【メンシ限定】曲にタイトルを付ける2
「にゃん♡おぁよ♡」
1月23日、眼を開き、白き光を目に映す。目が覚めてしまった。優斗はもう布団にいないし。優斗はどこに行ったんだろう。寝ぼけ眼で優斗を探す。どうしよう。抱きしめたい。あと抱きたい。昨日もしてもらったのに。
「おう。起きたか。金がねぇから作っといた。目玉焼きとサラダ、あとは食パンだな」
「ありがとう。いたぁい♡」
「相変わらず腰痛いのか?」
「ぅん。痛い。でも優斗と一緒に居れるのは嬉しいな」
「そうか。俺も幸せだ」
何を言おうかな。特に何も話さなくても一緒に居られるだけで嬉しい。言葉が思いつかなかったから優斗に抱き着いて、優斗の頬に接吻をする。節分にはまだ早い。鬼が来ても優斗なら撃退してくれると思う。私も頑張るつもりだけど優斗の方が強そうだもん。
優斗は「相変わらず急だし、キス好きだよな。こうして欲しいのか?」と言いながら、私を抱き締めて口づけて私に愛を吹き込んでくれた。I'm sure that he will take me higher.きっと優斗が私を高みに連れてってくれるのだろう。多分幸せ的な意味で。空のかなたに放つのは幸せの歌だろう。
高く浮き上がってフライイングって感じだ。味はそこまでしなかった。お互いまだ朝ごはん食べてないもんね。でも、重なり合う体温は暖かくて冬の寒さを吹き飛ばしてくれそうだった。実際はエアコンのおかげだろうけど。こういうのは体感とか心が重要で別にエアコンだろうがキスだろうが詳細はどっちでもいい。detailだけにtailでいい。詳細は尻尾でいい。重要じゃない。そんな私の妖精物語。
今日もギャグが絶好調なようで。一体どれほどキスをしていたのだろう。多分息が続く限りだと思うけど。わかってないやないか。まぁ、そんなこともあるでないで。阿波弁も出るんかい。本日も頭strengthしてるんだよなぁ。
唇を離すと優斗に「相変わらずキス好きだよな。飯食べようぜ」とからかわれた。私は「そうだね」と返し、一緒にご飯を食べる。作品を作っているからなのかそれとも優斗と一緒だからなのかわからないけど、こんな些細な瞬間にも喜びを感じてしまう。また、配信をしたいと思ったけど普通に平日の昼間になんて人は集まらないので、あとテスト週間だしね。そういえば忙しすぎて忘れてたけどテスト週間だし、人集まらないかも。
まぁ、私たちには関係ないんだけど。だってテストは昨日の遠隔でのテストだけだったし、レポートも提出し終わったしね。さて、何をしようかな。なんか平日の昼間だし、そういえば猫耳とか犬耳とかの話があったことを思い出して、優斗に「そういえば、買い物でも行く?犬耳とか猫耳とか忘れてたし」と提案すると、「おう。いいな。てかやってくれるんだな。アニキってコスプレとかしなさそうなイメージだった」と久しぶりにアニキ呼びされた。
彼の中でようやく友人としての魔沙斗と恋人としての輝奈子が統合できたのだろう。統合する前に色んな事やりすぎだけど。まぁ、それはそれ、これはこれだ。人生って何があるかわからなくて、それも面白い。そんなことを言いながらメイクをして、お出かけの準備をし終えて優斗に「行こう」って微笑む。
私は「どこに行く?やっぱりTEONかな?」と言いながら優斗の手を握る。まだ寒いけど、優斗の手は温かくて、とてもかっこいい。優斗は「コスプレショップなんてあったか?」と聞いて来るけどよく覚えてない私は「あったような気がするけど、知らないなぁ。でも、この前クマのぬいぐるみ見たところならあるかも」と返しておく。
「それってジャスミンの香水買ったところか?」
「そう。よく覚えてるね。あの時何しようとしてたんだっけ?」
「スマホケースを買いに行った気がするぞ。実際に買ったのはペアルックの服とジャスミンの香水だけだった気がする。スマホケース結局変えてないもんな」
