少女
よくあるお話
ある小さな家に少年と少女が住んでいました。
ある日、少女はとても大きなものを無くしたことの気が付きました。
とてもとても大きなものを無くした少女は悲しみのあまり動かなくなってしまいました。
少年は少女にもう一度動いてもらうため、少女から大きなものを無くしたという記憶を奪いました。
少女が大きなものを無くしたことに気付くたび何度も何度も奪いました。
そうして、少年は少女の悲しみを己のうちに蓄積して、ついには少年が動かなくなりました。
記憶を奪われることのなくなった少女がまた大きなものを無くしたことに気が付きます。
でも、少女は動かなくなることはありませんでした。
なぜなら、大きなものを無くしたことに気付くと同時に、少年がなぜ動かなくなったか理解したからです。
そして、少年と少女しかいなかった家に新たな少年がやってきました。
そして、少年も大きなものを無くしたことを悲しみ動かなくなりました。
少女は昔少年にしてもらったように少年から大きなものを無くしたという記憶を奪いました。
何度も何度も少年と同じように動かなくなるまで・・・・