【配信】ライブの振り返り
昨日、日曜日は特に何もなく家族の用事に駆り出され、バイトに行くだけで終わった。そんな日でも優斗に「おはよう」と「おやすみ」のTXTだけは送っていた。で、今日はライブの振り返り配信を優斗の家でしようと思っている。
昨日は今日のことが楽しみすぎてなかなか寝付けなくて親に怒られた。さて、ライブのどこから振り返ろうか。どうしよう、楽しみだな。優斗との待ち合わせは優斗の家で11時ぐらいなので、おしゃれをしようと思う。今日はどんな服を着よう。せっかくなので2か月前ぐらいに買った紺色の服でペアルックしようと思う。
今日はいつもの三つ編みのツインテールではなく、ただの三つ編みにする。せっかくだから白いカーディガンと合わせて紺の服とスカートを履こう。あと寒いからダークブラウンのアウターも合わせる。で、お化粧は姿勢正堂の簡単メイクと案件配信の時のリップで自然でガーリーなコーデで決める。
結局7時に起きたのに気付くと10時になっていた。だから朝ご飯を食べて、ささっと出ることにした。今日の朝ごはんはパン1つだったけど。さて、チャリに跨って大学に向かう。なんとなく決めた今日の計画だけどレコードの会社でもOKは出ているし、めちゃくちゃ頑張った。
やはり冬の自転車は寒い。でも、優斗に会えることが楽しみで、そのワクワクが心を温めていく。体は依然として寒いけど、楽しいからいいよね。長いような短いような時間を経てやっと優斗の家に着いた。今日は熱燗が美味しいだろうなぁ。飲みたい。
「おはよう。今日も寒いね」
「そうだな。冷えるだろ?」
「うん。入ろっか」
そう微笑んで優斗の手を握る。やっぱりあったかい。入って手を洗ってうがいもしておく。これは優斗の家に来た時のルーティーン。さて、配信の準備をしよう。
「て、ことでやっていこうか」
「お、おう。相変わらず急だな」
「それは、いつも通りでしょ?」と微笑んで返すと優斗も「そうだな。で、始めるんだろ?輝奈子のパソコンでいいのか?」と返してきた。
「うん。じゃあ始めよっか」
そう言って、Wetubeの配信開始ボタンを押す。さて、始まったからにはしっかりと振り返っていかないと。ああ、私どう見えていたんだろう。
「こん夢幻桜。夢幻桜輝奈子です。あなたの今日に彩を」
「あ、おう。優斗です」
『こん夢幻桜』
『こん夢幻桜。待ってた』
『こん夢幻。体調大丈夫ですか?』
「うん。大丈夫。ありがとう。今日こそはタイトル通り、ライブの振り返りをするよ。ファンアートの一件はすみませんでした」
「それな。根回ししてからタイトル考えようぜ」
『彼氏さん的確で草』
『ファンアートもやってくれてええんやで』
『振り返りはよ』
「と言うことで、振り返っていきます。まずはこう始まったよね」
そう言いながら、ライブのアーカイブを掘る。すぐ出てきた。
「Sing in The Quiet Snow 間もなく開演です」
「そういえばこんな感じだったな。控室で見てたけど」
『控室にいたのか』
『彼氏さんの前でライブとか緊張半端なさそう』
「めちゃくちゃ緊張した。普段のカラオケの5倍ぐらい」
『何度聞いてもかっこよくて草』
『この時の衝撃は凄かった』
『2021から、この声は想像できなかった』
「Ladies and gentleman. Thank you for coming to our concert. Enjoy our concert.」
『この時の英語発音綺麗すぎて言葉出んかった』
『それな』
ここで一度映像を止めて「ここで裏話なんだけど、この時ガチで噛んだかと思いました」と暴露する。
コメントを見てみると『いや噛んでないし、かっこよかった』とか『あの発音はかっこよかった』とかが殺到していた。
「裏で聞いてたけどかっこよかったぞ。俺はできん」
『潔く認める彼氏さんすこ』
「優斗もやってたらできるって。一緒にステージ立とうよ」
「できたらだな。俺は歌もうまくはないしな」
「そんなことないでしょ?かっこいいもん」
「そうか。ありがとう」
『相変わらず彼氏溺愛で草』
『輝奈子さんに溺愛されてる彼氏さん羨ましい』
「さて続き見ようか」
『むしろ、始まって20秒も経ってないのに止められたんだよなぁ』
「これ、まだライブのMCしてないだろ?」
「だね」
さて続きを流していく。
「イェーイ。みんなー。久しぶりーー!!今日寒いよねー!!!」
「「「イェーイ」」」
「ちょっと止めてもらっていいか?ここなんで盛り上がれてるの?コメント欄に聞きたい」
「それは私も。当時の私に聞きたい。何で寒いよねにしたのかなぁ?」
『本人がわからんのは草なんよ』
『キレイな女の子が大写しになったから』
『服がオシャレでかわいかったから』
丁度映ったタイミングだから衣装を見てみた。着たの2週間前ぐらいだけど、この衣装可愛い。
