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海の青  作者: 凪理恵子
9/21

嘘つきでも構わない

二学期が始まると、夏休み前に会った友達たちも、なんだかずいぶん印象が変わっていた。


一学期に比べてなんだか「真面目」なのだ。


たとえば、一学期はみんな少しこの学校独自の流行りに乗って、ワイシャツを第2ボタンまで止めないでルーズに着こなすのが流行っていたのに、それをしている人数がガクッと減った。


「だって、受験があるからな」田村はいった。「内申点下げたくないからさ」

「やっぱり、そうだよな」

僕は、朝コンビニで買ってきた紙パックの牛乳を飲みながら、窓際で田村といる。

9月に入り、夏の空は勢いよく風化してしまった。窓から覗く青空が、以前よりも高い。

「なあ、草野。お前も受験しないのか?」

「いや、受験するよ?」

「ほんとかよ? 呑気だなあ〜」

「呑気?」

「だって、お前らバンドで上京するんだろ?」

田村はふんと鼻を鳴らした。

「失敗しろ!」

「友達にいうセリフか・・・・・・?」

「だって! 羨ましいから!」

田村は大きな声で本音を堂々という。嫌味がない正直でいいやつである。

「でも、上京したからって成功するとは限らないからさ。現実的に考えると、そんな甘くないよ」


僕たち3人のバンドのファーストシングルは、とんでもないことに、さっちゃんのお父さんの知り合いのレコード会社の関係者がすごく気に入った。これをインディーズで出してみたい、とまで話が持ち上がっているのだ。


しかし、インディーズでデビューとはいっても、曲がひとつでは判断材料に欠けるということで、少なくともあと100曲は作れとの課題を出された。

100曲。めちゃくちゃである。

しかし、曲を作るのはすごく大変だけど、青はすごく喜んでいる。さっちゃんも。


「お前、バンドマンになるの? ほんとーーに?」

田村は僕の横でずっと話しかけている。

バンドマンになるの? という田村の問いにうまく答えられない。

潮風がすっと横を通り抜ける。いつの間にか涼しい風。秋が始まる。


***


僕の母親にインディーズデビューの話が渡るのはすぐだった。もちろん問い詰められた。何を考えているんだと。


「あの子たち、あなたに悪影響しか与えないわね!」

と、母親は僕の部屋で怒鳴っている。


インディーズでデビューするにあたって、さっちゃんのお父さんからうちに電話が来たのだ。

詳細を聞いた母親は、電話口では理解ある人格者のように、はいはいそうなんですねはい、と丁寧に相槌を打っていたが、受話器を置いた途端に別の生き物に変わった。


「あなた、まさか本気じゃないでしょうね!? バンドなんてうまくいくわけないでしょう!?」

母は激昂している。まあ、無理もない。夏休みに勉強をしなかったのも、青とさっちゃんと一緒にいたのも、進路には影響ないからと伝えていたのにも関わらず、意図しない道に進もうとしているのだから。


「何考えてるの!? 高校は? 大学は? どうするつもりよ!」

「母さん、少し落ち着いて・・・・・・」

「落ち着いていられるわけないでしょう!?」

「でも、僕の人生だもん!」


僕の人生ーー。

思わず発した言葉に自分でも驚いてしまった。自分のなかの、本心を知ってしまったというふうに。

その言葉に母は言葉を詰まらせる。


「あなたのために言ってるのよ」

と、数秒のまを空いて母はいう。

「将来困らないように。あなたのために言ってるの」

と。

「将来、もしも困ることがあっても、それだって僕の人生だろう!」

僕は言いながら、でも自分がものすごく悪いことを言っている気がした。でも放してしまった言葉は撤回できない。


「私では話にならないようだから、お父さんにも叱ってもらいますからね!」

母はそういうと、夕食の支度に取り掛かるため、1階に降りて行った。


憂鬱な日だ。父はいわゆる昭和の頑固親父なので、僕がバンドをすることを良く思わないに決まっている。

絶対に叱責されるに違いない。

僕はベッドに横になりため息をついた。面倒臭いな、と思う。心底。


いざ夕飯の時間になり、階下から声がして身体を起こす。

いつの間にか寝入ってしまったせいで、だるかった。重い足取りでリビングまで向かうと、ダイニングテーブルにはもう父が座っていた。今日は珍しく早い帰りだ。


父は、昔から僕のやることなすこと全て反対するようなーーたとえば習い事も勉強塾以外は反対された。水泳や楽器の習い事も絶対にやらせてもらえなかったーー人なので、そんな父が僕のバンド活動を応援してくれるとは到底思えなかった。


