思う。この前までテスト前の時間は教科書すら見てなかったんだから。

「このテストが内申にかかわる最後のテストだもんね。頑張ろ」

「もお無理……純子一緒にトイレ行こ…トイレ風通しよすぎるから頭冷やせる」

時計を見たら予鈴まで5分。全然余裕だし、「いいよ」と言って私達は教室を出た。


「トイレの前で待ってるね」

「うん……ありがと」

そう言うと冬美はトイレへ行った。それにしても、廊下も十分冷えている。隣が男子トイレだから、男子もよく通るけどズボンだからかそんなに寒くはなさそうに見える。

「あ、純子ちゃん」

不意に呼びかけられて驚いたが、そう呼ぶ男子は1人しかいない。

「ゆーすけ君……と赤井君」

顔を上げるとすぐに目に入った。笑顔のゆーすけ君と、ゲッと言いたげな赤井君。

「どうして2人でトイレ?男子ってそういうかたまって行くイメージないんだけれど」

思ったことをそのまま言った。赤井君のことを無視して話してやるんだから。何もそんな嫌そうな顔しなくてもいいじゃん。

「あーそれは……ねっ、和也くん」

「お、俺にふるなよ」

「……訳がわからないよ」

思わずため息をついた。ほんっと、こういう時って男子ってわからない。そう思ってたら冬美が現れた。

「お待たせ……ってどうしたの?修羅場?」

「あはは、シュラバって面白いこと言うね。えーと……どちら様?」

「あ、転校生君。あたしは藤村冬美。君は?」

「黒崎優介。よろしくねー」

……何が修羅場よ!……って言い損ねた。

その時、予鈴がなった。

「冬美、行こっ」

「うん。じゃーねぇ、黒崎君に赤井ー」


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