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中津浦優斗から見た輝奈子15

配信を終え、満足げに眠る輝奈子を眺めていると、輝奈子が目覚めたみたいだ。いたずらのつもりなのか「にゃん♡」と手を丸めて猫の真似をしていた。可愛い。ぽやぽやの声での「にゃん」は反則だろ。まだちょっと眠そうだけど俺を見てくれたことがなんとなくうれしくて、これからもずっと一緒にいられたらなんて祈ってしまう。


俺が「おう、起きたか」と声を掛けると、まだ眠そうな声で「ぅん。今何時?」と問いかけてくる。

「昼の3時。寝てから2時間ぐらいだな」

「お腹空いた。なんかある?」

「昼作ったサラダと目玉焼きなら」

「ありがとう。大好き」


そう言って輝奈子は俺に抱き着く。俺は「相変わらず急だな」と言いながらも輝奈子を抱き締めていた。なんだかこんなことをしている日常がとても楽しくて、ずっとこのまま一緒にいられたらいいのにと再び思ってしまう。やっぱり可愛らしい胸の感覚も、細い腕も大好きだ。未だに不思議だけど、一緒に居てくれるのがとても嬉しい。


どれほどの時が経っただろうか。抱き締められてる感覚だけでは足りなかったのか、俺の唇に唇を重ね、舌を入れる。やっぱり温かい。輝奈子は可愛いな。しっかりある胸も細い腕も足も。輝奈子の儚さを感じちゃってワクワクムラムラしてしまう。


俺も同じように感じてくれてるのだろうか。輝奈子が舌で侵略してきたから、俺も仕返しとばかりに輝奈子の口を舌で侵略する。絡み合う舌の感触と、口の中の温もり、抱き締めてくっついている感触が物凄くムラムラする。


輝奈子は今何を考えているのだろう。唇を離して話したい気持ちもあるけど、名残惜しくてもう少しだけ互いに侵略し合う。そんなことをしてるとイケナイことをしているようで、体が火照って来てしまった。


輝奈子は暑かったのか、服を脱ぎ始めていた。俺は焦って「ちょっ、おま。今日もするのか?大丈夫だと思うけど、どんだけするんだよ」と口から出ていた。


「もちろん今日もするよ。どんだけするか知らんけど、多分20ぐらいかな?と思ってる」

「どんだけするんだよ。そんなに出ねぇよ」

「いいの。私が入れるだけだから。ただ、優斗と重なりたいだけだから」

「俺も嬉しいけど、相変わらず強いな。性欲」

「そうだね。でも優斗だからこうなってるんだよ」


そう言いながら、俺の上の服を脱がしていく。慣れ始めてる輝奈子がかわいい。でも、20回もしたらさすがに死ぬと思う。できそうな気がしてしまうのは輝奈子のせいだろう。


俺も服を脱ぎながら、輝奈子の感触を味わう。ペアルック用の紺色の服をカーディガンを外し、紺色の服も脱いで、今やっとブラジャーまで外した輝奈子を見た、俺は「いつ見ても見事なもんだな」と何度も見てるはずなのに感嘆してる。輝奈子は「そうかな?俺の厚い胸板も好きだし、男らしい胸毛もかっこいいよ」と返しながら自分のスカートを脱ごうとする。


俺は「そうか。あ、スカートおろすのは待て。両手で裾持って広げてみてほしい」と要望した。なんとなく、一気に脱がせないエロスを感じてみたくなったのだ。何気に初めてのことかもしれない。なんか嬉しいな。気分がるんるんしたのか輝奈子は「いいよ。ほら、存分に見て。かわいいでしょ?」と上目遣いをした後、くるりと回っていた。思った通り、いや、思った以上にエロかった。


「お、おう。かわいい。ちょっとずつたくし上げてくれない?」

「いいよ。はい。こんな感じでいいのかな?なんだか照れるね」


そう言いながらパンツがギリギリ見えないところまでたくし上げる、輝奈子。俺のエクスカリバーが少し重くなってきた気がする。多分背徳感と輝奈子の恰好のエロさとか高揚感とかが湧きだしているのだろう。


「おおう。普段と全然違うエロさがあるな」


「優斗も変態さんなんだ」とからかわれたから「男は皆変態だ」という何とも淡白なツッコミが返した。輝奈子は「じゃあ、こういうのも好きなの?」と言ってパンツだけ脱いでいた。どうしよう。物凄くムラムラする。中身を知っているから別に隠す意味なんてないんだけど、隠れていることのエロさが凄い。これは反則だ。


