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中津浦優斗から見た輝奈子17

最初はほんの小さな違和感だった。確かに彼女は具体的に死に方を考えるようなとこもあった。でも、昨日からさらにおかしいのだ。


深夜3時、送られてきた「人魂って蒼き焔かな?」。俺は、「死ぬな。俺が困る」と返した。彼女は確かに意味の分からない事を言う。これもそうだろう。


そういえば、彼女は親に東京でレコーディングすることを話しているのだろうか。俺は嫌な予感がして、輝奈子の親にTXTを送る。


「東京に行くと聞いてますか?」と。

「聴いてる。幼馴染と遊ぶんでしょ?」


活動の事を言ったうえでさえ信頼してなかったのか。どうして言わないんだよ。親の愛ってそんなに痛いものなのか?


アニキの頃から親の愛を知っているという話は聞いたが、愛を感じてるという話は聞いてないかもしれない。


記憶を呼び戻してみる。そういえば、アニキが語る時は「2回も大学に行かせてもらった」とか「飯がうまい」とか微妙にズレていた気がする。


俺は母親がいない。正確には他界した。でも、ばあちゃんが居るし、帰れば和気あいあいとして楽しいものだった。なぜ、アニキは愛を苦痛に感じるのだろう。


「優斗、怖い」

午前4時、眠れなかったのか。どうして辛いのに言わないんだよ。どうせ風邪だろ?また弱ってるのかよ。アニキは心が弱るとすぐ体調に出る。逆も然り。


脆いのに、強いふりをする。昔アニキが言った例えを思い出していた。


「無数にあるシャープ芯の柱の中にダイヤモンドのハートがある気がする」


そうか。シャープ芯なくなったのか?補充するか?男であらなければならない、強くなければという心。無数に折られた心を取り払えたのか?


だとしても、ダイヤモンド晒すなよ。傷付くだろ?辛いんだろ?それ、本当にダイヤモンドか?ガラスにダイヤモンドって名前付けてないか?


果のない疑問が浮かぶが、俺は寝る。ただ一文だけを送って。


「ダイヤモンドの振りするのやめろ。痛いだろ?」


と。

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