「そうだね。あの頃は女の子として好きになってもらうために頑張ってたんだよね。今はそんなに気を張らなくても優斗は好きでいてくれるでしょ?」
「おう。うまく言えないけど全部かわいい。そういえば、結局どうするんだ?就職」
「親は説得できたし歌手活動に専念しようかなって思って、いるんだけど。まだ悩んでて、どうしようかな。言わなきゃいけないのはわかってるの。でも、不安だし、どうしたらいいのかな。悩んでるの」
「いっそ、1回やってみたらいいんじゃないか?いやになったら戻れる場所はあるだろ」
そういって優斗は、より強く私の手を握ってくれた。かっこいいし、イイんだけどちょっと痛い。
「ありがと。でもちょっと痛い。手が」
「ごめんよ」
相変わらず、『め』が強くなるの可愛い。
TEONに着いて、この前香水を買った3階のイレヴァンに向かう。向かってる間にTHがあったから、また服を見る。
「これとこれどっちがいいかな?」
そう言って茶色のワンポイントTシャツと緑のワンポイントTシャツを比べてみる。個人的には茶色かな。
「アニキの感性なら茶色か?緑も似合ってる」
「茶色にしようかな。いや、今日はいいや」
「そんなに高かった?」
「3980円。買えなくはないし、別に何も問題ないけど、個人的には高い」
「あんなに稼いでるのにか?輝奈子、もう少し高い服も着たらどう?」
「確かにね。でも、安くても良いものはあるからコスパ重視しちゃうんだよね」
「そうか」
さて、ちゃんと3階に上がり、イレヴァンに入る。イレヴァンに着いたから色々見てみる。猫耳とか、犬耳あるかな?
「あ、これ、かわいくない?」
そう言って指差したのは黒の猫耳カチューシャだった。優斗は「めちゃくちゃ似合ってる。値段さえ良かったら、それがいい」と楽しそうな優斗を見て、値札を確認する。600円だった。
普段はこんなものにお金を使わないんだけど、はしゃいでる優斗が可愛くて買うことにした。
「これ買おうかな。優斗も気に入ってくれてるし」
「おう。めっちゃ似合ってる。つけて帰る?」
「うん。優斗も何かつけてよ。犬耳とか猫耳とか」
「俺はいいわ。金もないしな」
「買ってあげるよ。だめ?」
上目遣いで頼むと「しょうがないな」と言いながら猫耳を買っていた。何気におそろいだった。優斗って優しいな。
さて、帰ったら優斗とメン限配信しないといけないな。あと7曲分のタイトルを考えなきゃいけないから割と大変だなぁ。それが楽しいのもあるけどね。なんてぼんやりと考えていると、優斗が「どうした?悩みか?」と聞いてくれた。私は「違うよ。メン限の曲タイトル決め配信2をしようかなって。1の方は、もう編集作業に入ってるらしいけど」と返す。
「そうか。帰ったら配信するんだろ?飯どうする?」
「思い出のうどんでも行こうか」
「おう」
そう言って2回目のキスをしたうどん屋に着いた。優斗は前と同じ肉うどんにしていた。私も結局ゆずとろろうどんにして2回目のキスと同じ構成だった。やっぱりナスが好きなんだね、優斗。私頑張るよ。
「ねぇ、あの時みたいにキスしとく?」と私が投げかけると優斗は「慣れては来たけど、こんなに人がいるのにするのか?」とあの時と変わらない可愛らしい反応をしてくれた。私は「それでもしたいの。だめ?」と上目遣いでお願いする。優斗は「しょうがないな」と言いながら照れたような、それでいて少し嬉しそうな表情をしていた。
やっぱり、出汁の味がした。美味しい。お互いに唇を重ね、違う体温を感じ合えるのがとても嬉しい。優斗は「相変わらず急だし、キス好きだな。特にディープな方」とツッコミを入れてきた。
「うん。だって優斗の体温をダイレクトに感じれるんだもん」
「その微笑み、ばら撒くなよ。物凄くズルい顔してるから」