そんなことを思ってると「おおう。ヤバい。物凄くエロい」と口が滑る。輝奈子は「そうなんだ。物好きな変態さん」と微笑んでいる。その微笑みがズルかったから「どっちがだよ。月に何度もねだって来る変態さん」と意趣返しをする。


「そんなことないでしょ?しなかった日の方が多いし」

「いや、そうか?まぁでも応じてしまっている俺も変態なんだろうな。それもこれも輝奈子が可愛いせいだ。責任取れよ」

「そういう優斗だって男らしくて、かっこいいよ。こことかね」


そういいながら、ズボンの上からエクスカリバーを握る、輝奈子。俺は相変わらず「止まれなくなっても知らないからな」と心配している。よく考えたら、いつも輝奈子の無理に付き合わされてるだけなのに。でも、楽しいから仕方ないのだ。


輝奈子のこの優しさを当たり前と思う事がないようにしようと思った。輝奈子の望みは俺がかなえよう。だって、いつも与えられてばかりだと思うから。俺は輝奈子に何か与えられてるのかな。金も人脈も才能もある輝奈子と違って俺には何もないから。


輝奈子は「いいの。優斗の幸せが私の幸せだから」と微笑んで、俺のズボンを脱がし、エクスカリバーを露出させる。やっぱりかわいい。俺のが他の人と比べて大きいかどうかはわからない。ただ輝奈子と繋がって居たくて、自分とは違う体温を感じ合えることに幸せを覚えてしまう。


何やってんだろう。そんなことも思ってしまうけどやっぱり好き。いや、大好きでさえも陳腐に聞こえるほど輝奈子のことが大好きだ。きっと結婚すると思う。でも、まずは、俺自身が頑張って働かないといけない。輝奈子の隣に立っても恥ずかしくないように。


そんなこと考えてたら、輝奈子が「デュフ」みたいな声で笑うから、小さいのを笑われてるのかと思って、下半身丸出しの俺が「どうした?ギャグでも浮かんだか?それとも」と少し悲しそうな顔をした。きっと俺のエクスカリバーが小さいわけではないと思う、確実にギャグのせいだ。だって、今までも見てるはずだから。


輝奈子は慌てたように「あ、えと、違うよ。ギャグ浮かんで、でゅふってなっただけだから。優斗じゃないと満たされないから。優斗だからこうなるんだよ」と返しながら、スカートを脱ぎ捨て、俺の手を自らの花園へと誘う。


「そうか。あったかいな」

「そうなんだ。あんまり自分では触ってないんだよね。あ、そうだ。覚えてる?初めて一線を越えた日」

「覚えてるぞ。その日はライブを8時間もして、1回で寝たのに今は何回もしてるもんな」

「そうだね。なんか、2週間?3週間ぐらいの間に一気に距離が縮まったよね」

「あの時の寝顔めちゃくちゃ可愛かったぞ。今日の振り返りもお疲れ」


そんな話もしながら、お互いに絡み合う。対面座位が楽とどこかで見たので、やってみようと思う。なんとなく楽な気がする。いつもより深く刺さってる気がするし、顔を見ながらできるのがいい。今度から定期的にやってもらおう。とか言いながら多分今日何回かするだろうから何回かこの体位もするのだろう。


対面のやり方で、5回ぐらいした後、やっぱり、寝そべってする方が楽なのか、輝奈子は俺の上に跨って四つん這いで前後していた。その後何回か対面座位と言うのもやってみた。今日何回したのだろう。結局何回したか覚えてないけど、物凄くお腹が空いたし、部屋の惨状に俺は「どんだけだよ」というツッコミを入れた。


で、ガチのお掃除に3時間、気付くと時計は8時を指していた。もう、5時間もいろいろしてたのかよ。思い出して俺に「そういえば、昼のサラダ貰ってもいい?あとなんだっけ?」と問いかける輝奈子に、「目玉焼きもある。テイクアウトでもする?メックとか」と返す。こんなやり取りも幸せなんだよなぁ。


「うん。一緒に行こ♡」


かわいく上目遣いで言うから俺は「まだやるのか?」とマジな顔をした。別にソンナつもりはないと思う。これ以上はいくら俺の腰が強くてもきつい。それを知ってか知らずか輝奈子は、「そうじゃないけど。やるなら帰ってからにしよ♡」と微笑んで、俺の手を握る。


