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第2話 拓海の大収穫、美少女の屈辱

一瞬の静寂の後、コメント欄が一気に爆発した。


彩羽の配信コメント:

つな:「このクソ野郎!!俺の彩羽を放せ!!!」

KoT:「てめえ場所教えろ、今すぐぶっ殺しに行く」

ジュニア:「嘘だろ…彩羽ちゃんの柔らかそうな腰が…こんな奴に…」


拓海の配信コメント:

えっちゃん:「畜生以下だ…でも羨ましい…」

さすけぷー:「さすが俺が一番ゲスいB級配信者と認定した拓海。まさにお前のようなゲス野郎がやることだ」

Gori:「抱き心地はどう?」

ティー:「おかしいな、彩羽ちゃんが抵抗してない…まさか、こういう扱い好き?!」


拓海に抱きかかえられた瞬間、彩羽の全身が怒りと羞恥で震えた。しかし、次の瞬間には自分の体が全く動かないことに気づいた。すぐに「天滝剣」でこの男の首を斬りたい、でも、動けない。ほんの少し動かしてお尻を拓海の手から離れることすらできない。


「ありえない…B級ダンジョンを攻略できる7段の剣豪である私が、C級以下のダンジョンをうろつく負け犬刀狂に封じられるなんて」

「まさか、薬でも入れられた…?」

「そうでなければ説明がつかない…この卑劣な男、実力は私よりはるかに下なのに」


「54…55…56…」


「この…放しなさい!」少女の顔は真っ赤に染まり、一万人の視聴者の前で強く抱きしめられ、重りにされるなんて、羞恥心でいっぱいだった。


「俺は約束は守る主義でね…200回のスクワット、一回も欠かさずやるさ」

拓海はからかうように笑い、彩羽の配信枠で新たな罵声の嵐を引き起こし、絶え間なく炎上パワーを稼いでいた。

「それとね、彩羽さん。親切心から言わせてもらうけど、ダンジョン配信に時間とエネルギーを全部費やすのはやめたほうがいいよ、暇なときはダイエットでもしたら?」

そう言いながら、拓海の視線は少女のスレンダーな身体を無遠慮に舐め回し、双方の配信で再びあらしを引き起こした。


「…198…199…200!」

自由を取り戻した少女は、真っ先に配信画面を切断した。

大量の炎上パワーを手に入れた拓海も、挨拶一つせずに配信を強制的に切断した。


「貴様…一体何をした!!」

動けなくなり、万人の前で抱えられてスクワットをされた場面を思い出し、彼を睨みつけている。


パネルに表示された累計炎上値、「134,465」を見つめながら、拓海は彩羽の視線を全く気にしなかった。

さすがは一万人以上の同接を持つトップ配信者!5分で約4万もの炎上パワーを提供してくれたとは!


「今回の配信対決は大満足だ。ただ、君はダイエットしたほうがいいかもね~もし縁があれば、《《東京》》でまた会おう!」

そう言い残し、拓海は彩羽が「天滝剣」に手をかけて震える可憐な姿など一瞥もせず、その場を去った。


()()()()()()()()()


7段剣豪の体内から闘気がほとばしり、彩羽は剣を抜くと同時に、これまで幾度もダンジョンの魔物を斬り裂いてきた得意の剣技を放った。

強壮なオーガさえも瞬時に切り裂く剣気だったが、全速力で逃げる拓海に追いつくことはできなかった。数呼吸の間に、拓海の姿は美少女の視界から消えていた。

「あの野郎…次こそ絶対に殺してやる」


「…で、なぜ()()で?」


日本で唯一、SSS級ダンジョンを有する冒険者の禁域。15段以上の強者だけが結界を越えて到達できる、魔物の楽園…


「あいつが()()へ…?人に薬を盛ることしかできない、卑劣で無能な5段の刀狂が、東京に行けるとでも思ってるの!?」


彩羽のような7段の剣豪でさえ、まだ東京に挑む資格はない。「東京」という言葉が彼女に多くの想いを抱かせるのも無理はなかった。


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