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ダメ男と姉

作者: さくらりん

「ちょっとー!また変なこと言ったっしょ?!」


人が食後のプリンを食べながら待ったりしている時を狙ったように邪魔するのは、10才離れた実の姉。


「変なことはいってない。事実しか言えない。」


「あんたねー!そういって、いつも人の恋路邪魔するのやめてくんない?!またダメになったじゃん!」


そう、わたしは事実しかいってない。


姉の彼氏擬きらしい男に、

姉が貯金がないこと。

カード類は持たないこと。

以前、金銭関係でもめそうになったとき、正当防衛として相手の急所をガツンとやってそのまま警察に連行し、実はその相手が結婚詐欺師で地元ではちょっとしたヒーローになったこと。

を額縁に飾ってある新聞記事と見せると共に語っただけだ。

それと、親が刑事なのも追加しておいた気がする。


「ならなんでまた離れていくのよ!あんたに会わせるとみんな逃げてくのよっ!」


25で実家住まい。


更に何故か勝ち誇った顔で毎回家まで男を連れてくるのが悪い。


そして、

15才のわたしでもすぐにわかるダメ男を毎回引き連れる姉は、ある意味天才な気がする。


「…で?ほかに何かある?」


「別にないけどさ。」


「ならさ、もういいでしょ?これからテレビ見んの。」


「……ごめん、ありがと。」


最後の言葉は聞こえなかったふりして、スプーンを咥えたままテレビをみる。


扉が閉じるのを耳で確認してから本音がこぼす。


「絶対わかっててやってるとしか思えない。」


そう、姉は世間一般的に見てダメな男に好かれ、そのまま付き合う。


ヒモ予備軍。

勘違い俺様。

自惚れナルシスト。

永遠の少年気取り。

自称悲劇のヒーロー。

過度なマザコン。

ロリコン野郎。

やんちゃじゃすまされない出で立ちの方。

そして、結婚詐欺師。×2。


もちろん、どんな性格、風貌、職業でも結局本人達が幸せなら良いのかもしれない。


納得した上で付き合う方もいるかもしれない。


まぁ、理解はできないけど。


でも、どう考えても彼らと付き合って姉が幸せになるとは思えなかった。


姉が本当に惚れているとも、相手が本気で姉を好きとも思えなかった。


だから、毎回こどものわたしがそれとなく探った。


ルールは決めている。


嘘は言わない。

絶対対象の男と二人っきりにはならない。

話すときも距離を保って。


最後のルールはロリコン野郎の時に追加した。


ちなみに、姉の男を奪おうとかはない。


物心ついたときには、ダメ男を連れてくる姉を見てて、誰がその男をもらおうと思うのか。


あまりにも続きすぎてるから、年上の男には軽く嫌悪感すら抱くようになった。


「わかってんなら、ちゃんと見極めろってな。」


CMにはいったテレビを横目にプリンの容器を片付ける。


きっと姉は気づいてる。


自分に男を見る目がないのを。


でも、今回こそはと期待して連れてくる。


そして、男どもはすぐに尻尾をまいて逃げていく。


それが悲しくて、悔しくて、情けなくて、妹にあたる。


「まぁ、明日はケーキだからいっか。」


心配してくれた妹にあたった嫌悪感から、次の日は高校生では手のでないケーキを買ってくる姉を、わたしは見捨てることができない。


そんな姉が、常識あるヤンデレを連れてくるのは半年後。


そして、わたしは、その男のブラコン弟になぜか付き纏われることになる。












…続くのか?

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