俺は、何してるんだろう。そんなことを思ってしまったけど気にしないふりをして輝奈子と歩き出す。外は、まだ寒いけどそれでも輝奈子の手の温もりを感じられることが嬉しい。俺に「あったかいね」と微笑みかける輝奈子に「まだ寒かろ」とマジレスをする。やっぱりこのやり取りが好きだ。


「そうだね。あ、そうだ。帰ったらメン限でライブの曲のタイトルを考えて行こうかなって思うんだけど」

「そうか。もうやるのか」

「うん。2週間経っているし、ライブ音源まんまとはいえタイトル考えなきゃだし、あと楽器での編集とかもあるからね」

「そうか」


「優斗も今ドキドキしてくれてるの?私は今結構ドキドキしてて心臓の音がうるさいんだけど」

「心臓うるせぇぞ。沈めてやろうか」


この返しでよかっただろうか。でも、肝心なことをうまく伝えられないこともあって胸が痛い。


「で、どうなの?ドキドキしてくれてるの?」と頬を膨らませる輝奈子に「当たり前だろ。ふらっといなくなったりすんなよ」と言いながら輝奈子の頬を押す。相変わらず可愛くない音がした。でも、何度やっても輝奈子のほっぺは可愛い。


そんなやり取りをしているとメックに着いた。輝奈子はいつも通りのダブルチーズとポテトのセットでドリンクもいつも通りのコークにした。俺は、ほら、前と一緒のやつだ。


俺はこの前と同じメニューにしていた。しかもナゲットまで買っていた。これは、食べてる時に手が触れるどっきりがしたいとかそういうわけではない。大嘘だ。何ならずっと握っていたいくらい輝奈子の手が好きだ。可愛いから。


「ありがとう。今日もナゲット買ってくれたんだね」

「おう」


輝奈子が「私は笑顔が一番似合うってことでしょ?」と言うから俺はHachimitsuSakuhinの歌詞に合わせて、「そのあと、そんなのわかってるとでも言うつもりか」と返す。


「うん。だって優斗、いつも私の事褒めてくれるから」

「そうか」


そんな会話をしながら輝奈子と手を繋いで帰る。やっぱり、幸せだなぁ。お互いに繋がっているのを感じてとても嬉しい。


近くの公園を通った時に抑えきれなくなって、「ねぇ、キスしようよ。思い出のこの場所で」と提案して唇を差し出す輝奈子にどれほどの元気をもらっただろうか。


俺は戸惑いながらも、唇を重ねてくれた。やっぱり違う体温を感じ合えるのって幸せだなぁ。そんな事を考えながら抱き締め、舌を入れる。


数分経ってると思うころに「あ、ポテト。冷めちゃうよ。忘れとったー」と気付いて唇を離し、「ポテトーー」と叫ぶ輝奈子に「こういうところが台無しともいえるけど、それも可愛いんだよなぁ」と浸る。


だから俺は「うるさいぞ。どうした?帰るだろ?」とツッコミを入れる。 

「うん。そろそろ帰ろうか」

「足止めたの輝奈子だけどな」

「そうだね」


家に着いて、手を洗い、うがいをしてメックを食べる。やっぱり美味いわ。また接吻したくなるんだろうな輝奈子だから。だってしょっぱいから。そんなこと考えると輝奈子とのキスを思い出して急にムラムラして来た。


輝奈子も同じだったのか、俺の頬にキスを落とす。俺は驚いた表情をしながら「急だな。さすがに今日はもう出ないぞ」と輝奈子に自重を促す。


「そんなこと言って出るんでしょ?」と思っている言葉が口から滑り出たようで「出るとしても、今日はもうしない。さすがにやりすぎ。一日で30回もしたくはない」と軽く窘める。


「そうだよね」と輝奈子がシュンとする。可愛いけど、見ていられなくなって、俺は「その代わり配信は一緒にできるからな」と配信の準備をした。コーヒーとかお茶とかパソコンの電源とか。


で、配信のタイトルを付けて、サムネイルを作成する。時間かけてもアレだし、ライブの配信の使いまわしを加工して作る。ささっと作ってたので凄いと思う。相変わらず、急に配信開始ボタンを押して今日も始める。


