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第7話 9段特殊技——暴雷渦巻斬

拓海は腰の照明器具を光らせ、ドローンのフォローモードを起動した。漆黒の通路が徐々に姿を現す。しかし、耳元には歯が浮くような低い吼え声が時折響き、どの魔物が発しているのかも分からなかった。


完全な暗闇の中、拓海の腰に取り付けた照明器具は2000ルーメンの明るさを誇るが、五メートル先の景色を見極めるのは容易ではなかった。突然、背中に冷気が走り、空気を引き裂くような爪の風が耳をかすめる。

「ふん、ついに退屈に耐えきれず、手を出したのか?」


拓海は「シャッ」と名刀を引き抜き、振り返りながら横に斬りつけた。血が舞い、一つのもふもふで、外に向かって鋭い牙を見せる黒い猫の頭が宙を舞い、「ドン」と地面に落下する。


C級ダーク系魔物——シャドーキャット


拓海の斬撃は見事で、配信室の視聴者の中には彼を嫌っている者も多かったが、褒めるコメントが流れ始めた。


さいとう:すげえ!もう5段刀狂のレベルを超えていると思う

ユーボー:シャドーキャット…この魔物知ってる!数が多い群れ魔物で、クズはここから苦戦すると思う…

ゆり:初見ですが、どうして皆「クズ」と呼ぶのですか?

ケンケン:ようこそ!あのクズが喋るとすぐ分かるよ

拓海(リアルタイム返信):黙れ!まだ魔物と戦ってる最中なんだが!?

yune:新入りに失礼な!

k:ひどいぞ、俺たちは君の衣食の父母だぞ、そんな口調で接するなんて…

さいとう:慣れた方がいいよ、これがあの「クズ」の特徴だからね

ユーボー:その通り!強いメンタルを持たないと「クズ」の配信室には5分もいられないもん。

拓海(リアルタイム返信):やっぱり古参は違うなー。しかし、残念ながら今もお前たちに気を使うつもりはない。黙れ、突撃する。


コメント欄には「配信者はコメント機能をオフにしました」と表示された。


通路内の低い吼え声はますます密集し、拓海が30メートル以上進むと、彼の腰の高さの黒い影が四方八方から押し寄せ、中央に囲い込まれた。百頭近くか?これはC級ダンジョンでは見られない魔物の規模だ。

この『憎悪の洞窟』は、さらに成長し、B級ダンジョンに近づいているようだ。


拓海は剣を胸まで構え、稀に見る真剣な表情を浮かべた。彼の実力は5段刀狂と登録されているが、実際には1年前から9段刀狂のレベルに達しており、ただ面倒で冒険者ギルドに更新していなかった。


この近くにいる百頭のシャドーキャットを倒すのは大した難易度ではないが、時間と体力の消耗が大きく、ミシェルとの対決に負ける可能性もある。


ならば、その特殊技を使うしかない。血影刀を手に入れた今、完璧に発揮できるはずだ。


拓海の体内で闘気が激しく渦巻き、9段刀狂の実力を全力で爆発させる。無風の通路の中、彼の闘気が暴風のように吹き荒れた。


冒険者ギルドの職業分類は、現在公開されている剣豪、龍槍、刀狂、拳宗、烈狙、魔戦、赤瞳、召喚師、元素使の9つだ。これらの9つが百万の冒険者の中での主流であるが、まだ知られていない隠し職業も存在する。

9つの職業の段位は36段に分かれており、初覚醒は1段、最強は36段に達することができる。異なる職業レベルには、異なる特殊技が学習できる。


刀狂は、9つの中で暴力的攻撃を主にした職業で、物理攻撃を主に修練し、戦闘スタイルは爆発的で、剣豪と並び、覚醒者が最も多い職業群だ。


血影刀を握りしめ、拓海は両手に刀を持ち、強い構えをとる。壮大な気迫が生まれ、周囲の風が急に止み、刀身の血色が暴涨し、まるで燃え上がる炎のように、暗い通路を照らし出す。

構えが決まり、気息が放たれるその瞬間、拓海の全身の骨格から雷のような「パチパチ」という音が鳴り響き、血色の雷光が名刀血影の上で花開いた。


華麗で煌びやか、驚くべき破壊的な力を秘めている。

「ドン!」

たった一斬で、血色の雷光が瞬時に消え、周囲に迫るシャドーキャットたちは、巨大な脅威を感じたのか、鋭い吼え声を上げ、直感で四方に散開した。


「遅すぎる!」

9段刀狂技——暴——雷——渦——巻——斬

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