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中津浦優斗の配信

輝奈子が寝落ちした。俺はその寝顔を眺めることが日課の1つになっている気がする。別に彼女の寝顔を見たいからコーヒーを与えているわけではないが、彼女の寝顔を見られることに幸せを感じる。 おかしいな。最近、輝奈子は疲れているのだろうか。


せっかくなので輝奈子の寝顔実況でもしようか。冗談で思いついた企画だが、輝奈子には自分自身の寝相の悪さを知っていただきたい。さて、ゆっくり眺めて居よう。今輝奈子は横向きにうずくまるように寝ている。両手は頭の下に置いている。今は、まだ普通の体勢だ。ひどいときはあおむけの状態で左の膝に右足の裏をのせてのけぞって左手が左足の上に乗っている。


やっぱり寝顔が可愛い。やっぱり実況してやろう。やり返されそうな気もするけど、夢幻桜輝奈子のかわいさはもっと認知されるべきだと思う。あと、単純に話のネタが輝奈子しかない。ゲームのネタとかアニメのネタとかあるはずなのに。


なぜかいざ話そうとすると輝奈子のかわいさばかりが頭に浮かんでくる。アイツはズルい。なぜあんなに可愛くなれるのだろう。アイツも元々は男だったはずなのに。こんなにもドキドキさせてくる。ズルすぎるから、ほっぺをぷにぷに触ってやる。かわいい。


怒られたら、アイスでもおごることにしよう。そう決心して配信開始ボタンを押す。昔はこんなことしていなかったのにどうしてだろう。いや、アニキのせいだな。輝奈子め、起きたら何回でも楽しませてもらおう。いや、吸い取られるのはいつも俺だ。


「こん夢幻桜。優斗だ。今日は俺だけだ。暇だから輝奈子の寝顔と寝相を実況しようと思う」


『こん夢幻桜』

『こん夢幻桜』

『こん夢幻桜』

『寝顔楽しみ』

『寝相楽しみ』


「今はオーソドックスに毛布にくるまって寝ているな。めちゃくちゃ寝顔が可愛い。これは俺の特権だから映さないけどめちゃくちゃかわいい」


『映せよ』

『さぞ可愛いのだろう』

『彼氏さん相変わらずの溺愛に草』


「まじでかわいいからな。しかも、ぷにぷにで柔らかいし、ジャスミン茶の香りする」

『まじか輝奈子さん、ジャスミン茶の香水使ってるのかよ』

『今話題のお茶香水』

『この前の姿勢正堂のリップと合わせて輝奈子さん目指そうかな』

『使ってる香水情報はありがたい』


「ちなみにジャスミン茶はいい香りだけど、美少女からこの匂いすると物凄く面白い。あと、ウチの輝奈子が可愛すぎるから無茶苦茶ムラムラする。先週の木曜と金曜体調崩してたけど、その時もかわいかったし」


『彼氏さんに質問です。体調不良の時、彼女さんに何してますか?彼女が体調崩してるけど何していいかわからないので』

『あるよな』

『男側だと特に多い』

『わかってくれないのマジで辛いし、彼氏に当たって自己嫌悪するのやめたい』

『男側だとわけわからないことで切れられるからその日は会いたくなくなる』


「輝奈子の場合、キレることはないな。その代わり、だいぶ甘々な可愛いレア反応しだすから、自制心が試されるな。まず、輝奈子自身が体調崩すと寝たきりになるから、自然と飯作ったり、飲み物買ってきたり、布団敷くとかだな。たぶん自然にできることが大事だと思う」


『それはそう』

『輝奈子さん貧弱すぎて心配』

『輝奈子さんには笑っていて欲しい』

『甘々激レア反応について詳しく』

『聞きたい』

『聞いて得する彼氏に愛される女の子の反応』


「激レア反応なぁ。大体抱き着いて来るのと「寝るまで手を握ってて」と言われるくらいだな。力が入らなくて「ペットボトル開けて」とか「水飲みたい」とか言って頼ってくるのも可愛い。ただ、1人で生きるのに向いてないから家族とうまくやれて欲しい。無理そうなら俺と一緒に暮らすかもな」