「そっか。やっぱり大好き。帰ったら、また、しよ♡」
「配信とキスか?」
「もっとダイレクトな奴も♡」
「掃除大変だから手伝えよ」
「いつも手伝ってるでしょ?」
「とりあえず帰るか?」
「うん。配信楽しみ」
「そうか」
そんな会話をして帰って来た。手を洗い、うがいをして、優斗に抱き着いた後配信を始める。
「こん夢幻桜。あなたの人生に音楽の彩を。夢幻桜輝奈子と」
「こん夢幻桜。優斗だ。輝奈子、その猫耳つけたままするのか?」
「あ、忘れてた。でも、いいや。優斗とおそろいだし、可愛いでしょ?」
「その顔ズルいからな」
「知ってる。あとで抱き締めてよね」
『こん夢幻桜』
『こん夢幻桜』
『こん夢幻桜。猫耳輝奈子さん、かわいい』
『¥50000 猫耳輝奈子さんの鑑賞代』
『またしてもベタ甘な輝奈子さんで草』
『このカップル可愛すぎて推せる』
「今日も歌のタイトルを考えていくよ。では、さっそく」と言いながら、本日の1曲目を流す。
「あなたと初めての東京~♪初めてのライブ~♪一緒にいられる時間を噛み締めて~♪また生きている~♪この世界を~♪一緒に見られる景色が輝いて~♪また力をくれるんだ~♪」
「今~私の歌があなたを救えるのなら~♪この声で世界を笑顔に変えていきたい~♪」
『この曲良いよね』
『あなたと共に』
「『あなたと共に』ってタイトル良いよね?」
「そうだな。他の候補出るまで待つ?」
「そうだね」
そんな会話をしているときにも曲は流れていた。
『初めての東京』
『笑顔で満たして』
「『笑顔で満たして』も良さそう。でも、『あなたと共に』にしようかな」
「いいと思う」
相変わらず優斗の返事は短い。
「ともに見られる景色を噛み締めて~ともに進もう~♪たとえ困難がこんなんでも~♪あんな困難もこんな困難もどんな困難も~♪Oh~♪」
『Ohの高さえぐいんよ』
『レソは地獄』
『HiDからのHiGは鬼』
「おおきな力を手に入れたとしても人を傷つけたくはない~どんな時も~♪ただあなたのそばで~♪」
『出たMiD2G→MiD2F#→HiA→MiD2Gのソファ#ラソ』
『名物で草』
相変わらずまたソファ#ラソの癖が出ていた。私が曲を作るとソファ#ラソで終わらす曲ばかりになる。
続いて、2曲目を流す。
「会えない時、手が震えるような辛さが~♪心に突き刺さる~♪誰かがそれを癒せるというなら~♪それはきっと~♪あなただけなの~」
「だから~♪」
いよいよサビが流れる。
「肩の痛み~♪消えない傷も~♪過ちも~♪それでもあなたのそばで笑っていたいから~♪肩は痛いけど~♪肩上がらないけど~♪四十肩の一部始終~♪恋の痛みも~♪会えないさみしさも~♪全て分かち合いたい~♪ただあなたのそばで~えぇぇ」
『相変わらず、たけぇ』
『音の高さヤバくて草』
『てか肩の痛み出てくる歌こんだけあるのstrengthだけだろ』
『四十肩の一部始終』
『肩の痛みとラブソング』
「どんな時でもそばにいて~♪私の笑顔も泣き顔も~♪どんな表情も見ててほしい~あなたの表情も全て覚えておきたい~だって大好きじゃ足りないほどに~愛しているから~♪」
『何度聞いてもこの声可愛すぎる』
その後曲が終わるまで聞いていたんだがタイトル考えるコメントがあまりなかった気がする。しいて言うなら『四十肩の一部始終』とか『肩の痛みとラブソング』とかだった。
「『肩の痛みとラブソング』って良いかも。なんか奥深そう」
「深そうなだけで深くないからな」
「たしかにそうかも。でも、いいの。面白いじゃん」
この微笑みにドキッとしてくれてるのかな?なんて思ってしまった。
「投票してみるね。『肩の痛みとラブソング』と『四十肩の一部始終』どっちがいいかな」
そう言いながら、投票を作成し、ウィスパーで投票する。
