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僕とあの先輩(4)

あ~………なにしてんだ?僕。

別に先輩がどんな名前でも僕には関係ないのに。

HRには間に合う。それはいい、でもそれは先輩の名前を知る理由にはならない。一言で言えば、


なんとなく


それだけだ。分からない……いつでもきける先輩の名前。何で聞かないと駄目なんだ?駄目じゃない。

聞かなくてもいい。終わりない自問自答を繰り返すうちに、いつの間にか図書館の前に着いていた。



カラカラ

誰もいない静かな部屋に冷たい音が響いた。


☆分からない……何故彼が現れたのか、どうして入り口に立っているのか、あの私を見た人は皆私を避けたのに、彼はどうしてココに来たんだろう?

分からない……。

「あの……先輩。」

先に切り出したのは彼だった。

「なにかしら?」

手が震えた。

怖い。

彼も今までの人達と同じなのか?

「……あの……先輩の名前……聞いてない……ので……」

………………今、彼はなんと言ったんだろう……

『私』の名前をきいた?

私は目を、耳を、さらには自分の存在さえも疑った。でも目にうつる彼は軽く頬を赤く染め、目も少し泳いでいた。

彼は信用できる。そう思った。確証はないけど、なんとなくそんな気がした。

「私は2-Cの梅雨中日和よ」

「梅雨中先輩。ですね……「あなたは?」

彼がただ私の名前を確認するためだけにココに来たのは知っている。だから私だけが名乗るのは、不公平な気がした。

だから少しいじわるした。

私は、名前もクラスもカードに記載されてる。

それを見て知っているのは彼も解っているはずだ。

だけど彼の声で、彼から、私に、言って欲しかった。

「1-Bの冬原夏樹です。」

「夏樹くんね、よろしく。」

すると彼は一礼して教室に帰ってしまった☆


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