『可愛すぎる』

『それは自制心やられる』

『あの美少女が抱き着いて来るとかご褒美だけど罰ゲームすぎる』


「しかも、出来ない日に限って……、ではないな。いつもしてきてたわ。でも、出来ない時は地獄。可愛すぎて抱きしめたくなるし、抱きたくなるな。ちょっとあったかい体温伝わってくるからマジで地獄。可愛すぎる」


『相当可愛いのか可愛いを連呼で草』

『ちょっとあったかいのか』

『この美少女の体温とかヤバそう』

『そんなの立たないわけなくて草』

『それな』


「そうだな。寝てる輝奈子見て思い出したんだけど、ライブした後、その日に一線超えたんだよなぁ週刊誌に出てたからいうけど」


『あの時はびっくりした』

『ライブで見た輝奈子さん可愛すぎた』

『スパンコールが付いたピンクの服とかstrengthが着るわけないから後から準備したんだろうな』

『てか週刊誌からまだ1週間ぐらいなんだよな』


「そんなもんだったか。そういえば、週刊誌凄い研究してたよな。どこであんなに情報手に入れたんだろうな」

『週刊果糖の取材はたまに悪質だけど裏取りはしてるイメージ』

『てか、ストレンジャーが書いてたはず』

『久しぶりに聞いたストレンジャー』

『いにしえのファンネームで草』

『輝奈子さんが過去のものにしただけなんだよなぁ』

『今の輝奈子さんのファンネーム可愛すぎるよな』

『きなこもちはズルい。アレは字面が可愛すぎる』

『しかもぴったりなんだよなぁ。印象が』


「週刊誌で思い出したんだが、ホラゲー実況は後で後半の30分ぐらい見返して、その後も楽しんだ」

『どのぐらいやってるんですか?』

『確かに気になる』


「数え切れないだろうな。それもこれも魅力的過ぎる輝奈子が悪い」

『確かにアノ美貌なら仕方ない』

『輝奈子さんが可愛すぎるから仕方ない』

『彼氏さん枯らされてそう』

『具体的数字聞いてみたい』


「多分最高で15回ぐらいしたと思う。枯れるかと思った」

『1日にですか?』

『さすがに何日かに分けてるはず』

『絶倫すぎるもんな』

『1日なら空想だろ』

『男の限界わかって話せよ』


「いや、1日だ。しかも、間ほぼ開けずに、だ。絶倫すぎて俺が枯れる」

『輝奈子さん絶倫なのはエロすぎる』

『きっとR18ファンアートのネタになる』

『絵師です。さっそく構成に取り掛かります』

『輝奈子さんはR18イラスト見ていますか?』


「知らんな。でも元が男だったから見てるんじゃないか?」

『そういえば男だったな』

『strengthそんなにイケメンじゃなかったのにあの美少女だもんな』

『たまにstrengthさん忘れそうになる』

『今もバンドでの名前はstrengthのはず』

『夢幻桜輝奈子が有名になりすぎた弊害で草』

『それな』


『彼女さんの可愛いところどこですか?』


「全部だな。とくにナス食べる時の顔はイイな。目を瞑って頑張って食べてるのが可愛すぎる。あとは、まぁ、ソウイウアレだな」 

『あの可愛さなら仕方ない』

『あの可愛さで絶倫で豚骨ラーメンキスか』

『ラーメンキスの先駆け、輝奈子さん』

『バレンタインラーメンとかしてそう』

『バレンタインラーメンは草。でも、やりそうなんよ』


「バレンタインラーメンキスは多分起きると思う。で、多分枯れるぐらいやらされると思う。そこまでは、まぁ、いいんだけど。掃除がな」

『いいのかよ』

『掃除が大変ってなんだ?』

