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異世界転移したんけどほぼ普通の人間なので毎日がサバイバルです  作者: おるる
第6章 追う者と追われる者では追う側のほうが楽しい
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閑話 サチと六章の新しい登場人物

閑話と新しい登場人物の紹介です。


「…………ってわけなんだけどさ――正直行き詰まってるってゆ――かさ――もっと革新的な色が欲しいんだ! テルっち……どうにかして?」


「……ヘタレ王子を探せばよいでしょう。きっとあなたの力になるはずですよ。」


 カップに注いだお茶に口をつけながら、私を諭すように話すテルヨ。


「ヘタレ王子? 何じゃそりゃ?」


 一体テルっちは何を言ってるんでしょ?


「その名の通りヘタレですよ。私とよい勝負を繰り広げたので、この王都でも三本の指に入るほどの実力者でしょうが。最後は気持ちよいくらいに潔い降参を見せてくれましたがね。まだこの地にいるはずですよ。」


「すげ――! 怪力テルっちにそこまで言わせるなんて! ぬがああぁっ!」


 頭が……頭があぁ! あたしの頭がもげるがあぁ!


「誰が……怪力ですって? まったく。あなたほど非力な者はこの王都には子供くらいしかいませんよ。少しは……あっ。」


 テルヨのアイアンクローから逃れることができないサチは、宙ぶらりんになりながら頭から煙を出していた。



~~・~~・~~・~~・~~・~~・~~・~~



「お――いてて。手加減ってもんを知らないから困るよテルっちは。」


 どうやらあたしの頭はまだもげていないみたい。

 だけどヘタレ王子か。どんなやつなのか気になるし、あたしの依頼に応えられるならば探す価値はありそう。


「ちょっとヘタレ王子を探してくるからお店頼んだよ!」


 店主が店を空けるのはよくないけど、そんな事言ってる場合じゃない。テルっちの情報にはハズレがないから急いで見つけてみせるよ!



 《城の入り口にて》


 サチ「ちょっと守衛さん! ここらでヘタレ王子を見なかった?」


 守衛「これはサチ様。今日は納品……ではなさそうですね。ヘタレ王子とは?」


 サチ「えっと――黒髪のもやしっこらしいんだけど。」


 守衛「さて……私は存じませぬが……」


 サチ「そか。じゃ他探してみるよ!」 シュババッ


 守衛「う~む。相変わらずサチ様の探すものはよく分からんな。」





《市場の露店にて》


 サチ「おっちゃん! いつものやつとヘタレ王子ちょうだい!」


 店主「おぅ? サチか。ほらいつもの鳥串だ。ヘタレ王子はないぞ。ってか何だそりゃ?」


 サチ「あっ! ヘタレ王子は売り物じゃないよ! 黒髪のもやしっこらしいんだ!」


 店主「ほぅ。黒髪か。珍しいから目につくだろうが俺は見てねぇな。」


 サチ「そか。じゃ他探してみるよ!」シュババッ


 店主「あのサチが人探しとはねぇ。理由は知らんがヘタレ王子ってやつには命の危険が迫ってるのは間違いないな。」





《王都のとある娼館》



 サチ「ね――! こっちにヘタレ王子来て楽しんでる?」


 店主「うおっ! どうしたんですサチ様!? もしやサチ様も遊んでいかれるので?」


 サチ「ないない! それよりヘタレ王子だよ!」


 店主「えっと……今こちらにおられる男性のお客様は、王子と呼べるような年頃はとっくに過ぎた初老の方ばかりですが……」


 サチ「……けっ。昼間っから快楽を貪るジジイしかいねえのかよ。」シュババッ


 店主「何なんだ? ヘタレ王子って何なんだ?」





《王都の冒険者ギルド》


 サチ「ギルマス――! ヘタレ王子来てない?」


 ギルド長「まぁ珍しい方がいらっしゃったわね。ところでサチ様。ヘタレ王子って?」


 サチ「黒髪のもやしっこなんだ! ずっと探してるんだけど見つからないんだよ――!」


 ギルド長「あらあら。そんな目立つ容姿ならすぐに見つかりそうだけど。ここでは見かけてないわね。」


 サチ「そか……いないか……」 トボトボ


 ギルド長「あらら。あれほど必死にサチ様が探してるヘタレ王子って……何様?」




~~・~~・~~・~~・~~・~~・~~・~~


「こんちくしょうめ。ヘタレ王子はどこにいるんだよ――!」


 思わず声をあげるサチ。日々の立ち振舞いのせいで、王都の人々から常に奇異の目で見られてはいるが、今日のサチはいつも以上に白い目で見られている。

 

「もう王都から出ちゃったのかな……くそぅ。泣きそうだよ。」


 テルっちは言ったんだ。


 ヘタレ王子ならばあたしの力になるって。


 掴むことができなかったあたしの願いを叶えてくれるかも知れない人。逃がしたくない。今逃してしまうと……もう二度と会えない気が……




「……でさぁ。さっきの男なかなかイケてると思わなかった?」


「うんうん。あの黒髪の人だよね。けどちょっと体の線が細いかな~。」


 サチとすれ違う年若い女性達の会話が耳に入ってきた。


 なんだとぅ……今何て言った?


「ちょっとそこのお姉さん。その男はどこにいるんだ? 正直に吐けえぇぇ!」


「「ぎゃ―――――――!」」





 この扉の向こうにいるのか? 

 いなかったら諦めるか?

 どうだ? どうなんだよ?


 私は目の前の扉に手をかけゆっくりと押し開ける。


「こんちは~~!ここに降参上手のヘタレがいるって聞いたんだけど!」




 



第六章の新たな登場人物




〔ルーシキの森で出会った女性〕


ネル 16歳


身体能力は高め


魔素高め


暇潰しのためなら何でもする


以外と家族や臣下を大事にしている


人間ではない


この物語に一番始めに出てきたキャラ


本当はヒロインにしようと思ってたが・・・


〔とある国の国王〕


ネルの父親


娘命


話を飛ばさずに読まれた方ならある程度は分かるかと






次章より家を建てます。

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