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第2話 湖の中の光

 茂みを掻き分けながら森の中を進んでいく俺は不安と空腹に苦しめられていた。空腹を誤魔化すようにリュックに入っていたペットボトルの水を飲み始める。いつの間にかペットボトルが空になってしまい、リュックに仕舞う。ポケットに手を入れてスマホを取り出し、スマホの画面を見る。そこには十一時と表示されていて、いつも家を出ている時間から二時間三十分が経とうとしていた。


(もう……疲れた……。このまま俺は……)


 俺は持っていたスマホを落としてしまうと困ると思い、リュックのサイドポケットの中に仕舞う。その時、微かに水の音が聞こえたような気がして、その方向に向かって歩き始めるが俺の足はもう限界に近かった。アスファルトの道を歩くのとデコボコした道を歩くのとで、こんなにも体力を奪られるのかと身をもって感じる。

 水の音が近くなってくると。そしてたどり着いた俺の目に映ったのは太陽の光で輝く湖だった。俺は水を発見したことで安心したのか足から崩れる。そのまま地面に手をつきながらも少しずつ湖に近づいていき、湖の水で手を洗い、水を掬い顔に水を当てる。


(冷たくて……気持ちいい……)


 何時間も歩いた俺の身体は汗まみれで肌に水を当てると凄く清々しい気持ちになる。手で水を掬って口に運ぶとその美味しさに思わず言葉を漏らす。


「美味い……」


 リュックを地面に置いて空になったペットポトルを取り出すと水を入れ、ペットボトルをリュックの隣に置く。そして俺は再び水を飲もうとするが、疲れているせいかバランスを崩して湖に落ちてしまう。

 水の中で目を開けること自体は昔にプールなどで経験していたが、久しぶりの水の中の光景はこの世の物ではないくらいに綺麗に感じた。その時、疲れていた身体に何かが流れ込んでくるような感覚がし、疲れ切っていた身体が軽くなっていくような気がした。

 俺は水面に顔を出すと目一杯空気を吸って湖を泳ぎ始める。歩き疲れた身体だったが水に触れていると疲れが水に溶けていくように感じられる。その時、湖の深に何か光る物を見つけた俺は、一度水面に上がって深呼吸をするとそれに向けて潜り始める。


(なんだろう……? あれ……?)


 光っている物に近づいていくと光が強くなっていく。冷たかった水も光に近づいていくにつれて温かくなっていく。不思議な感覚に戸惑っていると、さらに光が強くなり俺に近づいてくる。


(なんだ!?)


 光は俺の身体に触れると俺の中に入ってくる。すると俺の身体に力が湧いてきて、光が治まると俺は水面に出る。


「はぁ……はぁ……。今のはなんだ……」


 俺は湖から上がると胸に手を触れるが変わった様子はない。しかし、自分の内側から力が漲ってくるのを感じながら濡れたTシャツとジーンズを脱ぎ木に掛ける。リュックからタオルを取り出し、身体を拭いて地面に座る。履いているのは濡れたパンツだけなのだが特に寒さを感じず、景色を見ながら言葉を漏らす。


「だ、大丈夫だよな……」


 俺は謎の光に不安を感じながら横になって手を太陽に掲げていると眠気に襲わて気絶するように眠りに就いてしまった。


 ふわふわと浮いている感覚がして瞼を開けると俺は暗闇の中に立っていた。上から光る水滴が落ちると地面が波打つように動き、空を見上げると水滴が次々と地面に落ちては揺れる。それを見ながら立ち尽くしていた。

 少しの間見ていたが、俺は手を前に出して水滴を当てる。水滴は腕から身体を伝わって地面に落ち波を打つ。

 揺れている地面に手を触れると揺れていた地面は静まり、暗かった景色が明るくなると空は青く、地面だと思っていた物は水面だった。綺麗な景色を見ていると俺はある言葉が思い浮かぶ。


(俺は……水……)


 ふと思い考えていると身体が勝手に水面に触れる。水面に触れた手から温かな感じが伝わると俺は少しずつ水面に吸い込まれていく。本当だったら水面に吸い込まれたら恐怖を感じるだろうが今の俺は恐怖感を感じない。それよりも安心感が俺の身体を包んでいく、瞼を閉じるとその安心感に身を委ねるのであった。

 三回目の投稿する作品ですが誤字、脱字などあるかもしれませんが、楽しく読んでいただけると嬉しいです。今回、大幅に編集している為、最初からの投稿を再開しようと思いますのでよろしくお願いします。

面白いと思っていただけたならコメントや評価、ブックマーク登録よろしくお願いします。評価などしてもらえると自分の励みになります。

少しでも面白くなるように頑張ります!!


 もしよろしければ『異世界樹海生活記』も読んでいただけると嬉しいです。

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