『彼女とすることはあるけど、掃除の負担はあまりない気がする。いや、そもそも15回もしたことない』

『未知の世界すぎる』

『てかしれっとキス足してたぞ彼氏さん』

『ラーメンキスの再来』

『ありかもしれんし美味しいだろうけどキスの味としては『なし』な気がする』


「俺も同意見だ。美味しかったし可愛いし、面白いし、らしいけどキスとしては『なし』だわ」

『でもファーストキス、ラーメンなんだよなぁ』

『輝奈子さんもファーストキス、ラーメンって言ってたよな』


「おう。アイツもそうらしい。てか、くっさはひどいけどラーメンの油とキスは合わせるべきじゃないかも」


『当たり前で草』

『さすがに流行らんだろう』

『ウチの彼女豚骨ラーメンキスでした』

『うちも』

『割と流行で草』


『そういえばキスで忘れてたけど、未知の世界の話聞きたい』

『15回もしたら枯れませんか?』


「枯れるぞ。腰がやられそうになる。しゃべっていいネタかわからんが、足腰立たなくなるレベル」

『やばすぎて草』

『絶倫輝奈子さんか、...…。捗るな』

『捗るなよ』


「おっ。輝奈子の寝相変わったな。ちょっとだけ映してみるか」

そう言ってカメラを輝奈子に向ける。


『どうやってその体勢に?』

『反り返ってるし苦しくないのかな』

『左手が左足の上で左ひざの上に右足あるの控えめに言って謎』

『骨の折れそうな寝相で草』

『苦労ヤバそう。痛そうだし』


「にゃん♡いったぃ♡」

輝奈子が目覚めたかもしれない。いやすぐに寝落ちするのか。どんだけ寝るんだよ。まだ1時間ぐらいか。


『お目覚め輝奈子さん可愛い』

『声が可愛すぎて、これだけで飯食えそう』

『わかりみしかなくて草』

『これを毎回見ている彼氏さん羨ましくて草』


「相変わらず可愛いんだけど、この体勢痛くない?」と聞くと輝奈子は寝ぼけ眼を擦りながら「大丈夫ぅ~♡ふにゅう」と寝落ちした。絶対痛いと思う。あの体勢、俺はできん。


『声可愛すぎる』

『あの声で寝てるのは可愛すぎるだろ』

『あの体勢痛そう』

『体柔らかいんだなぁ』

『可愛い』

『みんなで守ろう輝奈子さんの笑顔』


で、眺めてたわけだが「にゃん♡うにゅん♡」とか言いながら、寝る体勢を変えて赤ちゃんみたいに丸まっていた。かわいい。長くたなびく髪もかわいいし、守りたくなるかわいさに溢れている。


『かわいい』

『その体勢の輝奈子さん、かわいすぎだろ』

『ずるい。だが、それがいい』

『わかりみ』

『寝息まで可愛いのはズルい』


「かわいいな。毎日見てる気がするけど、これは可愛すぎるから、まあ、そうなるよな」

『これは仕方ない』

『これは可愛すぎる』

『かわいい』


「にゃ?♡優斗ぉ♡だいしゅき♡うにゅん」

そんなことを言いながら目覚めたのかと思ったけど、また寝落ちした。しかも俺の腰あたりに抱きついて来た。めちゃくちゃ可愛い。このまま抱いてもいいだろうか。輝奈子なら許してくれる気がするけどさすがにやめておく。


「ちょっ、おま」

『彼氏さん、戸惑ってて草』

『それな』

『慣れてる人でもこれはあかん』


「このかわいい生き物が腰に抱き着いてるんだぞ?無理だろ」

『これは立つ』

『これはあかん』

『かわいい』


メチャクチャムラムラして輝奈子の髪を手櫛で溶かす。物凄く柔らかくて手入れの行き届いた髪だと思う。まさに神だと思う。髪だけに。輝奈子のせいで最近ギャグがよく浮かぶ。


