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4.新たな攻略キャラはトラブルメイカーかもしれませんわね


『略奪~僕は君の物~M』


攻略対象の紹介

レイン: 17歳 178㎝ 金髪の碧眼

明るく元気で爽やかな性格の青年。侯爵家の長男で跡継ぎであったが幼い頃から騎士に憧れ、両親を説得し家は弟に任せ騎士の道を選んだ。      


ダン : 17歳 180㎝ 黒髪に瞳の色はアイスブルー

物静かで生真面目な青年。伯爵家の次男だが家を継ぐ事が無い為に自然と騎士になった。 


ユアン: 18歳 177㎝ 真紅の髪に瞳はエメラルドグリーン 

プライドが非常に高く勝気な青年。レインと同じ侯爵家なのだが、ユアンは三男だった為に仕方が無く騎士を選んだ。昔から身分が同じ侯爵家のレインの事を気に入らず目の敵にしている。


***: 20歳 183㎝ ******――――――

********―――――― 




おはようございます。

変な夢を見て朝から気分が微妙なわたくしエタカリーナですわ。

夢の中でゲームのプロフィールなる攻略キャラの騎士達の特徴や性格が出てきたのですが、現実のレイン達の性格とゲームとのズレの差が少しある気がしますが、まぁいいでしょう。


で、これからわたくしの騎士になる予定のユアンのプロフィールまで出ていましたわね。

お察しの通り、彼ユアンも攻略キャラであります。

ユアンの事を一言で説明をすれば、無駄にプライドが高い貴族のお坊ちゃま。

ゲームではレインに話しかけるだけで一気にユアンの好感度が下がるという、プレイをするには非常に扱いづらいキャラでしたわね。

そして、わたくしがユアンと出会いたくない理由の一つが彼のバッドENDが非常に怖かった事ですわ。

今思い出すだけでも身震いします。

レインとダンのバッドENDはあっさりしていただけに、余計に彼のバッドENDの残酷さが目立っていたので、出来れば関わりたくなかったのですが……


因みにヒロインとのハッピーエンドで終わった場合、例に漏れずわたくしは処刑まっしぐらENDは基本みたい。

そんなキャラに転生をさせられたわたくしはいい迷惑ですけど!




ユアンに会いたくないと願うわたくしの思いとは裏腹に無情にも彼がわたくし専属の騎士になったのだと昨日、宰相のゲルダ様より伝えられました。

今日からユアンはわたくし専用の騎士になる。


「……ふう、何が一番面倒なのかは、ユアンとレインの仲が余り良くない事なのよね?一応わたくしの警護をするのだから協力をして貰わないと困るわ……」


それに常に険悪なムードの中、警護されるわたくしの立場としては精神上よくないかもしれない。


「ユアンがわたくしの騎士になるのは仕方が無いにしても、わたくしやレインとの関係は良好にしないとダメね」


他のキャラと同じ様に信頼関係を結ばないとね。

そして、彼らの仲をわたくしが取り持てば、2年後のゲームスタートの時までには変化があるといいですわね。

そうなれば、ゲームの流れも変わりわたくしの処刑エンドも無くなるかも……切実な願いです!


「色々やる事が多いですわね」



グルグルと考えを巡らしていたわたくしは、夢の中で感じた違和感については、ユアンやこれからの事を考えていた為にすっかりと脳裏から消えていた。



例えば題名の横にMがついていた事や、このゲームの攻略キャラは全員で3名の筈なんだけど、ユアンのプロフィールの下に年齢と身長意外は謎のプロフィールがあった事など……。


その謎に気付くのは一年後、ある場所で拾い物をした時に気付く事になるなんて、今のわたくしには想像していなかったですけどね。








「本日よりエタカリーナ様の専用騎士となりました。私の事はユアンとお呼び下さい」


わたくしの手を取り手の甲にキスをしながら挨拶をしているユアンの動きはとても優雅ですわ。

さすが、貴族という事に誇りを持っているだけあって身分の高いわたくしに対し恭しい態度ですわね。

でも、こっそりレインを睨むのは止めなさい。

わたくしに気付かれない様にしているみたいだけどバレバレですから!


「こちらこそ、よろしくお願いしますわユアン」



…………


ユアン?いい加減わたくしの手を離してくれないかしら?


「おい!いつまでエタカリーナ様の手を握っているんだ。嫌がっているだろうが!!」


「お前に言われる筋合いは無い!それに、どこを見てエタカリーナ様が嫌がっているのだ?」


「何故、ゲルダ様はこいつをエタカリーナ様の騎士にしたのだ?」


「分からないのか?お前が使えないからだ!」


ええっ!!ちょっと! 初っ端から言い争いなんてしないでほしいわ……。

それもユアンがケンカを売るのは分るけどレインからって一体どうしたの?


わたくしは二人を止める為に声をかけようとした瞬間


「エタカリーナ様、二人は放っておいて庭園でお茶を用意しているのでそちらに移動をしましょう。彼らもほとぼりが冷めれば来るでしょう。関わるだけ時間の無駄です!」


ダンがわたくしに向かいきっぱりと言い切った。

彼は『メンドクサイ』と明らかに目で語りかけていた。


そうね、今日は夢見が悪く朝から考え事をして精神的にわたくしも疲れているから、彼らを如何どうこうするのは明日からでもいいかしら?




「……そうね、ダンの言う通りだわ」


彼らの関係の改善は追々にして、喉が渇いていたわたくしはダンの提案にのる事にした。



でも、少し愚痴ってもいいかしら?

――――――今からこれでは前途多難ですわ。





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