33話 破壊衝動と驚愕デバフ
村瀬裕也B
僕は家に帰って、ステータスを開く。
「状態、デバフ暗示、看破。」
[暗示 Bはユメカを読心しない ユメカの髪と手以外に触れる事は禁止 ユメカの親友に徹する Bがユメカに愛戯スキルを使う時は手加減使用 多重人格を隠す]
「術者はA又は課長。看破」
[術者 村瀬裕也A]
マジック収納カードに完全鑑定の魔石が無い。
デスクの引き出しに複製の魔石が無い。
Cの記憶を改竄したのはC自身で間違いない。でなければ昨日の時点でAの破壊衝動が暴走して気を失っている筈だからだ。
だとしたら、Aが戻ったのは今朝だ。そして僕が今暗示を確認できたという事は、Aはユメカに起こった事実を受け入れられなかったか、もしくは自分の破壊衝動か、神の僕への警告に耐えきれず意識を失ったのだ。
"唯花、Aが目を覚まして、また眠ったらしい。魔石の複製と、唯芽さんの記憶を送ってくれるかい?"
"大丈夫ですか?無理してまた破壊衝動が起これば……"
"大丈夫。僕の衝動は自虐衝動、破壊衝動はAだと思い出した。"
"全然大丈夫ではないのでは?"
"大丈夫。死にたくなったらCに代わるから。今までも何度かそうした事はある。"
"分かりました。今ただちに助けにいける状態ではないので、今夜唯蕾を送ります。今すぐはやめて下さいね。完全鑑定の複製のみ送ります。"