『どっちになっても面白すぎるんだよな』
『そもそも肩が痛い歌多くね?』
『ここまでくると名物』
その間に、3曲目を流すんだけどこれで折り返しを超えたかな?10曲のうち3曲は前回考えたしね。これが通算6曲目だ。
「これでやっと折り返しだよ。じゃあ流していくね」
「お疲れ様」
『頑張れ』
『相変わらず凄いよな』
『即興ソングってこんなに作れるもんだっけ』
『少なくとも俺は無理』
「We tend to take it for granted that the happiness comes, but we should not do that. It is not natural that happiness should come. We should calm down. I have a shoulder ache every morning. I get up , stand up, and stand the pain I have. I'm not a bear , but I bear the pain of my heart that I can't see you.」
『Aメロで仮定法現在はやりすぎなんよ』
『英語の勉強ちゃんとしないと意味がわからない歌詞で草』
『言ってることも深すぎて草』
『英語でギャグすな』
『訳して英語得意な人』
『私たちは幸せが来るのを当たり前だと考えてしまうけど、当たり前だと思わない方が良い。幸せが来るのは当たり前ではない。落ち着いた方がいい。毎朝肩が痛い。目覚めて、立ち上がって、持っている痛みに耐える。クマじゃないけど、あなたに会えない心の痛みに耐える』
『意味そっちのけの英語ギャグで草』
「I was born in Tokushima. My mother patiently bore the pain of bearing me. I'll keep on singing for you all that I love till my life ends, so keep on believing.」
『徳島出身です。母親は辛抱強く私を産む痛みに耐えた。私が愛するすべての人のために歌い続けよう、我が人生の尽きるまで、だから信じ続けてほしい』
いよいよサビが来る。1番のサビが。
「You all have your own lives. I love livestreaming. I hope you enjoy yourself in my livestreaming. There are no descriptions of life and no guarantees that the life is easy. Therefore, you have to believe your own choice and you have responsibility of your choice.」
『皆それぞれの人生がある。配信大好き。私の配信楽しんでくれてると嬉しい。人生が楽である保証も人生の説明もない。だからこそ、自らの選択を信じなければいけないし、その選択の責任を負うのも貴方自身だ』
『歌詞がガチすぎる』
『これを思考時間0秒とか意味不明』
『才能ありすぎだろ』
「I'll patiently bear the pain I have. Everyone is a patient of disease named "life". Everyone bears the burden they have. We make gardens of our lives. Many flowers will surround you, so don't surrender your belief.」
