70話:始まりの街、モンスター襲来⑥
とっしーです。今回もよろしくお願いします(^^)
ドォォーン
ジャイアントミノタウロの拳が地面にめり込む。左右に分かれその攻撃を躱す。
「こっちこっち」
声を発しサクラは自分の方に誘導している。それだけでなく・・・「《スラッシュ!》」
足に攻撃を浴びせつつ俺からの距離を離す。
(サクラが時間を稼いでくれている間に)
俺は魔法の詠唱を初め今の俺の土魔法最強をぶつける。
「アースニードルピアース!!」
太い針のように鋭くなった土が幾つも下から出てきてモンスターに刺さる。
「ブロォォーー!!」
「ナイスユウ!」
攻撃を受けて片膝を付いたモンスターの頭に・・・
「パワースラッシュ!!」
サクラの攻撃を脳天に食らいさらにダメージを与える。それでもすぐに起き上がりサクラを攻撃しようとする。
「サクラ!」
「フレイムバースト!」
どこからともなく火魔法が飛んで来る。飛んで来た先を見るとカレンさんが居た。
「失礼!」
「キャッ!」
その隙にゼクスさんがサクラを抱えて距離を取っていた。
援軍が来てくれた。
「サクラ、ユウー。俺が遊んでるからその内に何とかしろ!!」
いきなりとんでもない事を言い出すゼクスさんに俺とサクラは混乱する。
「あの男、一人で引きつけるつもりだ」
俺の側に来たカレンさんがそう説明してくれる。でもゼクスさんをよく見ると防具を付けていない。それにさっきのデスペナルティーもまだ続いている。
「ゼクスさんそれでどうするんですか!?」
サクラのツッコミを受けるがゼクスさんは止まる素振りを見せない。
「防具はガチャガチャして動き辛いから外して来た。デスペナかかってるんだから変わんねーだろ!それに・・・」
「それに?」
「こんな楽しい戦い!味合わなきゃ損だろーー!ハハハハハハーー!!」
ヤバい最強の戦闘狂の完成である。一人で突っ込み文字通り遊んでいる。ゲームをすごく楽しんでいるのは分かるが無謀過ぎる。
そんなゼクスさんとの戦いを見ていたらサクラがこちら側に来た。
「ユウ、大丈夫」
「ああ。俺は大丈夫。サクラも大丈夫そうだな」
「うん。でもこれからどうする?」
「ゼクスさんが時間を稼いでくれている(本人はそう思ってないだろう)がいつまで持つか。
「くっ、どうするか」
カレンさんも悩み、作戦が思い付かない。しばらくそうしていると街の方から声が聞こえてくる。
「頑張れーー!!」
「頑張れーー!!」
プレイヤー達の応援の声が聞こえて来る。
「ユウ!」
「結局最後は行き当たりばったりだな」
「二人で通じ合っている所悪いがどういう事だ」
「作戦なんてない。皆の応援を受け止めてやれる事をやる。それだけです」
カレンさんは驚いて目を丸くしている。
「ハハッ。いいだろう。それに乗ろう」
「「ありがとうございます!」」
「ハハハッ!!そんなもんか!でかいだけが取り柄か!?」
ゼクスさんが戦っている隙に俺達は散開する。
「ゼクスさん、もう少し頑張って下さい。フレイムバースト!!」
ゼクスさんの後方から魔法を放ち援護する。
「もう作戦は考えたのか?もう少し遊ばせろよ」
「すみません。作戦はありません。行き当たりばったりになりましたーー」
それを聞いてゼクスさんも目を丸くしそして・・・
「面白れーーじゃねーーか!!そういうの好きだぜ!!」
再びモンスターに向かって行く。だがさっきの魔法攻撃でこちらにヘイトが向いたみたいだ。
こちらに迫るモンスターに若干ビビりつつも魔法を詠唱しようとした時・・・
「はぁーー!!」
サクラが高く飛び上がり腰に剣を突き立てる。
「サクラ!無茶だ!」
「このっ。暴れるなー」
モンスターは少し暴れた後、サクラを掴み高く放り投げる。そしてその拳をサクラに向ける。
「ブロォォーー!」
「くっ!」
「サクラーー!!」
咄嗟に腕でガードするが吹き飛ばされHPが0になる。
死に戻りする瞬間、サクラの口が動いているように見えた。遠くだから何を言ったか分からない。
「右側ばっか見てていいの?」
「ありがとう、サクラ。隙を作ってくれて。」
サクラが吹き飛ばされた時、反対側に高く飛んでいるカレンさんが居た。
「左側は見えてないだろう?《紅蓮剣・鳳凰!!》」
剣から火の鳥が現れそれをモンスターに放つ。
「これで終わりだ!」
「ガァァーーー!!」
全身が燃やされ雄叫びを上げる。そして敵のHPが0になった。
「勝った・・・のか?」
「うおおーー倒したぞーー」
「ありがとう!!」
街の方から歓喜が上がる。
そうだ、俺達は勝ったんだ!