椅子を引いて腰を下ろすと、すでに出来上がった料理が湯気を立てて前にあった。今日は肉じゃがに鮭の塩焼き。父の好物である。


「父さん、おかえりなさい」

「ああ」

父は焼酎に口をつけながら相槌を打つ。母は黙ったまま、席に着く。きっともう、父には僕のあれこれを話した後だろう。


「弘樹、うた歌ってるんだって?」

「あ・・・・・・う、うん」

僕は吃る。

「う、歌ってる」

「続けたいのか?」

「はい」

「そうか。じゃあ、やってみなさい」

と、父は言って静かに箸で魚をつつき始める。

「え?」

「思い切り、やってみたらどうだ」

父の言葉に母は目を丸くした。隣にいる父を不思議そうにみている。予想外の反応に驚いたのは、僕だけではなく母もだった。

「思い切り・・・・・・」

僕はいった。

「はい!!!!」

威勢よく返事をする僕に、母はきつい視線を送りつけてくる。

父の思いがけない発言に萎縮してしまう。いつものように頭ごなしに反対された方が気持ちが楽だったかもしれないとも思う。

思いがけず応援してくれる父に、期待に応えたいという気持ちが強くなる。大きなプレッシャーだ。

けれど、「やってみなさい」と後押ししてくれることはありがたい。


僕はいつも以上に勢いよく、ご飯をかき込んだ。

緊張して、ご飯の味がしなかった。


***


次の日。

登校すると、教室に向かう途中の踊り場で、さっちゃんと浦部が言い争いをしていた。

浦部とさっちゃん以外に人はいなかった。

僕はあまり近づかないように、ある程度言い争いが終わったら階段を登ることにした。

階段に腰を下ろすと、床から冷たい空気をズボンを通してじんわりと感じた。一気に体温が落ちていく。


言い争いの原因は大抵予想がつく。まあ、浦部がいつもいうやつだろう。

あんたは可愛くないとか、青に相応しくないとか。


「あんたたち、いつ別れるの?」

と、浦部がさっちゃんに怒鳴りつけている。

「なんで別れなきゃいけないの?」

さっちゃんも負けない。

「釣り合わないからよ!」

「まーた、それ? あんたね、バカの一つ覚えみたいに顔面がどうたらこうたらはもうやめてよね。あおは、あたしにぞっこんなのよ。仕方ないじゃない」

「なら、あんたは、青を好きなの?!」

浦部は力強くさっちゃんに訊く。さっちゃんの表情が一瞬濁った。

「付き合い始めた理由は?! どこが好きなのよ! 青の、なにを知ってるの?!」

浦部は一度キレると、そこに別の人格が憑依したみたいに変わってしまう。彼女の顔はどんどん赤くなり、顔つきは昔見た絵本に出てくる魔女みたいに恐ろしい。


「私は青のことは、まだよく知らない。でも絶対に別れないわ!」

さっちゃんが返事すると同時かーーその少し前かーー浦部はさっちゃんを階段の上から突き落とした。


さっちゃんは階段をごろごろ転がり、僕の足元には彼女の血が舞った。

僕は目を見開いた。唖然とした。

どうしよう。

僕はしゃがみ込み、慌ててさっちゃんのほっぺを叩いた。

彼女はぐだっと床に身体を沈めたままだ。

何も反応がない。どうしよう。

震える手でカバンからスマホを取り出して119を発信する。とてつもない緊張感でうまく言葉が回らない。ふと階上に目をやる。

浦部が小刻みに震える手を口元に当てている。目を見開きながら、少し涙ぐんでいる。

そして次に顔を上げた時には、もう彼女の姿はなかった。


やがて、徐々に登校する生徒にその姿が晒されると、悲鳴が上がった。

学校の先生が駆けつけた。僕はずっとそばにいた。

救急車が学校に駆けつけて、さっちゃんは担架に乗せられた。

僕はさっちゃんさっちゃんと声をかける。

事の一部始終を先生に訊かれる。

僕は浦部がさっちゃんを突き落としたことを話そうと、口を開けるーーと同時にさっちゃんにその口を手で塞がれた。割れたメガネの隙間から、「何も言うな」という鋭いサインを送っている。


「転んだんです」

と、さっちゃんはいい、また意識をなくした。


***


いつものように遅く登校してきた青は、窓際の机に頬杖をついている。

ぼうっと窓の外に目を向けている。心、ここにあらずという感じだ。


あのあと、クラス中が大騒ぎになった。

まず、さっちゃんが自分で転んだとは言っても、階段から落ちて足を骨折したこと。頭を打って血を流したこと。そしてそこに、僕しかいなかったこと。


さっちゃんは救急車に運ばれ、少なくとも3週間の入院を要することを、さっき担任がみんなに説明した。その話を浦部はまるで人ごとのように平気で聞いていた。


「なあ! 草野は本当はなにか知ってるんじゃないのか?」

田村は血相変えて訊いてくる。真面目に刈られた黒髪に、ピンと伸びた襟元。

「僕は階段の下にいて、さっちゃんが落っこちてきただけで……」

僕は胸が苦しくなっていくのがわかった。言うべきなのか? だけど、さっちゃんに「誰にも言うなよ」とサインを送られた。だから、さっちゃんの意志を守るためだけに、こうして真実を隠している。


