如月の巻(三)
現役生1年目のことだったか、自主休講してFMラジオを聞いていると、いなりずしの話題になったんだ。クラシック音楽の番組で、なぜにいなり。バダジェフスカの曲を流した後に「乙女の○○」を考えよう、という流れに。女性DJ(オペラ歌手だったと思う)が挙げたのが、いなりずしだったんだ。だしのしみた油揚げを裏返しにして、白い部分を外側にする。白い部分にレース状の穴をあけて、酢飯を包む。その酢飯は、桜か梅酢かでピンク色に染めた物を使う。いなりの上に桜の塩漬けを乗っけて、例のバダジェフスカを行進曲として、食卓へ。倭文野、昼休みは購買でいなりずし詰めを買いました。予定では食堂の七味唐マヨ丼だったけれど、あれを耳にしていなりを見捨てるわけにはいかないだろうよ。バダジェフスカの曲名を知った午前でした。あれ、僕初めて聞いたのは子ども番組でしたよ。おかげで九九に困らなくなりました。音楽で算数の勉強、あっぱれ!
如月十七日 空満は、60秒だけ眠る
14時になると、人々はぴたりと止まる。空満市独特の光景なのかもしれません。音楽が鳴って、商店街、役所、学校、あらゆる所で皆、手と足を止めて固まるんだ。音楽の終わりに、手を3回叩いて礼をする。初めて訪れたら、なかなかの恐怖体験ですよ。空満神道の教祖が、この世を出直された時刻なんですってね。
大学の授業、14時にポーズをおくかおかないか問題(倭文野調べ)。宗教学部は100パー近く先生・学生さん止まっていますね。逆に国際学部と理学部は続行派、芸術学部は場合による、体育学部は武道コース以外は続行ですね。
文学部の歴史文化学科は半々。さあ、日本文学国語学科は? 先生方を調べていきますとね、信者の時進先生・真淵先生 (国語学コンビだ!) は絶対止まります。安達太良先生と土御門先生も、信者の学生がいるかもしれないと配慮してポーズ。宇治先生は、毎回出席者に信者がいるかどうか確かめて判断されます。近松先生と森先生は続けるみたいです。止まるならどうぞ、という姿勢ですね。
全体の約7割が信者の空満大学、3限目は14時に注意しながら受けましょう。
あとがき(めいたもの)
問:倭文野さんは、14時止まる派、止まらない派、どちらですか。
答:現役時代は普通にノートとっていました。助手をやっていると、つられて止まってしまいますね。サボりじゃないですよ!?
改めまして、八十島そらです。14時は、反実仮想をしています。せばまし! 先日、某公立高校の吹奏楽部定期演奏会にお邪魔しました。八十島、金色の着物を着て、馬を引いてサンバを踊りたくなる欲求を抑えるのに必死でした。サンバはⅡが有名だけれど、Ⅲもいけますぜ旦那。マハラジャも珍曲です。