純白で透けにくい素材のT-シャツにピンクのスパンコール付きカーディガン、ピンクのスカートに白いタイツ。雪に映える桜をイメージして作ってもらった。
「あ、この時の衣装だけど、雪に映える桜のイメージなんだ。スパンコールは輝奈子を象徴する輝きをイメージしてて、白くて世界を静かにする雪の中で歌うから、Sing in The Quiet Snowってタイトルにしたの」
「輝奈子、ステイ。落ち着け」
「はい。はしゃぎすぎました」
『彼氏さん慣れてて草』
『しょんぼり輝奈子さんかわいい』
『オタク特有の早口で草』
『語りたいこと多いんだな』
また映像を流し始める。
「今日はライブ来てくれてありがとうーーー!!!みんなに報告があります。女の子になって彼氏ができました」
『この時は凄かった。マジで見た瞬間鳥肌立った』
『動揺走ったよな』
「みんなに動揺走ったところで童謡のクリスマスソング。お急ぎのサンタクロース」
動画を見て優斗は「ちょっと待て。一回止めて、童謡いつも歌っているのか?これまでのライブでも」と聞いて来た。確かにまっとうな感覚かもしれない。何で童謡を歌っているんだろう。しかも2021の時は裏声で歌っていたし。わけがわからないかもしれない。
「うん。2019の『stand up on the cloud』でも2021の『burn in the darkness』でも歌ったよ。まぁ、毎回恒例の『魚』だけど」
『魚は最高』
『個人的に今回最高のライブだった』
『輝奈子さんになってから飛躍的に声が変わってて歌も段違いのうまさになってた』
『童謡歌うライブって珍しくない?』
『界隈では普通』
『↑むしろ童謡を聞きに来てるまである』
そんなコメント欄を見て優斗は「童謡聞きに来てるってなんだよ」とツッコミを入れていた。
『当たり前のツッコミで草』
『それは確かに』
『輝奈子さんの童謡いいのでこれからもしてほしいです』
『童謡縛り歌枠希望』
「私のオリ曲も聞いてよ。結構考えて作っているんだよ」
『即興で歌作れる人がなんか言ってる』
『考えた時間5秒以内の歌を練っているとは一体』
さて、またライブのアーカイブを流し始める。
「てことで、お急ぎのサンタクロースでした。いやー。この時期にサンタさん来たらあわてんぼうなのか遅刻癖があるのかわからなくなるよね」
「そもそも、セトリおかしいから。初手童謡に俺、動揺」
「いやー。もともと俺こんな感じじゃなかった?」
「そうだね。相変わらずのシュラララ発音」
「昔の『魚』思い出すわ」
「後ほど披露します」
「そうだったわ。お次は新曲らしいです」
「みんなーー。ハッピーハロウィーン。盛り上がっていこうぜ。ハッピーニュー」
「「「イェーーーイ」」」
「ハッピーニューイヤー」
「年を越して 腰痛め 今日も私は生きている~ 今も 痛みと喜びを胸に抱いて~いいぇぇ
日々の すばらしさー ささやかな喜びを噛み締めてゆこう そう Burning bright」
歌を流している最中にもコメントが来ていた。
『動きヤバくて草』
『スタンドマイクなのに、マイク外したし』
『マイク持って体振り回すのヴィジュアル系しか見たことないかも』
『ラジオ体操みたいな動き入ってるし』
とうとうサビが来た。
「If you are in trouble, I'll be by your side . If you get lost, I'll shine to guide you. I have the power to protect you. I have the strength to be by your side. Always I love you. Only you have to do is just believe in yourself and trust me. I'll always be strong to protect you. 」
『英語の発音カッコよくて草』
『それな』
「どんなときも」
ここでマイクをスタンドに立てようとしながら「愛し続けるよ」と歌っていたところ、
ゴン ぃいっザぁ
と勢いよく肘を打った。
「恋の痛みも 腰の痛みも」
If you are in trouble, I'll be by your side . If you get lost, I'll shine to guide you. I have the power to protect you. I have the strength to be by your side. Always I love you. Only you have to do is just believe in yourself and trust me. I'll always be strong to protect you.
