50話:第三回イベント①
どうも〜(^^)とっしーです。第三回イベントが始まります。果たしてどんな結果になるか。楽しみにして下さい。
《New Excite Online 始まりの街 噴水広場》
「皆さ〜〜ん!もうまもなく第三回イベントが始まります!!」
「「「おーーー!!」」」
周りの歓声に少し驚きながらもイベントが開始されるのを待つ。
「申し遅れました!今回も私、リンが実況をしていきたいと思います。よろしくね〜」
「「「よろしく〜!!」」」
NEOのアイドル化されつつあるリンさんとプレイヤー達の熱気に押されそうになるがそれに何とか耐えているとイベントの詳細が改めて発表される。
「今回のイベントはギルド戦。ルールを説明致しますと。プレイヤーを一人倒すと倒したギルドに1ポイント加算されます。最終的にそのポイントが多いギルドの勝利となります。そしてイベントの期間は何と一週間!長い期間となりますがそれについて詳しく触れますね。リアル時間で24時間まるごとイベント時間となっています。その理由は全ての方がイベントに参加出来るような措置ですね。イベント参加をタップすると参加者となり参加出来ます。勿論ログイン、ログアウトは自由です。それでポイントが相手のギルドに入ったりなどはしないので御安心を。あくまで相手を倒したらポイントが入ります。あっ、倒されそうになっても故意にログアウトは辞めてね。見てるから。あっ、後イベント空間には入る時はある程度プレイヤーから離れた所に出るから大丈夫〜、倒されてイベント空間に入る時も離れた所だから大丈夫〜」
なるほどなと思いリンさんの説明を聞く。見てるってどうやって?と疑問があるが突っ込まないでおこう。
「アイテムの持ち込みは自由ですが限度があります。全アイテム10個ずつまでその他はイベント空間で調達して下さいね」
ここでの重要ポイントとして生産職の重要性。ポーションを作成してくれればその分戦えるということだ。俺たちはその点でも劣っている。
「それでは皆様、画面の参加をタップして下さいね〜」
俺たちは参加を押してイベントが開始されるのを待つ。イベント空間には個別で転送されるのでフレンド通信で連絡を取りつつ集合する。マップにギルドメンバーの位置だけは表示されるので集まりやすい。
「10、9、8・・・」
リンさんがカウントダウンを始める。
「3、2、1。スタートです!」
その声を合図に俺たちはイベント空間に飛ばされた。
一瞬視界が暗転し気が付くと森の中にいた。するとすぐにフレンド通信が来る。
「皆、取り敢えずユウの所に集合でいい?」
皆の同意を得て俺の所に集合する事になった。
話は変わるがこのゲーム内はリアルとで時間の流れが違う。というのは少し比喩でこのゲームではランダムに日の出、日の入が起きている。例えば昼が多い時間もあれば夜が少ないという時もある。というのも昼の時間帯しかにログイン出来ないプレイヤーがいたとすると夜のNEOを味わうことが出来ないための処置である。これで昼も夜も体験出来るのである。ちなみに今は夜。俺が考えた作戦を実行する時である。
程なくして全員が集合する。
「さあ、これからどうするよ?」
ガットさんの問い掛けにミドリちゃんが返答する。
「じ、実はこっちに来る途中十人くらいの団体を見かけました」
「おっ!ミドリちゃんナイス!」
「サクラ〜あんま大声出さないの〜気付かれるでしょ〜」
「あっそうか」
ミホの指摘を受け咄嗟に口を押さえる。
「じゃあ、ミドリちゃんが見た方向にミホとミドリちゃんが向かい、俺たちはその後ろで待機で」
皆がうなづいたのを確認し作戦を実行する。
200メートルくらいだろうかそちらに索敵をしつつ歩くと松明を持った集団が見えた。
「じゅあ、お願い二人とも」
「オーケー」
「が、頑張ります」
《side ミホ》
「何だよ夜か。最悪な始まり方だな」
「まぁ、そう言うな。仕方ないだろう」
見つけた集団の声が聞こえる。私は今、木の上に登っている。
(この距離なら届く)
私は弓を構え、ミドリちゃんにフレンド通信をする。
(準備はいい。行くよ)
(はい。お願いします)
私は松明を持っている一人に向かって弓を放つ。
(ストレイトアロー)
「ぐわっ!」
「何だ敵襲か!」
「落ち着けお前ら!」
集団は慌てふためいている。そこに。
(スラッシュ)
ミドリちゃんは使った後の待機時間が短い技を使う。
「ぐわっ!」
「今度は何だ!」
(ストレイトアロー)
「うわっ!」
「おい!松明を落とすな」
私たちはそのまま暗闇から一方的に攻撃を仕掛け、敵を全滅させる。
「こちらミホ〜敵倒したよ〜」
《side ユウ》
「ありがとう、ミホ。そのまま合流しよう」
「よしっ。作戦成功だね」
「そうですわね」
サクラとクリスが喜び合っている。
「まさかここまで上手くいくとはな」
「まぁ、少し運が良かったのもあるかもですけど」
ガットさんの言葉にそう答えるが作戦が成功して安堵している。失敗すれば二人を危ない目に合わせていたかもしれない。
俺たちの作戦その一、夜襲である。夜限定だがミホの暗視スキルと二人の気配遮断のスキルを使って敵を襲おうというものである。卑怯だという人たちもいるかもしれないが少人数の俺たちが出来る精一杯の足掻きである。
ミホに索敵をしてもらいつつ、見つけたら奇襲。さてこの作戦がどこまで通用するか。イベントはまだ始まったばかりだ。




