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異世界転移したんけどほぼ普通の人間なので毎日がサバイバルです  作者: おるる
第1章 オルーツアを生活の拠点としよう
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3 ネットショッピング起動

 エルシュさんに食事の感謝を伝え、ニーチェの部屋に足を運ぶ。年頃の女の子の部屋にしてはなかなか殺風景な感じだ。机とベッド等の家具、そして小さな小物入れしかない。


「まるで浪人生の部屋だな。ぬいぐるみとかないのか?」


「浪人生の部屋? ぬいぐるみって何? 私はおしゃれの仕方とかきれいな物とか知らないからあるものだけで満足してるの! そんな事よりさっさとネットショッピングをやってみなさいよ!」


 ニーチェのほっぺが風船のように膨らんでいる。浪人生の部屋はともかく、ぬいぐるみがこの世界にはないのか? そしてこの様子だと、彼女はおしゃれをしたくてもできないのかな?それならば……


「よし。じゃあやってみるか!」


 おもむろにタブレットをカバンから取り出してトップ画面に出す。そしてお目当ての物を検索する。うん。これがいいかな。

決定ボタンをクリックしてあとは支払いだ。代金は……1800Gか。


「ニーチェよ。1800Gをくれ。」


「へっ? お金いるの?」


「当たり前だ。買い物なんだからな。お金がないとネットショッピングはできぬ!」


「む―仕方ないな―じゃちょっと待ってて。」


 なかなか物分かりはよさそうだな。ニーチェは机の引き出しから布袋を持ち出すと銅貨8枚と銀貨1枚を俺に手渡した。これがこの世界の貨幣か。あとでニーチェにお金の単位を教えてもらおうかな。


「あとでちゃんと返してよね。」


「いや、だからね。買い物なんだからこのお金は支払いに使うの。だからお金は返さないぞ。そのかわりいいものが手に入るからな。」


 ニーチェはぶ~ぶ~文句を言ってるが放っておこう。このままじゃ話が進みゃしねえ。タブレットの下部にちゃりちゃり~んと硬貨を投入。しばらくすると画面が切り替わる。


(お買い上げありがとうございました)


 と次の瞬間、俺の足元に小さな段ボール箱が突如として現れた。やった! 成功だ! しかも支払い済んだらすぐに届くのか!

若干の興奮と嬉しさで浮き足立ってるとニーチェが膝を震わせながら近づいてきた。


「キノおっさんは転送魔法を使えるの?」


「キノだ。おっさんはいらない。てか、おっさんという言葉をつけるんじゃない。ニーチェが言う転送魔法がどんなものかは知らないがこれがネットショッピングだぞ。ちなみにこれはおまえの物だ。」


 そう言うと品が入った箱を彼女に投げ渡す。戸惑いながらも箱を開き中から出てきた物を手に取ると、ニーチェは感嘆のため息をつく。


「これって……私に?」


「そだそだ。少しくらいはおしゃれしろよ。素材はいいんだからな。」


 確かに素材はいい。と言うかよすぎるくらいだ。だから、きれいな髪と幼さの残る顔に似合う物を選んだつもりだ。俺が選んだのは造花と蝶をあしらえた髪留め。あまり派手だと髪留めだけが目立つから、薄い緑色の光沢があるものにしてみた。我ながらなかなかイカしたチョイスだと思う。


「遠慮しないで着けてみなよ。それはおまえがお金出したんだからおまえの物だからな。」


「うんうん……鏡で見ながら着けてみるね!」


 そう言ってぱたばたと走って行った。子供だましみたいなものだが満足してくれたかな? しばらくすると少し照れながら部屋に戻ってきた。


「どうかな? 似合ってる?」


 うん! よく似合ってる。色といいデザインといいイメージ通りだな。


「お~似合ってるぞ。壊れやすい物じゃないが手荒には扱うなよ。」


「手荒にするわけないじゃない! でもありがとね!」


 そう言って頬を赤く染めて目を背ける。うむうむ。喜んでいるようだな。ここで改めて釘を差しておこうか。


「ニーチェが見ての通り、ネットショッピングは自分が願うものや見たことない物ですら探し当てて手に入れることができるんだ。ただしお金さえあればな。俺がこんなスキルを持ってるのを欲深い輩が知ったらどうなると思う?」


「うん。おっさ……キノはひどい目にあっていいように利用されるかも。」


 ニーチェは少しうつむいて小声でつぶやく。そうだそうだ。ようやく事の重大さに気付き始めたな。


「だろ? だから他人に言うなっていう事だ。俺はエルシュさんみたいに戦い方を知らないしはっきり言って弱い。だから悪者に捕まったら間違いなくやられる。わかったな。」


「うん! 絶対に言わないようにするよ!」


 よし。これでこやつは手懐けたも同然だ。俺に対する見方も変わっただろう。おっさんと言いかけてやめたのも評価するぞ。心配だったネットショッピングも無事にできたし、あとは仕事だな。


「じゃ、明日はギルドに連れてってもらってもいいか? 働いてお金を稼がないと何もできんわ。いつまでもエルシュさんの厄介になるわけにもいかないしな。」


「わかった! じゃ、明日連れてってあげる! でも明日から仕事するの?」


なぜか目を輝かせながらニーチェはノリノリのようだ。直にネットショッピングを見せて俺に対する信頼度がかなり増したようだ。


「どうかな。やり易い仕事があればすぐにでもやりたいがどうやって仕事をもらうのかさえ知らないから行ってみないと分からないな。」


 確かにそうだ。まず働き方が分からん。たぶんギルドに登録してうんたらすんたら……


「仕事は基本的にはギルドに登録してこなした依頼やクエストの報酬をもらうんだよ。」


 やはりそうなんだな。なに当たり前の事言ってるの? というニーチェの表情が痛い。すまぬな。知らないものは知らないのだ。知らないついでにこれも教えてもらっとこう。


「お金の事教えて。」



このあと用いている硬貨について教えてもらった。





すべて1枚での価値です。


鉄貨 10G(10円)

銅貨 100G(100円)

銀貨 1000G(1000円)

金貨 10000G(10000円)

白金貨 100000G(100000円)

王金貨 1000000G(1000000円)







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