『私は自らの痛みを辛抱強く耐えよう。皆、人生という名の病気の患者である。皆、自身の持つ負担に耐えている。我々は自らの人生の庭を作る。沢山の花があなたを囲むだろう、だから、信条を捨てないで』
『ガチすぎる歌詞で草』
『どんな歌やねん』
『出産の痛みに耐えるクマ、ベアー』
『難しすぎるだろ』
『音高い、英語ムズイ。ボカロかよ』
「『出産の痛みに耐えるクマ、ベアー』いいね。他に候補あれば見てみたいかも」
『クマベアー』
「『クマベアー』にしようかな。かわいいし」
「この歌にそのタイトル付けるのか?」
「良いと思うんだけど、どう?」
『恐ろしい難易度の歌に付けるには可愛すぎるタイトル』
『『クマベア―』歌おうかなって言われてこの曲来たら、一瞬で惚れそう』
『あまりにもタイトルが可愛すぎる』
『なお難易度は考慮しないことにする』
「『クマベア―』でいいのか?こんなに難しいのに」
「確かにフェイク鬼だし、音程変化地獄だけどいいんじゃない?」
「なら、それ採用するか」
「てことで、次の曲流していくね」
そういって操作して、次の曲を流す。これが4曲目。通算7曲目。やっていることが阿呆すぎる気がしてきた。計画性皆無のノリだけパッション、燃え滾れって感じだけどまぁ、いいや。
「あーーーーーーーーーーー」
『『あ』しか言ってないのに、Aメロで目まぐるしく音程変わるうえにフェイクと音域やばすぎる』
『これこそ『ああ』だろ』
『それな。伝説の『ああ』5種事件な』
『あれはこっちが『嗚呼』ってなるわ』
「えーーーーーーーーーーー」
『これ次なんだったっけ。い、お、うが続くんだっけ?』
『それな』
『しかもこの『え』だけで1オクターブ分を目まぐるしく移動してるから鬼』
「hey yeah えぇぇぇぇぇっぇぇええぇぇぇっぇぇぇぇ」
『階段状に上がっておりて、また上がるフェイクマシマシソング』
「遠く離れた~♪あなたの元へ~♪今すぐにでも~♪飛んでゆきたいよ~♪心の翼を広げながら~♪この内容のないような歌が誰かを救うなら~♪それもいいな」
『急に良いことを言いだした』
『きっと、この『あなた』は優斗さんを差してるんだろうな』
コメントを見ていた優斗が「輝奈子、そうなのか?」と聞いて来た。私は「そうだよ。だから、いつまでも一緒に居てくれていいんだよ」と微笑む。やっぱりムラムラする。
そんな心を持っているうちにあっと言う間にサビが来た。
「どんな高い壁でも~♪どんな辛い葛藤も~超えて見せる~この小さな体でも~♪」
『みんな歌詞に注目してるけど、動きヤバくね?』
『それな』
『どうしてあの動きで安定した声が出るのだろうか』
『これ、1発撮りしたらマイクにぶつけるだろ、腕とか足とか』
『しかも、ラジオ体操みたいな動き入ってるし、股関節の運動とかも入ってるよな」
『翼を広げて』
『信じよう』
「『翼を広げて』っていいね。どう思う?」
「お、おう。いいんじゃない?」
「じゃあそれにしようか」
「もしも~♪超えた先で~♪あなた~に会えなくても~その時は~来世で~待って~いるから~♪So just
believe yourself Don't give in 信じ続けよう~♪」
「良い曲だよな。この後のサビひどかったけど」
「ひどくはなかったでしょ?内容皆無だけど」
「それは酷い」
「内容が~♪なくても~今も生きている~とりあえず生きている~相変わらず、内容はないようですが~それでもいいの~さて~何をしようかな~楽しみな人生を~」
『お家芸の内容がない歌』
『お家芸ktkr』
