12話:第二の町
久しぶりになりました。よろしくお願いします。
「第二の町に行こうと思うの」
「・・・急だな」
桜がそう言ってきた休日昼下がり。
両親ともども仲のいい俺たちの家族。そのそれぞれの両親は四人で買い物に出かけている。なので俺の家で桜と昼ご飯を食べていた。
ちにみにメニューはパスタである。ミートスパゲティだ。
作ったのは俺である。俺の方が料理は出来るし、桜が悠のご飯が食べたいと駄々をこねた。まぁ、別にいいけど。
「その第二の町に行く目的は?」
「第二の町に行くためにボスを倒さないといけないんだけど、そのボスが強いみたいで」
「・・・なるほど、町に行くのが目的ではなくそのボスを倒したいと」
「流石、分かってる〜」
廃ゲーマーかつチートの桜らしい理由であった。
取り敢えず、強い敵と戦いたいだけであった。
ちなみにその第二の町はどういうところか簡単にいうと、農業の町らしい。
美しい田畑や稲穂が広大に広がっている町で、それ関連のクエストもあるのだとか。
始まりの街みたく洋風ファンタジーもいいが、田畑が広がる田舎町というのもいいものだ。
「それで?そのボスはどういう感じなんだ?」
「その名も、ホーンバイソン」
「バイソンって牛っぽいやつ?」
「そうそう牛っぽいやつ。農業の町だし、バイソンが野菜食べるから?」
「そのままだな・・・」
「まぁまぁ、名前は何でもいいよ。強い敵と戦いたい!」
「どこの戦闘民族だよ」
桜はメラメラと燃えていた。後ろに炎が見えるよ。
「そういうわけで昼食べたら第二の町にGo〜」
「おー・・・」
(バイソンか、突進とかしてきて怖いよな〜)
そう思う俺であった。
《始まりの街》
「よし、行っくよ!」
「おう」
昼食をとった後、それぞれの部屋に戻った俺たちは始まりの街の噴水に集合した。
これから行く第二の町は始まりの街の北にある町だ。
北門から街の外に出る。始まりの街をぐるりと囲むように平原が広がるそこを北に北に進む。
その途中で出てくるモンスターは他のプレイヤーなら適正レベルだろうが、俺たちはスキル:パートナーのおかげで特に苦労なく進む。この調子ならボスも楽勝だろうと考えていた時期が私にもありました。
「ガハッ!」
「大丈夫!ユウ」
楽勝だと思っていたホーンバイソンに苦戦している・・・主に俺。
このホーンバイソン、頭に一本の鋭い角をはやしている。それを攻撃手段にし、プレイヤーに向かって突進してくる。
その突進が速く、サクラは持ち前の運動神経で回避するが、魔法使いの俺では回避が難しい。
サクラが俺を守ろうと剣でガードするが、それを貫いてサクラがダメージを受ける。
食らってばかりで有効なダメージが与えられない。
そもそもこのボスはタンクの壁役を中心にして相手の攻撃を防ぎ、魔法などの攻撃でダメージを与えていくとこの戦いの中で分かった。
壁役がいない俺とサクラのパーティーでは太刀打ちができない。
「くっそー、強い」
「だな」
スキル:パートナーのおかげでダメージは抑えられてはいるが、このままではジリ貧である。
(どうする?今あるスキルで何ができる?)
考えてはみたが、俺のスキルではどうしようもない。
「あっ!そうだ」
「何かあるのかサクラ?」
「あの技を使えば止まるかも・・・ユウ私が一瞬止めるから魔法の詠唱してて」
「分かった、信じる」
「うん」
ボスに向かっていくサクラは何をしようというのか、でも俺は信じて待つだけ。
サクラ目掛けてホーンバイソンは突進をしてくる。そして・・・
「パワースラッシュ!」
突進してくるボスに向かってカウンターの容量で技を放つ。
キィィィィン!
「キャア・・・」
サクラのおかげでボスが一瞬止まる。しかし全ては受け止めきれず飛ばされてしまう。
「無駄にはしない、ソイルバレット!」
俺の魔法でボスのHPが大幅に削れる。
「今の繰り返すよ!」
すぐさま起き上がりボスに一撃を入れる。
一旦距離を取るホーンバイソン。
次は俺を狙ってくるが、その間にサクラが入る。
「大丈夫か?」
「腕ピリピリ痺れるけど、大丈夫!」
それは大丈夫なのか。
それにゲームだから痛みはないとはいえ、衝撃は来るし、モンスターに突進される恐怖感はある。
でもサクラはそういうの含めてゲームを楽しんでるんだよな。
「行くよ!」
「おう!」
そのままの作戦で行き、俺たちはホーンバイソンに勝利することができた。
「つっかれたーー」
後ろに倒れるサクラ。
俺もその場に座る。
「ユウ~頑張ったから膝枕して~」
「はいはい、分かった」
あぐらを組んでいるところに頭をのせる。
「少し無茶だったんじゃないか?」
「でもあの方法しか思いつかなかったし」
「まあでも、勝てて良かったよ」
「だね~」
俺たちは少し休んだ後、ドロップアイテムを確認して第二の町に入った。
「すっごいね~」
「確かに」
一面に広がる稲穂、とてもきれいである。
小川が流れ、そこに水車が回っている。とても静かでいい雰囲気である。
「こういうところで余生を過ごしたい」
「いや、早い早い」
そんなことを話しつつ、町の中心にあるセーブポイントに登録する。これでいつでもこの町にすぐ来れる。
「さあ、まだ終わりじゃないよ。ここのクエストを受けようよ」
「ハハッ、分かったよ」
あれだけの戦闘をしてもまだプレイしたいサクラ。本当にゲームが好きなんだな。
そう思いながら、先を行くサクラを追った。




