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第十七話 キモ試しと不平等なくじ引き

また1週ぎりぎりですね。次回から少しペースあげます。

一応30日までに10万字目標です。

夕食後、少し時間が出来たので夜風に当たる小鳥遊さん。

ふぅ、昼間は灼熱に焼けていた地面もこの時間になると少し肌寒い位に

冷え冷えとして気持ちが良い。海風も日中より優しく感じる。

が、フナ虫が山盛り走ってるじゃないか!

人がいない堤防はまさにフナ虫まっさかりまさかり担いだフナ虫郎状態だ。

折角の一人の時間なので我慢しているが、いまにもカサカサ足から上って

きそうなのが怖い。ま、実際は臆病だから近づいてくる事はないが。

暫くまったりとしていると、肝試しの時間なのか速水が走ってきた。


「会長ぉ~、もう時間っスよ~?」

「ああ、分かった今行く」

「なんか黄昏たそがれてましたね?」

「まぁ、そんな気分な時もあるさ」

「小鳥遊さん、私は諦めないっスからね」

「好きにしてくれ」

「好きにするっす」

「にしし」


少し照れながら笑ってみせた速水は結構可愛かった。


「全く、なんでこんな私を好きになったんだか」

「一目ぼれっすよ?」

「それは酷い」


堤防を戻り終わると他の二人が手を振って待っていた。


「連れてきたっスよ~」

「おかえりなさいー」

「お待ちしてました」

「おう」

「もうペア用のくじは用意してあるっス」

「ささ、会長から引くと良いっス」


あやしい、露骨に怪しい。

このくじは本当に適切なものなのだろうか。


「ちょい引く前にくじ見せて貰える?」

「あ、怪しくなんかないっス! やめるッス!」

「良いから見せるんだよ!」

「アッー」

「全部当たりじゃねーか、しばかれたいようだな?」

「バレましたね、バレても反省はしませんよ」

「私、速水よつばは無実であります!」

「有罪だよ有罪、打ち首獄門だよ」

「この機会を使って会長とあんな事やこんな事をしたいであります」


だめだこいつ早くなんとかしないと。


「そんな理由で不正は看過出来ないな、私は立花と組む事にする。」

「そ、そんなご無体な!」

「貞操の危険を冒してまで君に付き合う気はない」

「しょぼーん」

「まぁ、じゃあ2組出来たら麓の祠まで向かいましょうか」

「そうだね、じゃあ速水さん達お先にどうぞ」

「むすー」

「まぁまぁむくれてないで行きましょうか」

「むすー」

「良いから行くんだよぉ速水」

「ふぁーい」


しぶしぶ了承して肝試しを敢行する桐生院さんと速水チーム。


「10分位待ったらうちらも行こう」

「はい、了解です!」


…雑談を軽くしつつ暫く時間が流れる。


「キャーッ」


麓の方から叫びが聞こえる、何かあったのだろうか。


「今の声速水だよな?」

「そ、そうですね、何かあったんでしょうか」

「急いで行ってみよう」


少し駆け足気味で山道を歩く2人。

次第に肝試しに相応ふさわしい獣道になっていく。

うわぁ、すごい事になってきたぞ。


ガサッ、ドサッ


「いたっ」

「ん、立花どうした?」

「ちょっと段差で足をひねったみたいです」

「なんと暗くて良く見えないが、大事になるとダメだ」

「私が背負せおってあげよう」

「そ、そんな大丈夫ですから」

「気にするな、早く麓に行かないといけないしな」

「わ、分かりました」


そうして立花を背負ってみると存外ぞんがい軽いもんだ。

…と思っていた時期が私にもありました。

人背負って山登りとか馬鹿じゃないのか。

しぬ、水もない、視界は月夜、なにが出てくるかもわからん。

なんのトライアルレースしてんだ私は。


「ぜぇぜぇ」

「だ、大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫」


立花のお尻にずっと手がめり込んで気持ちが良いとか

とても本人には言えない事を考えつつなんとか麓に辿り着く。

桐生院さんと立花さんが先に着てる筈だが気配がない。


「たしか祠の前が集合場所だったよね?」

「そうです、でもいませんね」


「……お……てけ」

「うん?なんか言ったか立花」

「え?何も言ってませんよ?」

「……おいてけ」


なんか祠からブツブツ聞こえるんですがー!?

そして祠の横から浮き上がる顔の幻影。


「キャーーーーー!」

「って速水じゃねーか!」


スパーン


ツッコミが速水の顔面にクリーンヒットした。


「ぎにゃああああ」

「人を脅かすんじゃない!」

「桐生院さんは何処いったんだろ?」

「桐生院さーーん?」


祠から叫んでみる。

すると祠からぼんやりと顔が……って。

桐生院さんもかい!


スカッ


突っ込んだ筈の手が空を切る。

……あれ?


「なんでやねーん!」


スカッ


…え?ちょ、この顔なにちょっとまって


「ぴぎゃー」


声にならない叫びをあげる小鳥遊さん。


「計画通り」


ボソッと速水がつぶやいたのを小鳥遊は見逃さなかった。

すぐさま浮いている顔を掴んでみる。


「お面じゃねーか!」

「ふふふ、そいつは四天王の中でも最弱」

「おめーじゃねーよ!」


こ、こいつら私を怖がらせる為に策を講じやがったな!