「こん夢幻桜。あなたの世界に音楽で彩るよ。夢幻桜輝奈子です。と」


「こん夢幻桜。俺はやらねぇからな。俺です」


『こん夢幻桜』

『こん夢幻桜』

『こん夢幻桜』


「今回は初のメン限配信です。タイトル通りライブの即興ソングたちに名前を付けて行こうと思います。と言うことで、アイデア募集します。もしかしたらあなたのコメントが、スーパーチャットがタイトルに採用されるかも。お楽しみに」


「怪しい広告みたいだな」

「確かに」


『怪しい広告は草』

『言葉だけなら怪しい広告なんだよなぁ』

『めっちゃ終わりそうな雰囲気で草』

『往年の伝説企画再来』

『strength名物即興ソングの名付け』

『2019年のレーベルと揉めた話は、な、分かるだろ』


「揉めたってなんで?」と俺が聞いて来たから説明しようと思う。


「あー、あれね。根回ししたんだけど、前例がないからって言われて、「それなら作ったら―い」したらお偉いさんが頭抱えて仕方なしに認められて名物になった。ちなみに当時の曲は『ああ』と『Ah』と『嗚呼』と『あー』がある」


「違いが判らん」

「平仮名2つの『ああ』と英語の『Ah』と漢字の『嗚呼』と平仮名の『あ』と伸ばし棒の『あー』があるの」

「違いは?」

「リズムと歌詞かな。9割『ああ』で構成されてるけど」

「何その歌意味不明」

「そうだよね。わかる。当時の輝奈子に問い合わせたいもん。なんで全部それなんだよって」

「それはみんな思ってると思う」

「だよね」


「ちなみに終わる空気満載とか見たけど、まだ終わらないし、始まったばかりだよ」と輝奈子が言うと、コメント欄は『それな』とか『わかってる』とかで溢れていた。


『曲楽しみ』

『それな』


と言うことで曲を流していくことにする。


「今立っているステージも多くの人の努力の結晶だから~♪いつもありがとう~♪強くあることだけが正義じゃない~♪無理を続けて潰れるよりもただ笑って生きられるように考えて生きて行こう。今もこのステージで輝いている~♪煌めく雪の結晶に祈りをのせて~♪大きな力を出せるように~♪雪の道を掛けられるように~いつも心に4WD~い~い~♪」


『4WD』

『心に4WD』


「煌めいて、揺らめいて、燃える陽炎~♪今生きてる世界はどうゆうの?そのimportanceをDo you know~♪今こそ進むもう keep on going now~♪ Believe in ourselves now ~♪」


『さすがの3秒クオリティ』

『四季満開』

『Snowy belief』

『brief belief』

『↑韻だけで草』


曲を止めてコメントを見てみた。


「心に4WDいいよね。四季満開もよさそう。我ながら何の歌?」


『作者本人が何の歌?は草』

『名物作者本人がよくわからない歌』


「輝奈子自身もわからんのかい」

「うん。だってステージ立ってたから歌ってただけだし」

「そうか。で、タイトルどうする?」

「う~ん。どうしようかな。『四季満開』もいいけど四季って感じでもないし、『心に4WD』にしようかな。わけのわからない歌だよね。相変わらず」


「本人がわからないなら誰がわかるんだよ」

『本人がわけわからないなら誰がわかるんだよ』


俺とコメント欄の反応がピタリと一致していたからか輝奈子は抱腹絶倒していた。俺は「笑いすぎ。どんだけだよ」とツッコミを入れた。輝奈子は「でも優斗ならわかってくれるでしょ?あとキーボードのNAOもわかると思う。長いから」


『本人がわからないのは草』

『それはそう』

『てかNAOならわかるのかよ』

『即興で考えながら作っているのに意味通る方が凄いだろ。何でできるんだよ』

『割とできるかもしれないけど、違うリズム違う歌詞を無限に生み出してるの強すぎ』


『心に4WDってタイトル面白すぎる』

『心に4WDのインパクト強すぎる』

『そのタイトル考えたのがリスナーってのが強すぎる』


そして、2曲目を流し始める。


「今、ここにいる観衆と~今までを彩る慣習と~♪今立っているこの用意周到なステージ~♪イェ~イェイェyeah~♪今日ぶつけたマイク~痛い~でもいいの~輝奈子は今も生きている~♪変わり始める世の中も~♪今始まる今年も~♪」


