パン作りが有名な村に行ったよ!
私は旅をしている見習い魔女のくれあ。この村についてから今日で1週間が経ったところなの。
私の旅の目的はいろーんな所を旅してその場所その場所でしか得られない魔法を使えるようになること!!そうすれば立派な魔女になれるってみんな言ってたから!
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11月8日
今いるこの村はパン作りが有名らしい!なんと王様に献上するレベルのパンを作っている地域らしくて味はすんごく美味しいの!
1週間前にここに来た時お世話になるマーサおば様に食べさせてもらったのだけど未だに味が忘れられないぐらいには美味しい!私が断言してあげる!
だからそれと同じレベルのパン作りをマスターしなきゃ!って思ってるんだけど私には向いてないのか毎日失敗ばっかり…
最初は「魔女」ってことで村の人たちもちやほやしてくれていたのに今ではすっかり知らん顔だし中にはからかってくる人までいるの!
「魔女」=なんでも出来るって認識が強いみたいだけど全然そんなことは無いのに…
まぁそんなことは置いておいて今日も練習に取り掛かるよ!
材料は…「小麦」「卵」「バター」…あと、なんだっけ?
あーそうそう!豆乳!あれ?いや、「牛乳」!!
もうこの時点で怪しいとか言わないでよね!!!!
何はともあれ材料はフクロウさんが届けてくれたから揃ったわ!
あれ?フクロウさんの説明してなかったかしら、、?
フクロウさんはね食材とか魔法に必要な薬とかお手紙とかを届けてくれる宅急便みたいな子よ!私たち魔女は10歳の時に貰うの!
じゃあフクロウさんの説明も済んだし材料を混ぜるところからよね!えっとボール、ボール、、、(ガサガサ)
え?魔法を使いなさいって?こうゆうのは心が大事なのよ!!魔法なんて使ったらずるいじゃないの!べっ!べつにまだ練習中だからとか上手く出来ないからとかそんなのじゃないから!!!汗
ほら!もちもちのパン生地になったでしょ!よし!私にしては上出来よ!!やっぱりここは気持ちを込めた手で丁寧にやるからこそいいのよ!!うんうん!私って天才かも!
えーと、、次は形を作るのね!今日はフクロウさんが来る日だから大きめにっと、、
あー!!わかんない!もういいわ!このまま突っ込んでやりましょう!大丈夫よ切り分ければ形なんて無くなるわ!
え?それこそ魔法でやれって?だから私はまだ練習t……違うわ、、愛情!そう、愛情よ!!愛情を入れているの!だからあえて魔法は使ってないのよ!!あ!その顔信じてないわね!?
まぁそんなことはさておき次はオーブンで焼くのよね、、
焼くだけなら魔法でやってみようかしら…
あ!だめだめ!最近火力間違えて全部炭にしてマーサおば様に怒られたところだった…ってち、違うのよ!魔法が下手とかじゃなくて!た、たまたまオーブンが壊れてたのよ!!!!!
そんなこと言ってたらオーブンがいい感じになったわね!
「あちちっ」
オーブンに入れた途端ふわっと熱気が頬をかすめる。赤い炎が奥の方でパチパチ燃えているのが一目瞭然である。
「上手く出来てよね!」
まぁここまで来たらあとは待つだけね!少しお茶にしようかしら。この村パンも有名だけどハーブも有名とかでおすそ分けしてもらったのよね〜!せっかくお茶にするならハーブティーにしましょう!ついでに魔導書なんか読んじゃって〜!努力家で健気で才能溢れる私にピッタリ!
注がれたハーブティーの良い香りが部屋中を包み込んだ。
ーー数分後ーー
や、やっぱり魔導書は難しいわ……今どきこんなの読んでる人なんて居ないわよ!!!ほら、魔法ってもっと、こう、、適当?っていうか感覚…?やれるのよ!ってえ!?それが原因で失敗してるんじゃないかって!?そっ、そんなことないわよ……!失敗してるのはたまたま?相性が?合わなかった?みたいな!!!そう!そんな感じよ!
そんなことを言っているとハーブティーの匂いが少しづつパンの良い香りに変わっていった。
「そろそろかしら!」
とウキウキしながらオーブンを開いた。
ふわぁっと蒸気が溢れ姿を見せたパンは自分で言うのもなんだがとっってもいい出来にしか見えなかった!
「これぐらい魔法を使ってできたらなぁ……」
ふと本音がこぼれてしまったが仕方がない。それほどまでにいいできなのだ。
何はともあれ魔法なしでもできるじゃない!今日はフクロウさんも来る日だし取っておきのハーブティーと私力作のパンでお出迎えしてあげないとね!
あれ?でもフクロウってハーブティー飲めるかしら?まぁ細かいことは魔法で何とかすればいっか!(良くない)
そんな様子を誰かが見ているとは知らず彼女は楽しそうにお茶会の準備を進めて行った。