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3 ここはどこ?

主人公の酔いは覚めたのでしょうか?

 二日酔いにも似た感じで頭の奥底が揺れている。

 こめかみにまで拡がるような耳鳴りが響いている。

 目を開けようにも、先ほどの閃光の影響なのか瞼がなかなか開かない。




「っうう……なんだ? さっきの光は……」


 徐々に目が慣れてくるにつれ、とても不可思議な状況に自らが置かれているのに気づく。


「ここは……? ど・・こ・? はぁぁぁぁ!?」



 確か俺はどんどんで気持ちよく酒飲んで…直樹と携帯で話しながらふらふらと帰っていて……側溝にいた猫を拾いあげようとして……そうだ。俺はいつもの歩き慣れた道にいたはずなのだが……


「ここって神殿?」





 そうなのだ。まさに神殿。

ギリシャ神話に出てきそうなあれっぽい建物。

 しかも、大理石っぽい床石や石柱、白塗りの壁には一切の傷すらついていない。むしろ建物自体が薄く白い光を放っているようだ。美しい建造物というよりもある種、畏怖の念を抱かせるような気持ちに駆られる。



周りを見渡しても目の前に広がるのはその宮殿と雲だけ。


そう。他には何も見当たらないのだ。


一体どういうことなんだ?

俺はまごうことなき日本人。

そして俺が生まれ育ってきたのは日本。

しかし、俺が今いるのは日本ではないっぽい。

てか、俺が立っているここは地球にいるのか?


 頭の中が?マークで埋め尽くされつつあると宮殿の奥から2つの人影と、そばに寄り添い歩く一匹の獣が俺に近づいてきた。

 その人影はどうやら女性のようだ。二人とも白銀のような艶やか長い髪をたばね、身に纏っている服は薄い青色が特徴的なおしとやかなワンピースである。そして、深い青色の目を持つ子馬ほどはあろうかと思わせる真っ白な猫系の獣が瞬きをすることなく俺を見ている。

 やがてお互いの姿がはっきりわかるくらいまで近付くと、彼女達はわけのわからないことを話し始めた。




『姉上。なにやら人間らしき存在が目の前にいるようですが。』


『うわ! ほんとだ! 生人間だ! もしかして、生人間がここに足を踏み入れるのって初めてなんじゃない?』


『かもしれませんね。私は生人間を拝見すること自体が初めてですが。』


『どうしよどうしよ! ここはやっぱりおもてなししなきゃいけないかな?』


『姉上……人間ごときを接待するなどと……物好きにもほどがありますよ……』


……


 生人間だと……人を鮮度がいい人間みたいにいいやがって

何様だおまえらは?

 と心のなかで呟いてると、不意に頭の中に目の前にいる女性達の声が響いてきた。



《そんなにイライラしないで。人間ちゃん》

《そうですよ。イライラしたところで何の解決にもなりませんよ》


気持ち悪っ! なんだこの感じは……

 まるで幼い子供をあやすかのように俺に語りかけてくる二人の声なき声に戸惑いながら返事を返す。



「わかった。とりあえず二人に聞きたいのだけど、ここはどこなんだ? んで、なんで俺が人間ちゃんなどと呼ばれにゃならんのだ? てか、君らは何者なんだ?」


《あっ! やっぱりここがどこかわかるわけないよね~! ここはね私の家なんだ! 初めての人間のお客さんだね!》

《そうみたいですね。そして、あなたは所詮人間だから人間ちゃんと少しかわいげに呼んでいるのです。》

《それでね! 私達は一応神なんだ!》

《ですです。なのであなたは人間ごときなのです。》





マジか……





もう2、3話くらいで舞台が変わるでしょう

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