お面をつりさげていた木の横から桐生院さんが

申し訳なさそうに出てくる。


「ご、ごめんなさい、速水さんがどうしてもっていうから」

「本当にビビリましたよ、本当にね」

「あれ、立花さんはどうされたんですか?」

「ああ、暗いから足を根っこに引っ掛けてくじいたらしい」

「それでここまで来れたんですか!?」

「いや、私が背負ってきた」

「会長マジ体力絶倫ッスね」

「あ、それと速水お前ポコパンの刑と快楽の刑どっちがいい?」

「前半は痛そう」

「はよ」

「じゃ、じゃあ快楽の刑で」

「おっけー旅館に戻ったら執行な?」

「え、えっちなのはいけないと思います!」


立花が声を荒げる。


「いや、快楽ってそういうんじゃないから大丈夫」

「何が大丈夫なんだろうか」

「そ、そうですか」

「しかし遠目に見るとこのお面?怖いな」

「へへ、私が旅館にあったのを借りてきたッス」

「ポコパンの刑も追加しようか?」

「黙るッス」

「オーケー牧場」


さて。帰り道も背負ってないとダメかなこれ。


「あ、少し痛いですけどもう歩けそうです」

「それはよかった」

「さて帰るか」


皆が帰路につこうとしたその時。

祠の上に顔のような青白いものがぼんやりとだが

認識できる形で浮かび上がった気がした。


「え?ちょま」

「ダッシュで帰るぞー!」

「なんでしょうあれ?」

「見るな振り返るな走るぞ!」


そして旅館に着くころには全員息が上がっていた。


「ぜぇぜぇ」

「あれ、なんだったんでしょうね?」

「祠ってのは大抵悪い事が起きないように祭られてるものだ」

「もしかしたら私たちの軽率な行動が見透かされていたのかもな」

「反省します」

「ごめんなさいッス」


さて、部屋に戻るか。


ガラッ


「フゥー、クーラーの効いた旅館の部屋最高!」

「そうですね」

「さっきの一件で既に涼しいんだがそれは」

「わ、私もなんだがゾクゾクしました」


「で、速水さん?」

「ビクッ」

「お仕置きは快楽の刑だったよね?」

「やっぱり覚えてたっすか?」

「祠の霊を怒らせた事も含めて処罰しないと示しが付かないんだよね」

「快楽って、やっぱりえっちな事っスか!?」

「お前、いつも脳みそピンクだな」

先輩、速水、速水の手と足を抑えててくれ。


「え? ちょ? 拘束プレイなんてまだ早いッスよ!」

「このピンク魔人に鉄槌を下す」

「こんな初めてはダメッス!」

「……ダメじゃないんだよ」


無造作に脇に手を突っ込む。

そしておもむろに手で脇腹をくすぐり始める。


「ファッ!?」

「快楽の刑って言ったろ?」

「こーちょこちょこちょ」

「ギャハハハ、やめるッスやめてほしいッス!」

「むーりー」

「こちょこちょこちょこちょ」

「あははは、うひー、きゃははははは」

「懲りたら反省しろよー?」

「ひーひー、反省するッス、しますからー」


……これ胸揉んでも気づかないんじゃないか?

試しに揉んでみるか。


「こちょこちょこちょ」


ムニッ、ムニムニ


「あははは、あんっ」


うお、反応した。


「おっぱいは反則っす!自分弱いんすから」

「へーそうなんだ期待してたみたいだし処す?」


ここぞとばかりに胸ばかり揉みしだく小鳥遊さん。


「だめ、よわんっ、弱いっていって……あっ」


うへへへへ、これはたまらな……ハッ!?

立花さんと桐生院さんが凄い軽蔑したような目で見ている!?


「きょ、きょうはこれくらいにしといてやる!」

「はぁはぁ、有難うございました」


火照って真っ赤になった顔で息を荒くしてお礼を言ってくる速水。

なんで感謝されてるんだろう。

ああ、この子は私が好きだからご褒美にしかなってないのか。

……お仕置きだった筈だが。

散々乳房をこねくり回した私がそれを言っても説得力がないな。

そして浴びせられる無慈悲な視線x2。

つらい、どうやって誤魔化すか。


「あれーおっかしーなくすぐってただけなのにー(棒)」

「へぇ、くすぐるのっておっぱい揉む事だったんですか」


ドスの効いた声で突っ込んでくる立花さん。

こわい、怖すぎるぞ。


「まぁまぁ性には敏感な年頃ですし、された側も

嫌がってないのですから良いんじゃないでしょうか?」


フォローキタコレ!


「そ、そうそうなんとなく流されただけだから?」

「流されるとえっちな事するんですかー?」

「しません」

「ですよねー?」


なんだか今日の立花はやたら殺気立っているのだが。


「まぁ、山道でおぶってやったろ?」

「あっ、そうでした!」

「あの時は本当に有難う御座いました!」

「いやいや、当然の事だよ」


よし、話が逸れた。


「あの、私いつまでこのエロい恰好で束縛されてるっスか?」

「忘れてた、もう放してやって」


着崩れた浴衣と紅潮した肌、荒い息遣いと、三拍子そろったエロさだ。

しかしつんと張った小ぶり目なおっぱいは良かった。

浴衣越しでも弾力があって揉みがいがあったわ。

相手が速水だったのがアレだけど、黙ってれば美少女ってそれ

一番言われてるから。

まぁ、可愛いJKの胸を揉めたということで速水という名は忘れよう。


「しかし今日も疲れたな、明日は早めに帰宅するぞー」

「はーい」

「らじゃーっす」

「では早めに寝ましょうか」


「ちょっとまて、ご飯食べてな(略」

「完全に忘れていましたね」

「部屋鍵かけてたから旅館の人も準備できなかったんだね」

「呼ぼう、そしてご飯タイムだ!」


そして今日もふんだんに盛られた海や山の幸を堪能するのだった。

今日は疲れたのか枕投げもせずに皆寝てしまった。

明日は早い、私も寝よう。すやぁ。

いかがでしたでしょうか?

相変わらずのメンツの相変わらずのイベントが満載ですね。

幽霊等の存在は現時点では否定的なのですが、今後次第で

取り入れていくかもしれません。

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