「落ち着いたら見舞いに行こう」

青がいった。

「うん……」

真実を隠すというより、さっちゃんが心配だった。あんなに小さくて、やせっぽっちなのに骨折なんかして。


僕は机に突っ伏した。その日はずっとぼんやりして過ごした。授業も、教師の啓蒙もなんにも頭に残らなかった。

ただ、窓に目をやると、僕の気分とは裏腹に青い、青い空があった。

美しい雲が空に油絵のように浮いていた。


***


僕は憂鬱な気持ちで、放課後の掃除当番をこなした。ささっとホウキで床を掃いて、ゴミを集める。

今日はもう形だけやって、手を抜いた。

最悪なことに、掃除当番が浦部と一緒だった。

顔も見たくないその相手は、他の女子と楽しそうに話している。

さっきのことなんて、まるでなんてことはないように。

人が怪我して入院まで強いられているのに、どんな性根の持ち主なのかと頭がおかしくなりそうなほどだ。

しかも僕と2人きりになると、別人格なように性格が変わるのだ。


クラスメイトがみんな帰り、教室に2人きりになると、浦部は持っていたホウキを放り投げた。そして机の上にあぐらをかいた。


「掃除してよ」

今日の僕は、確かに徹底して掃除はしていない。だけど、こうやって堂々サボられると頭にくる。

「やだ」

と、スマホの画面をいじりながら浦部はいう。

「言いつけるぞ」

「面倒なやつね、ほんと」

いかにもかったるそうに伸びをして、再びスマホ画面を見ている。

「あ~あ。でもさ、骨折だけで良かったわ。死んじゃったら、さすがのあたしでも、しらバックレるの無理だったもん」

いまだにスマホの画面に目を落としたまま、平然とそう言うので、僕は気づいたらホウキを黒板に向かって思い切り投げつけていた。

「黙れ!」

怒鳴った。あらゆる窓が開け放されたこの教室で、僕の声は大きく響いた。

「どうして? なんでそこまでするの? 青と付き合いたいから?」

僕は浦部を目の前から問い詰める。

「青と私はお似合いなのよ」

以前とこうやって意味不明な言動を繰り返す彼女のことを、同じ人間だと思えなかった。

「お似合いなんかじゃない!」

「へえ。どうしてそう思うのよ?」

浦部はあぐらをかきなおす。スマホを机に置いて、僕を見上げる。

「どうして?って……」

「青は、財布を盗んだ。クッキーも食べたという」

「だから?」

苛立つ。

「嘘つきなのよ。彼は」

殴りたくなる気持ちをぐっと抑える。

「なんか証拠でもあるの?」

「えー! 証拠? そういうこというタイプだったの?」

「僕には君が嘘つきに思える。君だけが嘘つきに見える」

「あたしは海野くんが、誰もいない教室でみんなのカバンを漁っているのを何度も見たわ」

「カバン……」

僕はぞっとした。

「あのときもね。ああ盗むなってわかったわよ。で、たとえば違う人に疑惑の矛先が向いたとき、どうするんだろって思ったの」

「じゃあわざと僕に問い詰めたの? 盗んだろって?」

「そう!」

「……」

「なんで、あなたを庇ったのか、それだけはあたしもいまだにわからない。でも、海野くんは嘘つきで汚いわ。あたしとお似合い。ハリボテなのよ」

僕は放心状態で廊下に出た。後ろで浦部は再びスマホで動画を見ながらきゃっきゃと笑っている。

いかれていると思う。


夕方の校舎内は、もう随分涼しくなっていた。

昇降口までぼーっと歩くと、たまたま青と鉢あった。手に数冊の本を持っている。最近読み出した、初心者から始められるわかりやすいギターコードが記載されたものだ。

さっきまであんなに浦部に「嘘つき」と言われていた彼だ。しかも彼女曰く「ハリボテ」らしい。


「掃除終わったのか?」

僕に気づくと、青は声をかけてきた。

「まあ、うん」

「まあまあか。じゃあ終わりだな」

「うん」

「それにしてもさあ……」

青は落ち込んでいた。さっちゃんを心配しているのがわかる。

「転んだって、ほんと?」

「……」

「それにしては派手に落っこちたんだな。あいつ、そんなに運動神経悪かったっけ」

青は眉間にしわを寄せ、大丈夫かなあと呟いた。

「せっかくバンドも軌道に乗ってきたのに。さっちゃんがいなくちゃな」

「ねえ、あのさ」

いきなり会話を遮るように僕は続けた。

「青は、嘘つきなの?」

「は? なんで?」

「……あ、ごめん」

「なになに? ハッキリ言ってもいいぜ?」

青は僕をおちょくる。いつものように明るい口調で。どこかに僕の憂鬱を気遣っているようにも思える。