「何も~ないような~私の歌に~内容なんて~無いようだけど~それでも~生きている~生きる意味なんて~考えても~作るものだから~ないとしか言えナイト~常闇の冬空に~灯せlight~きっとIt'll be alright~ I'll be your knight~ If nights make you feel dark, I'll be your hero 疲れは疲労~その頑張りを披露~皆それぞれのHero」
「かっこいい曲だな。相変わらずギャグ全開だけど」
「そんなことないでしょ?」
「ギャグばっかじゃん」
「そんなこと……あるね。ナイトで遊んだうえで疲労で畳みかけるのはやりすぎかもね」
『夫婦漫才面白すぎるだろ』
『輝奈子さんの親父ギャグ好きかもしれん』
『誰か親父ギャグ輝奈子さん作ってください。読みます』
今日の5曲目、通算8曲目を流す。そろそろ終わらないかな?もう疲れてきたんだけど。時計見たくもないもん。次からは減らそう。
「無理をして~早く進ま~なくて~いい~♪疲れた~時には~休め~ばいい~♪急がなく~たぁて~♪何とか~なる~のが~人生~だろ~♪き~っと~いつでも~♪ケセラセ~ラセ~ラセラ~♪」
『意外にかっこいい歌詞で草』
『ケセラセラの後適当に付けられたラセラセラは草』
『もう、これ、『ケセラセラセラセラ』だろ。タイトル』
『セラ』
「信号に~ひっかか~って~ゆっくり~止まって~いるときも~♪きっ~と~何かを~考える~♪時間に~なるの~だろう~♪」
「だから~♪どんな~とき~♪でも~ケセラセ~ラセ~ラセラ~♪」
「so just be yourself~♪believe in yourself~♪今も~過去も~まだ~見ぬ~未来も~」
「今~だって~生きている~♪信じ~続けて~進もう~oh~♪」
『ケセラセラセラセラの親戚みたいなパート出てくるのか』
『何の歌だよこれ』
「信号に~引っかか~って~ゆっくり~止まって~いるときも~♪きっ~と~何かを~考える~♪時間に~なるの~だろう~♪」
「だ~か~ら~♪意味は~ある~♪すべ~てに~信じて~進もう~♪」
「どんな~時でも~ケセラセ~ラセ~ラセラ~♪今だって~♪生きている~♪信じ~続けて~進もう~oh~♪going on your way~♪yeah~♪stick to your belief~♪」
『最後だけキーが2個上がるのかよ』
『ケセラセラセラセラでいいと思う』
『怒涛のセラで世良』
「じゃあ『ケセラセラセラセラ』にしようか。あまりにもふざけた歌になった気がするけど。さすがにドラマで使われるとかないよね?」と優斗に問いかけると、「さすがにないだろ。そこまで人生は甘くないと思う」とどこまでも現実的な答えが返って来た。
だからこう返す。
「だよね」と。ラストスパートだ。やっと9曲目を流す。次でラストだ。長かった。もう疲れた。結局何時間かかったのだろう。もういいわ。もう絶対しない。だって、疲れるんだもん。あと、ライブも2時間尺ぐらいでいいわ。8時間もしてんじゃねぇよ、私。見る方も疲れるだろうよ。
「何を~作ろうか~そう考えても~何も浮かばない~だから~♪や~めた~な~にを~しよ~かな~とりあえず~on my way」
「内容が~なさ~過ぎて~それもよくて~あれもよくて~内容はな~くて♪~花に~な~って~えぇぇ~♪適当に~できた~♪この歌が~何か~を~変えて~ゆくなら~♪そ~れも~いい~かな~♪だ~って~今~♪生きている~か~ら~」
『ゆくならのソシドドはえぐい』
『かっこよすぎる』
『かな~♪のレラはお家芸』
『相変わらずのレラ』
『内容が無いようです』
『NO Content』
「『NO Content』っていいね。これにしよう。よく似た歌ができる予感するけど」
「8割、内容ないと思うぞ。0秒で考えてるならそんなもんだろうけど」
「もう絶対しないから。疲れるし、長いし、後が大変。ネタキレそうだもん」
『それはそう』
『当たり前』
