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幼馴染くんと幼馴染ちゃん  作者: 一般通過純愛スキー


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1/6

なんか俺たちが付き合うことになった話

 ある秋の日、中間試験の終了から間も無く、気の抜けた空気の夜。ベッドに寝転がり漫画を読んでいた最中のことである。


「ねぇ」

「んー?」


 幼馴染の声に漫画から顔をあげ目を向ける。

 昔から互いの部屋で好きに過ごしていた仲である。しかしながら大きくなるにつれ気遣いを覚え、女子の部屋にズケズケと入るのはマナー違反だということに気付き、最近は専ら俺の部屋に幼馴染が来るようになっていた。

 なんという紳士、俺えらい。


「実は、今日告白されたの」

「へー」

 

 それは以外でもなんでもないことである。なにせこの幼馴染、贔屓目に見ずとも顔立ちは整っており、笑うとなんともまあ可愛らしい愛嬌を見せるのである。

 性格も悪くなく、悪く……、俺に対しては少々意地の悪い面を見せるが、概ね外面は良いのである。

 つまり我が幼馴染はモテる。それはそれはモテるのである。


「どうしたか聞かないの?」

「んー?断ったんだろ?」

「……エスパー?」

「んなわけあるかい。付き合ったんならお前、俺んとこ来ないだろ。お前は彼氏が出来て、彼氏以外の男の部屋に来るような不誠実なことしないヤツなの」


 全く何年の付き合いだと思っているのか。こと幼馴染に関しては、こいつの両親にすら勝るほど理解している自信のある男だぞ俺は。


「んひっ。なにそれ、褒めてんの?」

「あーはいはい褒めてる褒めてる」


 独特な笑い方は、こいつが嬉しい時に出る癖のようなものである。


「でもさ、もう高1だべ?そろそろ彼氏くらい作ってもいいんじゃねえの?お前モテるんだしさ」

「何それ。別に急いで作る必要なんてないじゃん。こういうのって、適当にやったらなんか後悔しそうだもん」

「そんなもんかー?」

「私はそうなの!」


 ボフっと、投げつけられたクッションが顔に跳ねる。


「そりゃまあ今まで何度か告白はされてきましたけれども、なんかね、もやもやするの」

「と言いますと?」

「付き合うってことは、その人と過ごすってことでしょ?自分と相手が一緒にいるところを想像してみても、しっくりこないっていうか、すわりが悪いっていうか、なんか違うなーって」

「なるほどね、まあお前昔っからこだわる所にはとことんこだわるからなぁ。こだわりすぎてこのまま嫁の貰い手がないなんて泣くことにならなきゃいいけど」

「うるさいほっとけ!てかアタシのことばっか言うけど、アンタの方も同じでしょ!」

「まあ確かに、一理ある」


 手痛い反撃である。俺たちは幼馴染であるせいなのか、元々の性格なのか、なにせ結構似たようなところがあるのだ。


「アンタも女子の間では結構人気あるのよ?何回か好きな食べ物とか誕生日とか趣味とか、そういうの聞かれたもん」

「おやまあそうなのね」

「自分で聞けーって教えなかったけどね」


 それもまた誠実さの表れか、まあこの幼馴染らしい言い草である。


「あー、そう言えば思い出したわ」

「んー?何を?」

「俺も先月告られた」

「へー」

「どうしたか聞かないのか?」

「断ったんでしょ?」

「……エスパーか?」

「んなわけないでしょ。アンタがアタシに言ったこと、そっくりそのままお返ししますー」

「おー、なるほどなぁ」


 どうやら俺もそれなり以上には幼馴染からの信頼を得られているようである。


「なんで断ったの?」

「あー、うーん、まあ……」

「なーによそのもにょもにょした感じ」


 なんとなくバツが悪いというか、なにせ理由が……


「まあ、お前と似たようなもんだよ。その子と付き合ってるのが、なんかあんまイメージできなかった」

「ほんっと、アンタも人のこと言えないじゃない」

「いやーすんまそん」


 ぐうの音も出ない反論である。


「……どういう相手なら付き合えるのかな」

「おっ、いい発想だ。確かにそこをはっきりさせなきゃスタートラインに立てもしない」


 付き合える相手……俺にとっての理想の女性か?いや、それは何か違う気がする。

 俺の理想を押し付けるだけじゃ多分駄目だ。それじゃあ相手が疲れるばかりになってしまう。

 互いが互いを許容し、尊重し、一緒に成長していけるような相手じゃないときっと長くは続かない。

 辛いことも悲しいことも、嬉しいことも楽しいことも、一緒に分かち合える相手が一番いい……

 おや?なーんかその条件を満たすヤツがいる、というかすでにそうしてるヤツがいるような気が……


「あっ」

「あっ」

「なんだよ、人のこと指さすなよ」

「そっちこそ」


 まあなんというか、似た者同士ここに極まれりと言いますか。


「じゃあ、まあ、付き合うか、うん」

「何よその適当な感じ、ロマンチックの欠片もないじゃない!こういうのはちゃんとしなさいよ!そういうとこ、アンタの悪いとこだからね!」

「わかったわかった、悪かった」


 いやでも十三年の付き合いだぞ?改まってこんなの恥ずかしいだろ。俺は悪くないね!


「んんっ、それじゃあ」

「……」

「お前以外の隣にいる自分が全く想像できなかったし、多分この先ずっとそうだと思う」

「アタシも……」

「だから、これまで通り……じゃないか。ちょっとだけ違う関係として、これからも一緒にいて欲しい」

「うん……」

「俺と付き合ってください」

「んひひっ」

 

 返事はまあ、この妙ちきりんな笑い方と、重なった影が物語ったということで。

幼馴染ちゃんの声のイメージは明確にあります。候補は二人です。分かった方は気が合うで賞で賞品が進呈されません。

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