いつもみんなありがとう 今こうして生きてるのも ファンのおかげだから~ いつまでも~愛してほしい~ありーがとー
2曲目であるオリ曲『ハッピーニューイヤー』が終わり、MCを入れる。
「いやー皆久しぶりだね。2年分老けた?私は全く老けてません。性別が変わりました。えー。不名誉なバズり方をした2023年でしたね。豚骨ラーメンとか、親父ギャグとか。もっと衝撃のはずの性別が変わった事より、ラーメンがバズっていたのはわけわからなくて好き」
ここで一度映像を止めて私は言った。
「ちなみに、ゴン、イッツぁは歌詞ではありません。あの時は痛かった。思いっきりスタンドマイクにゴンだったもん」
『アレは笑った』
『あの部分の切り抜き多いよね』
『しかも、そのあとの歌詞が「恋の痛みも腰の痛みも」なのが面白すぎる』
「アレは収録されるのか?なんか予定あるって言ってなかった?」
「あ、そうそう。まだ、正式発表できないけどなんか出るらしいよ」
「そうか、収録にまた行くのか?」
「とりあえず、レコード会社に言わないと、かも」
「そうか」
「思ったこと。10分でこの分量だと、ツッコミいれると8時間ぐらいの尺になりそう。時間大丈夫?」
「どんだけだよ。第2部はカットするのか?」
「アレ入れたら15時間とかなるよ。だからあれはメンバーシップの方にして即興ソングに名前を付けて行こうと思う」
「そうか。で、メンシっていつ開設したの?」
「なんか、この前のフィットネスリングの配信前にした雑談配信のあと桶場さんがしてくれたらしい」
「そうか」
『メンシで曲名考えるとか天才の所業で草』
『メンバーシップと抽選当たった人しか聞けない即興ソングとかいくらでも金出せそう』
『転売ができない形のない特典とかいう最強』
「さて、また流していくね」
「おう」
優斗の言葉の後、またライブの音声を流す。
「豚骨らーーめん」
「「「キス」」」」
いや、何度見ても、会場頭おかしいな。やった本人が言うのも変だけど。何でこのコールでレスポンスできるんだよ。どんな界隈だよ。
「では、次の曲。スダチ」
『すだち?』
『ガチ徳島で草』
「泡沫の夢幻のような人の世界で 癒す緑の果実 さわやかな風と共に 夢の先へ 儚さって人の夢 寿命は幸せな運命 本当にそうなのかな 今ささやかに生きている この時が かけがえないものになる」
いよいよサビが来る。激しく盛り上がる曲と共に高い場所が来る。HiDを連発する昔は声がかすれたこのサビ。「目に染みる~ まばゆい光 今君の元へ とどけて行くよ 離れてても きっと届く だから諦めないで~いつまでも I'll be by your side」
サビがめちゃくちゃ楽になった。昔なら声が死んでいた。ちなみにソレドシラソ、ソソレドシラソ、ソソレドソラソ、ソソレドシソソ、ソファミファソソ、中略みたいな変化だ。これも男だった頃「高い曲っておもろいよな」で作った即興の歌を録音したものである。
『この曲知ってる』
『知る人ぞ知る名曲よな』
『strength特集組まれた時に1回だけ流れて、ライブでも2021で披露されただけの幻の歌』
『激熱』
飛ばして続けて前半最後まで飛ばす。見続けてると疲れてくるから。
「前半最後の曲行きまーす。『魚』」
この『魚』という歌は魚の名前が歌の中で使われており、リズムがいいことも知られている。お酒替え歌もあるらしい。私の代表的カバーソングの1つになっている。
曲が終わった頃、ふと、最近月曜日と火曜日、下手したら水曜日まで親と居ないことに気付いてしまった。
「前半ここで、終わるからちょっと休むね。吐き出していい?また、ぶり返して来たの。親と会うことの辛さが」
「どうした?今までそんな様子無かっただろ?何があった?」
「最近親と会ってないなぁって。週に3回ぐらい優斗と会って、泊まってるから何してるんだろう、なんて」
「俺は迷惑じゃないし、むしろ居てくれて嬉しいぞ。大丈夫か?コーヒーでも飲む?」
「うん」
優斗がコーヒーを取りに行く間にコメントをボーっと眺めていた。
『どうした?』
『躁鬱かな?』
『俺たちリスナーではどうにもできないのか?』
『親とだと辛いよな』
「お待たせ、コーヒー。飲めるよな?」
「うん」
コーヒーカップを手に持ち、飲む。熱かった。親のことを考えただけなのに、物凄く怠さが出てきた。このまま親の言いなりで死ぬのだろうか。何のために生きているのだろう。なんて考えていたら眠たくなってきて、眠りに落ちた。
夢だと思うけど、ティッシュが縦に回転して、愛を込めてとか書いてた。何これ。
ウルトラフラッシュバーニングティッシュ。おやすみ、私。




