40話:仲間探し③
「いや~仲間が一人増えて良かったね!」
桜が卵焼きをほうばりながら嬉しそうに言う。昼休みの中、いつものように三人で机を囲んでいる。昨日ガットさんが仲間になってとても嬉しいようだ。俺も同じくらい嬉しい。
「いい人だし、私も良かったよ~」
美穂も嬉しそうに言う。
「でも問題は後一人か~」
う~んと悩む俺に桜が・・・
「この調子ならすぐに仲間が出来たり?」
「そう考えることにしようか」
笑顔でそう答え昼休みは過ぎていくのであった。
《始まりの街 噴水広場》
「おう!昨日ぶり!」
学校から帰った後のその日の夜、New Excite Onlineにログインした俺達はガットさんと待ち合わせをしていた。
「昨日ぶりです!」
「昨日ぶりです~」
「こんばんは」
それぞれ挨拶を交わし今後の作戦を考える。
「まぁ、なるようになるだろ!ハッハッハッ!」
豪快に笑い作戦など一切考えてないガットさんにはははと乾いた笑いが漏れる。
そんな作戦会議とは言えない会議を行っていると・・・
「あっ、あれって」
見知った顔が近くを通り過ぎようとしていた。相手も気づいたのかこちらに向かってくる。
「久しぶりですですわね、ユウさん」
そこに現れたのはクリスさんだった。
「げっ」
サクラが嫌そうな顔をしている。
「げとはなんですか失礼な!」
サクラとクリスさんが顔を近づけてお互い牽制している。
「おっ誰かと思ったら」
ガットさんが声を上げるとクリスさんは・・・
「あなたは・・・どなた?」
「ハッハッハッ!覚えてないのも無理はないか!」
「ガットさん?」
俺が疑問を投げかけると・・・
「前回のイベントで戦って負けたんだ」
「なるほど」
「申し訳ありません。たくさんのプレイヤーを倒しましたから」
「いいって。あの魔法の威力と棒術には敵わない」
「それで皆さん。楽しそうに話してましたけど」
「あなたには関係ないです~~」
サクラがそう言うと・・・
「なんですのあなた!さっきから失礼ですわよ」
「まあまあ」
俺が二人を止めに入る。
「なあミホ、サクラはなんであんな感じなんだ」
「ユウに悪い虫が付かないようにしてるんだと思います~なにかあるかもしれないから~」
「なるほどね」
「なるほど。ギルドのメンバー集めの作戦会議をしていたのですね」
「そうなんですよ」
俺がそう説明する。
「それなら邪魔をしてしまいましたね。通りかかったので挨拶をしようと思っただけなので」
では失礼しますわと帰ろうとしたクリスさんを俺は引き留める。
「あのクリスさん」
「えっ!ユウまさか」
「なんですの?」
「良かったら俺達のギルドに入りませんか?」
俺はクリスさんをギルドに誘うことにした。
「なんでよ!ユウ!」
「いや。知らない中ではないし・・・」
「でも!」
サクラが抗議しているが、クリスさんは・・・
「そうですわね、一瞬断ろうと考えましたが。いいですわ入りましょう」
「ほんとですか!ありがとうございます。後、断ると言いましたけどなぜですか?」
「そちら方が嫌そうな顔をしているからですわ」
サクラの方を見ながらそう答える。
「う~~~」
「でも入ろうと思ったわけは?」
「私はこのゲームで最強の魔法使いを目指していますわ。ギルドに入れば競い合い強くなれると思ったからです。この前は邪魔が入りましたが、次は負けませんわ!」
ビシッと指を突き付けられる。
「何それ。中二病の方ですか」
サクラの言葉にクリスさんは顔を赤らめながら・・・
「何事も一番じゃないと気が済まないだけです!」
「まあまあ、お二人さん落ち着けって」
ガットさんが止めに入る。
「良かったじゃないかこれでギルドを作れるんだから」
「そうだよ~」
ミホも同意してくれる。
「う~~。分かった!でも何か変なことしたらただじゃおかないから!」
「何ですか!変なことって!」
そんな感じでクリスさんが仲間になった。
これでギルドメンバーが全員揃いました。これからをお楽しみに!
もしかしたらサクラのことを重かったり、嫌ってる方がいるかもしれませんが、ユウが好き過ぎるだけなので~。゜(゜´Д`゜)゜。 許して。