「僕のカバンの中、見たことある?」

「はあ? 何言ってるんだか……」

始めはヘラヘラしていた青が、察したように静かな視線を僕に向けた。一気に彼をまとう全体の空気が冷たくなるのがわかる。

「あるよ」

あっさりと青は答えた。

「そっか」

あるよ、という彼の回答に絶望した。そうか、じゃあ知ってたのか、と。

「見た?」

と、僕は訊く。

青は俯いた。

「見たよ」

「そう……」

「でも、あんなの、たまたまだろ?」

俺は気にしてないから、と青は付け足す。

あのとき。

浦部に財布泥棒の濡れ衣を着せられそうになったあのとき、僕のカバンの中には、たまたまにしては立派なゲイ専門の雑誌が入っていた。

男と男が抱き合い、キスをしている表紙のものだ。

青の問いに答えられない。たまたまではないからだ。

「平気なの?」

回答にならない言葉を口にする。

「なんで? なにが?」

青は僕の顔をじっと見ている。

「ヒーローは、俺の家を見て平気だったのか?」

「え?」

「家はボロくて、母親はあんな、いかにもで」

「別に……なんとも」

「それと同じだよ」

青は顔を上げて、にんまりと明るい笑みを浮かべている。

「同じ?」

「同じさ。あんなことで、お前に絶望なんかしないってことだよ」

「でも、あのころ、まだ仲良くなかったし、なんで庇ってくれたんだろって」

あのころ、まだ海野青という少年のことをよく知らず、口も聞いたことがなかったのに。

「ん? 庇う?」

青はとぼけている。

「庇うもなにも、別に、財布はここにあるってことを言ったのさ。ヒーローのカバンの中うんぬんは抜きにしてさ」

「でも、みんなのカバンは漁るの?」

「そうそう。みんなのカバンは漁るの。で、たまにくすねることもあったよ」

青は少し黙ったあとに、

「まあ、みんなにバレたら、まずいだろうかなって思ったから、庇った。それだけ……」

と、ぼそっと付け加えた。

「そっか」

「そうだよ。別になんてことはないよ」

青はカバンを肩にかけ直して、帰ろうぜという。

「あ、カバン、教室に置いたまんまだ」

「間抜け! 早く取ってこい!」

青がほらほらと急かして、僕は教室まで走って向かった。


教室に着くと、浦部がスマホでの動画視聴をやめて、窓の外を見ていた。

空が赤く染まり、海と空の間は、オレンジと黄色で境目を埋める。

「浦部さん、さっちゃんに謝ってね」

僕は自分のカバンを手に取るなり、声をかける。

「あと」

と、僕はいった。

「別に嘘つきでもいいと思うよ。僕は」

浦部がこちらを向いた。長い髪を風に遊ばせ、ゆるくなびかせる姿は、黙っていれば至って美少女なのにもったいないと思った。


「嘘つきでもいい?」

呆れたような声をしている。

「誰だって、みんなに本当のままでいるなんてできないよ。みんな、どこかで嘘つきだろ。嘘つきでなきゃ、逆に変だ」

あっそ! と浦部がいかにも面倒くさそうに僕の目の前を通り過ぎた。

みんなうぜえんだよ、と浦部は大きな声を上げている。誰もいない廊下でその声が響く。

僕は誰もいない教室の、窓の外に目を移す。

オレンジが濃く染まり、その下では優雅に波が満ち干きを繰り返している。

いつまでも見ていたくなって、いつ見ても飽きないのは、この世にこれだけなんじゃないかと思う。


青が財布をとったんだろうなとは、心のどこかで思っていた。

クッキーも、食べたと嘘をついたし。

その他にも、たくさん嘘があるだろう。なかには、ゾッとするようなことだって、あるかもしれない。

海野青とは、そういう人だ。

そういう人で、友達で、バンド仲間で、憧れで、かけがえのない青だ。


下駄箱に向かうと、青がおせーよ! と僕に言った。

「ごめんごめん」

「今度、さっちゃんの見舞いに行こうな」

外に出ると、涼しい風がシャツをなぞり、この前までの夏休みの暑さが嘘のようだった。

あの暑い日々を、青とさっちゃんで、どこに向かうでもなく闇雲に曲を作った。

近いはずの過去が、とんでもなく遠い過去になってしまわないか怖くなる。

「見舞い、何持っていこうか?」青がいう。「やっぱりカレーかな?」

「なんでやねん」

僕の呟くようなツッコミに笑っている青を見て、ああ永遠にこうやっていけたらいいと思った。

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