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黒猫少年との特別授業  作者: 迎 カズ紀
純子のたどった3ヶ月
7/25

12/24②

早足で歩くとすぐに追いついた。後ろから誰か来ていることを感じたようで、藍川君が振り返ってくれた。

「あれ、緑辺さん?どうしたの?」

「あの、これ、藍川君のでしょ?道に落ちてた」

そう告げると藍川君はカバンの中を探って、「あちゃー、そうだわ。筆箱出した時に取れたんだと思う」

と苦笑しながら言った。

「ありがとね緑辺さん」

「ううん、いいの。それじゃっ」

「あ、おい緑辺」

このまま関わらず帰ろうとしたのに、赤井君に呼び止められた。無意識に「何?」と振り返ると少し驚いた顔をされた。少しむっとしたけれど私が悪いことに気がついた。無視することが当然になっているから、普通のことをしたらこんな感じになっちゃうんだ。

「あ、いや、その……」

「……言っとくけど、成績表の話ならしないからね」

「ち、違うわ!……あーもう何でもねーよ」

「な、何よ。呼び止めておいて。赤井君のバーカ」

「はあ?お前の方がバカだろバーカ」

おい近所迷惑だろ、と藍川君に言われてハッとした。

「……じゃあ。藍川君、また明日」

そう言うと私は全速力で駆けて行った。



「……ただいま」

すぐに、おかえりなさい、と台所から母さんの声がした。

「成績表、置いとくから」

そう言って私は自分の部屋に向かった。

別に今回が凄く悪かったわけではない。

「成績成績ってうるさいのは嫌だなぁ……」

上がった教科の方が多いけれど、数学と理科が少し下がっていた。高校は理系の特進クラスに進む予定なのに。絶対に怒られる。


受験生って自覚がない。中学生を卒業するって自覚がない。2月には推薦入試があるのに。

「……もう嫌だな」

そう言っても仕方がないことくらいわかっているけれど、言うだけいいでしょ。

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