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黒猫少年との特別授業  作者: 迎 カズ紀
和也のたどった3ヶ月
22/25

12/24 赤井side

終業式は藍川と帰っていた。転校生の黒崎はいつの間にか帰ってたこと、よくわからない問題があるから教えてくれと頼まれたこと、そういうのが重なって久しぶりに2人で帰っていた。

「それで、磁場がこっちだろう?だから俺は手をねじって合わせるんだ」

「なるほどなるほど、力の向きは下向きなんだね」

ありがとな、と笑ってお礼を言われた。藍川といると楽な気分になれる。黒崎も一緒にいて楽しいけど……なんか変な気がするんだよな。説明できないような。



問題集をじっと見ていたせいか、後ろから誰か来ていることに気付けなかった。藍川が振り返って初めて気づいた。

「あれ、緑辺さん?どうしたの?」

「あの、これ、藍川君のでしょ?道に落ちてた」

緑辺だ。

藍川君カバンの中を探って、「あちゃー、そうだわ。筆箱出した時に取れたんだと思う」

と苦笑しながら言った。

「ありがとね緑辺さん」

「ううん、いいの。それじゃっ」

「あ、おい緑辺」

つい呼び止めてしまった。特に言わなければいけないことはないのに。でも、こいつも振り返らないだろ……。

「何?」

彼女は振り返った。えっ、と驚いたのを顔に出してしまった。いつもは振り返らないのに、無視するのに、何でだ。やばい、特に用事ないのに。

「あ、いや、その……」

言い淀んだら顔をしかめられた。

「……言っとくけど、成績表の話ならしないからね」

違うのに決めつけられたようで、思わずカッとなった。

「ち、違うわ!……あーもう何でもねーよ」

「な、何よ。呼び止めておいて。赤井君のバーカ」

「はあ?お前の方がバカだろバーカ」

おい近所迷惑だろ、と藍川に言われてハッとした。

「……じゃあ。藍川君、また明日」

そう言うと緑辺は全速力で駆けて行った。


「……赤井って本当アホだな。頭いいくせに」

藍川が呆れたように言う。

「もっとさー、ないの?言葉」

「んなこと言われても……」

どうしろって言うんだよ。ムッとしてると、からかうように言われた。

「そんなんだと緑辺さん、優介にとられるぞ」

「とられるってなんだよ」

真顔で返すと、「あ、こいつらめんどくせー」と言われた。


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