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「……あった」
567番がしっかりと紙に表示されている。
「……あったよ」
鼻がツンとして今にでも泣いてしまいそうだ。
「純子、あたしもあったよ!うちの中学から受けた子全員合格って、先生言ってた!」
冬美が駆け寄ってきた。後ろから藍川君がゆっくり携帯を見ながら歩いてくる。
「一緒のクラスだといいね」
「うん」
あと数回しか着ることのない中学の制服の袖で顔を拭った。
「……あ、繋がった。もしもし?今平気?」
藍川君が誰かに電話をかけていることに、話に夢中になってしまった私と冬美はなかなか気づかなかった。突然藍川君に携帯を渡されて初めて気がついた。小声で「話してやって」と言われ、とりあえず携帯を耳に当てた。
『合格おめでとう』
今まで聞いたことのないような明るい声。それと対照的に、私は鼻声になってようやく声を絞り出した。
「……ありがとう」
ようやく、一歩進めた気がした。
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