「まじでかわいい。あ、襲おうとか考えるなよ。これは俺の輝奈子だから」

『彼氏さんの溺愛具合が伝わってくるぜ』

『彼氏さん溺愛で草』

『あのかわいさは無理』

『ズルいよな』

『彼氏さんに質問です。普段から輝奈子さんはよく眠るんですか?』


「よく食べるし、よく寝るし、よく笑うな。どの時の表情も可愛いから大変だぞ。美少女を求めるのは止めておけ。枯らされるぞ、その美少女に」


『それは彼氏さんだけなんだよなぁ』

『どれほど美少女でも20とかはきついな』

『さすがにないだろ』

『そんなことあったらフィクションすぎるだろ』

『もっと男を知れ、その作者』

『strength先生ならやりかねないんだよなぁ』

『ラーメンキスの考案者がまともなわけなくて草』

『今画面の前で寝転がってるこれがstrengthなんだよなぁ』

『さすがにフェイクだろ』

『ラーメンは最近過ぎるだろ』

『他に何があんだよ。呪いの装備をコンプする聖女か?それとも物理で殴る僧侶か?親父ギャグで無双する少女か?』

『ありすぎなんだよなぁ』

『なんなら、2019で始めた即興ソングもだいぶおかしいんだよな』

『まぁでもさすがにstrength先生でもリアルを追求すんじゃねぇの?』

『もともと男だしなぁ。20もはせんだろう』 


「さすがにうちでもそんなことはないだろうよ。俺も疲れたから終わるわ。おつ夢幻桜」

『おつ夢幻桜』

『おつ夢幻桜』


配信を閉じて輝奈子の手を解き、横に寝る。可愛いから抱き締めてしまおう。柔らかいし、暖かい。可愛い。なんだこの可愛い生き物は。肩も腰も腕も俺より細くて触れたら壊してしまいそうだ。だから、力の強い怪人が少女を助けるような触り方になってしまう。丸まった、ウチのニャンコの温もりがこたつみたいに心を満たしていく。せっかくだから、少しだけ彼女の歌作りに貢献しておこう。


「こたつに入る猫のように丸まる君を見て、俺は幸せを感じるんだ。今感じる、この温もりを忘れぬようにただ抱き締めている。いつかさよならが来るとしても噛み締めていよう。今の子の温もりを」


紙に書いたこの歌詞を恥ずかしく思いながらもパソコンで打ち込んで保存しておく。いつか彼女が歌を作るときのために。まだ無防備に寝転がっている輝奈子に「早く起きろよ。こんなかわいい寝顔をいつまでも晒すな」と言いたくなった。


だからもう一度彼女の横に寝そべって、彼女の頬に触れる悪戯をする。ぷにぷにだった。指に吸い付くような潤いと柔らかさ。やっぱり可愛い。あと、寝息も規則正しくて可愛い。耐えきれなくなって額にキスを落とす。かわいい。何度も思う。かわいい。


でも、彼女は親との関係に悩んだり、月の物が重かったり、すぐ体調を崩したりするから幸せにしてやりたい。あと幸せになって欲しい。俺は横にいられるだけで幸せだから。せめて生涯横で支えさせてほしい。力不足かもしれないけど。


あとで輝奈子が起きたら「さすがに20はしないだろ?」と聞こう。15でも割となのに20はさすがにやばい。行けるかもしれないけど。男はいつでも獣になれるというけれど、枯らされそうだ。まぁ、可愛いから許してしまうのだろう。


俺も寝ようかな。可愛いし、あったかい抱き枕があるから抱きしめて居よう。いつか本当のさよならが来るその日まで。だから、離れるなんて言うなよ。就職なんてしなくても輝奈子は暮らしていけるだろ?だから、我が儘だけど俺と暮らしてほしい。


いつか本当に闇夜に輝いている、この桜が散ってしまうその日まで。俺は桜を輝かせる光になろう。お休み。俺の輝奈子。




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