『もう今年は始まってるんだよなぁ』

『¥50000 痛いマイク』

『¥50000 ゴン』


「ゴン♪今始まるよ~新しい季節が~いやさっむ♪~ゴン、当たるマイク、当たり前の日常に奇跡は満ちているから~信じ続けて行こう~Believe in yourself」


『¥50000 当たるマイク当たり前』

『ぶつかりマイク』

『¥50000 イタイマイク』


「カタカナのイタイマイクいいよね?痛いけど今行くって意味と物理的にぶつけて痛いマイクと遺体のように舞い苦労する日々頑張る人への応援歌とか」


『一言のスパチャでなぜここまで浮かぶのか』

『天才で草』

『このタイトルは謎』

『初見で内容がわからない歌ランキング独占できそうで草』

『『魚』のカバーの話はやめろ』

『アレはあかんだろ』

『カラオケガチ勢ワイ、魚のカバーを見て世界の違いを知った』

『アレのカバー元とstrengthバージョン聞き比べた時の衝撃よ』


「え?そんなに違ったっけ?」と輝奈子がコメントを拾う。俺は「むしろ何が一緒だった?音源?それとも言語?」とツッコミを入れた。明らかに何もかもが違うだろうよ。


『言語?は草なんよ』

『確かに同じ言語だったな』

『むしろ言語も違うだろ』


唯一、輝奈子の口から出た音は「それな」だった。


『Aメロで1オクターブ上がってまた下がって声質変わるの控えめに言ってテロ』

『それな』

『本家のありがたみを知った』

『アレは音域広すぎてヤバい』

『『魚』strengthバージョンの音程変化えぐすぎて草』

『『なー』の1音のロングトーンが細かな音程変化群になった時のえぐさは異常』


「さて、曲を流していこうか。3曲目」


そう言って3曲目を流す。


「今年が始まって4日経った~♪素晴らしい日々になった~♪そう言える日を願った~♪輝奈子の祈りが世界に届くなら~♪ただ平和であれと~♪」


『と~♪が高いんよ』

『男性殺しの鬼高音』

『Aメロでこれは鬼』


「さあ、踏み出していく~♪新たな一歩はきっと強くなるから~大きな力をこの手に~♪」


『ここからのサビも鬼なんだよなぁ』

『あれは外国人殺しだろ』

『読み方を試す奴かな』


「生きている世界に~♪生の感触を~♪好きなことを生業にできるこの幸せを噛み締めて~♪輝奈子の生命の華を生けていく~♪人の性は悲しいものもあるけれど~性格を活かして生きられるように~能力を活かしていけるように~ただ祈りを~空に放つ~♪」


『生業華』

『人生に華を生けていく』

『華咲く世に生の生きがいを』


「ああ、どれもいいなぁ。特に『生業華』。字面がかっこいいからなぁ。読み方「なりわいはな」とかにしてもいいんだけど「せいぎょうか」と読ませるのもありかも」と輝奈子が言うから俺は「良いと思う。「せいぎょうか」だろ?ちなみに、そんな言葉あるの?」と聞く。


「たぶんない。でも生業で能力を活かしていくのは華を生けていくのと似ていそうだなって」


「そうか。なんかかっこいいな」

「そうだね」


『「せいぎょうか」かっこいいよな』

『生業華とかいうかっこよすぎる字面』


「じゃあ、これにしようかな。今回3曲しかしてないけどいい感じの時間なので終わるね。おつ夢幻桜」

「早いな。ってもう10時かよ」

「うん。だから、ね」

「おう。おつ夢幻桜」


『おつ夢幻桜』

『おつ夢幻桜』

『おつ夢幻桜』

『おつ夢幻桜』

『おつ夢幻桜』

『いや急すぎて草。おつ夢幻桜』

『3曲の吟味1時間は草』


配信を終えた後、輝奈子は、また俺に「やる?」と聞く。俺は「しない。これ飲めば?」と言ってコーヒーを差し出す。コーヒーを飲ませて眠らせよう。これ以上はやばい。眠くなったからか輝奈子は、歯を磨いて俺の横に寝転ぶ。俺は輝奈子が眠ったのを見て安心した。これで今日は枯らされない。かといってこの顔も可愛すぎるから、きついんだよなぁ。


「お休み、輝奈子」

そう呟いた俺の声は届いていただろうか。俺の横で丸まって寝ている輝奈子の背中に手をのせてぬくもりを噛み締める。俺も寝るか。こんなに可愛いものが横で眠っているのは何かに悪そうだ。お休み、俺。

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