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New Excite Online -幼馴染と行くVRMMORPG-  作者: とっしー
第一章:New Excite Onlineの世界
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7話:炎のように燃える人

遅れました。

7話です。見てください。

カーンカーンカーンというリズミカルな音が聞こえてくる。

その音を聞くと、落ち着くのは何だろうか?

それにその音で行っているであろう槌で打つシーンが目に浮かんでくる。

テルさんのお店を出た俺とサクラは隣の店の前に立ち、その音を聞きながら入るのを躊躇っている。

「テルさんに言われたことが気になって入れない」

「うーん?でも入らないと装備手に入らないよ」

迷っている俺にサクラが答えてくれる。

男は度胸とよく言うが、こういう時それがない自分が恨めしい。

「男は度胸だよ!ユウ!」

サクラも同じことを考えていたらしい。

「じゃあ、サクラは愛嬌でなんとかしてくれ」

「了解!」

俺は度胸でサクラに愛嬌を任せて店の中に入った。




店の中に入るとカウンターに一人の女性がいた。

「いらっしゃいませ」

恭しくお辞儀をするこの女性が店主だろうかとも思ったが、よく見ると店員のNPCということが分かった。それにあのリズミカルな音はまだ聞こえている。

「こんにちは、私はサクラ、こっちはユウです。あのー装備作成の依頼に来たんですが・・・」

「かしこまりました、今、店主を呼んできますね」

そう言い残し、店の奥へと消えていく。

その間、店に入って気になっていた周りにある武器や防具に興味を惹かれた。

「すごいね~ここの装備」

「そうだな、ステータス補正がすごく高い」

周りにある装備を見ていたが、なかなか奥にいった店員が戻ってこない。

「どうしたんだろうな、なかなか来ない」

「そうだね~取り込んでたかな~」

装備を作っていただろうからタイミングが悪かったか?

すると、槌を叩く音が止み・・・

「うるせーーーー何回も言うな!!!!」

店の奥から聞こえてくる怒声に二人してビックリする。

そのまま立ち尽くしていると・・・

「誰だ~私の鍛冶を邪魔する奴は~」

店の奥から一人の女性が出てくる。

“炎”だと思った。

そう表現したのは燃えるような赤い髪の毛。

そしてサクラよりも長い髪がライオンの毛のようになびいている。

「おい、おい!聞いてんのか!」

「あっ、すいません」

「何の用だてめー、私のことを邪魔しやがって」

その女性に詰め寄られる。

「あの、あの、えっと装備を・・・」

「なんだ~聞こえねーよ」

「ですから、装備を・・・」

「男ならしゃきっとしゃべれ!」

「はい!すみません!」

怒られる俺。

「ちょっと待ってください!」

俺と女性の間にサクラが割り込む。

「おい、お前。女に守られて恥ずかしくないのか?」

恥ずかしいというより情けないです。

「そんなことない!ユウはかっこいいです!」

「のろけてんじゃねーよ」

俺が自信を無くしている間も二人の言い争いは続く。

パンッ!

二人の邪魔をするように大きな音が聞こえた。

音のした方向を見ると、店員NPCが手を叩いたみたいだ。

「落ち着いてください、御二方」

「なんだよてめー、さっきから邪魔ばかりしやがって」

「お客様なんですから落ち着いてください。装備依頼ですよ」

「そうです!装備を作ってほしいんです」

サクラが説明してくれる。

「てめーに作ると思ってるのか」

「作ってくれないんですか・・・」

「当たり前だ」

「じゃあ、勝負しましょう!」

「「はぁ?」」

俺と女性が声を上げる。

サクラにはやってやるという気合いが見える。

「勝負して私が勝ったら作ってください」

「サクラ何言って・・・」

「ククッ、ハハハハハ!おもしれーなお前。いいぜ。そのおもしろさと度胸に免じて作ってやる」

「作ってくれるんですね」

「ああ、女に二言はねー」

「それ男じゃ・・・」

「あん?なんだ?」

「ごめんなさい、なんでもないです」

ほんと情けない。

俺ではなくサクラの方が度胸であった。




「見たこともない素材だな・・・どこで手に入れたかは聞かねーが。それにしてもテルの知り合いか」

「そうです」

さっきの騒ぎが収束して、サクラと女性リンカさんというらしいが話し合っている。

なんか仲良くなってない?意気投合してる。

「先程は申し訳ありません」

「いえ、大丈夫です」

その間、俺は店員NPCと話している。

それにしてもこのゲームのNPCはすごいとしかいいようがない。本当に人と喋っているみたいだ。

「防具を作るってことでいいんだな?」

「はい。お願いします」

どういう風にするか決まったみたいだ。

「しかし、私は鍛冶専門だからな。そっちの奴はどうする?」

「あっ!そうか。どうしよう?」

そういえばそうだ。俺の装備はどうしよう?

「そうだな。取り敢えず嬢ちゃんの分は作ってやる。それでそっちの奴の分の素材を集めてきたらどうだ?」

リンカさんがそう提案してくれる。

「そうだね。そうしよう」

「これからのことが決まったな」

俺とサクラの次の目標が決まった。

「作るのにしばらくかかるから待ってろ」

「「はい。お願いします」」

そう言ってリンカさんの店を後にして、少しレベリングをしてから今日はログアウトすることにした。


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