『むしろ、5年で50曲以上の即興ソングをリリースしてるのがおかしい』
『曲覚えてるのかな?』
私は「えー、曲は覚えてないよ。だって多いもん。他のアーティストさんに聞きたいけど、何年分の歌の数でしょうか。50曲作るのに何年かかんだよ」と文句をたれる。だって面倒じゃん。あと、多いよ。
ついに最終曲10曲目だ。
「我ながら~♪どれほど~♪作って~いる~んだよ~♪貴様~♪作り~すぎ~だよ~♪今回の~♪アルバムを~♪作る~なら~♪一体~どれほどの~再生~時間~に~なる~だろう~」
「作り~す~ぎて~♪後の~作業~が~♪めんど~くさく~なって~♪しまうよ~」
「あ~あ~♪終わらない~作業の~幕開けだ~♪ああ~終わらない~って~いいながら~♪き~っと~♪たくさんの~レコーディング~♪こなして~いくんでしょ~♪もういいや~♪あきら~めて~自分で~作~った~ものだから~♪誰かに~届く~歌~に~なれ~♪」
『諦めた』
『諦めるんかい』
『頑張れ』
『タイトル浮かばねぇ』
『作るのめんどくさい』
『どこかに響け魂の歌』
「どれほど~作るもの~なの~かしら~♪終わらない~作業に~トンネルを~感じても~いつか~終わりが~♪来~るから~また~作るんだ~ろう~♪」
「終~わ~れ~よ~♪」
「あ~あ~♪終わらない~作業の~幕開けだ~♪ああ~終わらない~って~いいながら~♪き~っと~♪たくさんの~レコーディング~♪こなして~いくんでしょ~♪もういいや~♪あきら~めて~自分で~作~った~ものだから~♪誰かに~届く~歌~に~なれ~♪」
「なんかいいタイトルないかな?」
「そうだな。これとかどうだ?『終わらない歌』とか『Endless song』とかあるけど」
「よし、『終わらない』にしよう」
『結局どちらでもないやつになるの草』
『まさかの『終わらない』だった』
「これで全部かな?あー、長かった。もう絶対しない。流石に1回のライブで10曲も考えるのおかしい。準備期間0秒で10曲も作ってるのはおかしいから」と私が溜め息を吐くと、優斗が「お疲れ様。よく頑張ったな」と褒めてくれた。幸せだなぁ。
『このカップル可愛すぎる』
『優斗さん可愛いよな』
『輝奈子さんじゃないのかよ』
『わかる。カップルとして可愛すぎる』
私はまとめようとメモを見直す。
「えーーーーっと、今回の配信の1曲目が『あなたと共に』で、2曲目が『四十肩の一部始終』で、3曲目が『クマベアー』で、4曲目がー、えーなんだっけ?」
「ここに書いてるだろ?『翼を広げて』だ」
「そっか。えっと4曲目が『翼を広げて』で、5曲目が『ケセラセラセラセラ』で、6曲目が『No Content』、ラストが『終わらない』だったね。今までの感情が『終わらない』だよ。もう疲れた。優斗、褒めて、抱き締めて」
「お疲れ様」と言いながら抱き締めてくれる優斗っていいよね?
『お疲れ様』
『何気に1番疲れてるの優斗さんじゃね?』
『それな』
『あと、抱き着き輝奈子さん可愛すぎる』
「では、これを送りまして、おつ夢幻桜。次からぜってぇしねぇからなー。ばかやろおつ夢幻桜」
「おつ夢幻」
『おつ夢幻桜』
『ばかやろおつ夢幻桜』
『相当恨み籠ってるのか、セリフが完全に悪役』
『この作者なら悪役令嬢がデュクシしてきそう』
『ヒロインに親父ギャグ言わせるんだろうなぁ』
配信を切ると、疲れすぎて寝落ちした。おやすみ、私。明日は1日寝よう。明後日は午後から収録して、ボイスを撮るらしい。なんかお正月とバレンタインとクリスマス出すらしい。一体何パターンをCDに入れるのだろう。作業量がバカなので頑張ってもらおう。明日はNAOの実家に泊まることになっている。これは明日説明しておこう。優斗が嫌がるのはわかるけど、これは大丈夫だと思う。ダメフラグを立てる気はない。
もう寝る。疲れた。