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プロローグ

○ プロローグ


 ある日、近所の人が死んだ。

 といっても、90歳くらいだから、大往生である。

 その老年の男性は、いい人だった。

 俺が生まれた時にはすでに40歳だったその人はいつもニコニコしていて、怒っているところを見たことがなかった。礼儀正しく、細かいところにも気が付く人だった。食べ物や健康には人一倍気にしており、そのおかげで長生きできたのだと思う。百姓の家系だったらしく、広い庭と田畑を持っていた。いつも田畑を耕して元気いっぱいだった。俺はたまに遊んでもらった。将棋や囲碁から人狼ゲームというハイカラなものまで、色々と遊んだ記憶がある。気さくないい人だった。

 そんな老人が死んだということだが、俺は少し不審に思った。というのも、その数年前から家族の様子が変だったからだ。

10年前だったと思うが、老人は奥さんと一緒に親戚の家に預けられたらしく、姿を見ることがなくなった。しかし、なぜ親戚の家に預けることになったのだろうか?あんな物腰が柔らかくて優しい人が急に家を追い出されたのがどうも気になる。もしかしたら、息子夫妻が老人を家から追い出したのではないだろうか?たまにテレビドラマとかで見る、老人虐待や家の乗っ取りが実際に起きたのではないだろうか?そうなると、あんなに気の優しそうな老人では対応ができそうに見えなかった。

 風の噂だと、その後にその老人は老人ホームに入っていたらしく、相変わらず姿を見ることがなかった。しかし、本当に老人ホームに入ったのかを実際に知るすべは俺にはなかった。そうらしいと伝聞で聞くだけだった。俺は老人やその奥さんとは仲良かったが、その息子夫婦や孫とかとはあまり仲良くなかった。特別仲が悪いわけではないが、会ったら挨拶をするくらいで、特に仲が良いわけではなかった。だから、老人のことをあまり深く聞くことができなかった。

 だから俺はある案を考えた。まぁ、案というほどのことではないが、老人夫妻や孫と仲がいい人に頼んで探りを入れてもらうことにした。俺と違って仲の良い人にならボロを出すかもしれない。そして、その報告がきた。それを見て俺は、身近で起きた不審な出来事を解明していこうと思う。


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