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「おい緑辺」
久しぶりに赤井君に声をかけられた。彼は私と入れ違いに熱を出して休んでいたそうで、顔を見るのは久しぶりだった。
「……何」
冷ややかな声で返事した私にひるんだようだった。それでも赤井君は話そうとした。
「……その、お前さ、大丈夫……か?」
大丈夫?大丈夫って……何よ。
「赤井君、あなたは私を嘲笑いに来たの?」
嘲笑気味に「大丈夫か?」の質問に答えた。そんな私を見て赤井君は顔を真っ赤した。肩が震えている……怒りで、かな。
「んなわけないだろ……。俺は」
「じゃあ何よ」
きっと睨み返すと、彼は口ごもってしまい沈黙が訪れた。もう喋らないで。ここから退場させて。
少し待ったがもう耐えきれない。ここから立ち去ろう。何も言わず彼に背を向けた。
「……てんだよ、心配してんだよ!お前のことを!!悪いか!!」
廊下の端から端まで聞こえただろう、彼の大きな声は生まれて初めて聞いた気がする。つい驚いて振り返ってしまった。
「赤井……君」
動揺したのが顔に出てしまったんだろうか、ただ自分でも目を見開いたのはわかる。口が思わず半開きになったのも。まるで漫画の表現のように。
そんな私を見て赤井君はなんとも表現しづらい表情になった。それから唇を噛んで何も言わず走り去ってしまった。
私はどうして彼がそんな表情をしたのかわからないまま突っ立っていることしかできなかった。




