第十五話 ノンケとホモと機関銃
タイトルに腐海意味はないです。ないです。
そもそも女子しか登場しないですからね。
東条女学院の生徒会合宿はまだまだ続きます。
さて、場面はうって変わって4人の相部屋。
この4人を愛部屋ゲフンゲフンにするとはとんでもない。
のぼせてダウン中の立花は布団に乗せて扇風機全開で
体を冷やすことにした。
しかし、まさか意識を失う程のぼせているとは思わなかった。
多分みんなより少し体が弱いか何かで、かなり無理して
一緒に入っていたに違いない。
うーむ、いつも一緒に居るのに異変に気付かないとは情けない。
で、慌てて更衣室から飛び出してきたせいで野獣に
襲われたみたいに浴衣と下着がズレまくっている訳だが。
うう、気持ち悪いので直したいがここで直すのはいかん。
速水がさっきからガン見してるのが気持ち悪い。
「会長、浴衣すっごい歪んでますけど直さないっスか?」
「ああ、急いでたからな、紐の結び目は縦になってるわ
ズレてブラが見えそうだわこれは酷い」
「なんだかムラムラする着崩れ方っス」
「やめんかお前に見られると減るんだよ!」
「ぐへへへへ、安心して下さい別に何もしませんから」
貞操の危機しか感じないのですぐ直すことにした。
ゴソゴソガサガサ
「あれあれぇ、直しちゃうんですか?」
「当たり前だ!さっきから変な視線でみてるでしょ!」
「やだなぁ、いつも道理 で す よ フォカヌポォ」
「!?……完全にダメだこいつ」
良し、終始クソみたいな視線を送られていたがなんとか
ずれを修正出来た。
「それで温泉は上がってさっぱり爽快になった訳だけど、
特にやることもないな」
「ああ、海と温泉がメインでしたから他に娯楽はありませんね」
「卓球台みたいなものも無かったよね」
「ご飯の時間まで少しありますけど、どうしましょう?」
「あ、私小説持ってきてますけど皆さん読みますか?」
「ほほう、それはまた文学的なものを」
「どうせ暇ですし、読むっス」
「あ、わたーしーはー休んでます」
「気づいたのか。もうちょっとで医者呼ぼうかと思ってたぞ?」
「すみません、みんなと一緒に入ってたら楽しくて」
「だからって倒れるまで入ってたら駄目だぜ?」
「ご、ごめんなさい」
「まぁ、まだ具合悪いだろうしご飯まで寝てると良いよ」
「はい、寝てます」
バツが悪そうにタオルで顔を隠す立花。
さて、小説でも読んで時間を潰すか。
「うわ、こんなに本持ち込んでたんですか」
「毎日の日課のようなものですので」
「凄い数、道理でカバンがパンパンだった筈っス」
「桐生院さん、何かオススメの本ある?」
「初心者向けですと……これ!ビガーパンツの王子様とか!」
「そ、それはナニが初心者向けなんですかねぇ」
「そりゃあ……ヤオイですよ?」
「こっちの紅茶紳士の夜のアフタヌーンティとかも良いかも」
「……タイトルから既に発せられている臭さはなんだろう」
「あー、桐生院さんってノンケだと思ってたんですけど
腐ってたんスね」
「ああ、腐るってそういう」
「し、失礼な私は面白いから読んでいるだけで断じてそういう
邪な目では見てません」
「まずいですよ、先輩!」
食わず嫌いはあまり好きではないので一応読むだけ読んでみるか。
「あ、じゃあこのソフトそうな黒塗りの高級車がバックで
お借りしまっス」
「それは初心者にはオススメ出来ない……それでもいいなら」
「まぁ、大丈夫っス!」
「私はこの可愛い表紙のFuck ●ouのオーバーロードを借りますね」
「それも初心者……オススメ出来ない。でも、読みたいならどうぞ」
「そ、そうですか、まぁ何事も経験だ」
……10分後
「野獣が野獣が先輩を……ガタガタブルブル」
「ファッキュー、ファッキューナイスツゥミーチュー」
「そ、そんなに凄かったですか?」
「ファッキュー!」
「キャッ」
会長が桐生院さんの両手を掴んで押し倒す。
「……奴は俺たちの大切な物を盗んでいきました」
「え?それはなんですか?」
「ピュアな心です」
「これで私たちはお友達ですね?」
「むしろ、おホモダチというかなんというか分かりません」
「先輩もうダメっス、ライフがゼロっス」
桐生院先輩の持ってきた官能ホモ小説はノンケには
辛辣すぎる一品であった。
別の意味で精神的にダウンする小鳥遊と速水。
ただその様子を眺めて微妙にニヤニヤを抑えきれていない
こわい桐生院先輩。のぼせてダウン中の立花という構図。
桐生院先輩以外死屍累々ではないか。
ご飯前に見るものではなかったと言わせて貰おう。
「……そんなに気に入って頂けるなんて嬉しいわぁ」
いやいや、何一つとして気に入ってないからね?
「今日の晩御飯は美味しく食べられそう」
「あ、じゃあ入門は済んだならこれ読んでみて?」
「か、会長私はもうダメっス」
潤んだ瞳で助けを訴える速水。
当然の様に無視した。
「具合が悪いなら読んであげますんで聞いて下さいね」
「アッー!」
速水よ、先に地獄へ行きな。
「小鳥遊さんももちろん聞きますよね?」
え?え?ちょおま私は無関係でしょおおおおお
「昔々ある所にマッチョの(略」
ああああ、ホモ小説の朗読会が始まってしまった。
ただでさえ精神に大きなダメージを負ってしまったのに
更に女性の朗読という破壊力抜群の行為が加わって
破壊力は1×1で1000倍!?
だめだ、もう止めないと命に係わるぞ!
「桐生院さん、ストップ、スタァァップ」
割と大きな声で静止したのですこしビクッとして
朗読をやめた桐生院さん。
「すみません、具合が悪くなってしまったので
これ位にしませんか?」
「そ、そうでしたか、すみません」
よし、上手く静止出来たゾ。
「ま、また機会があればお願いします。次は普通のラノベで
お願いします」
「お気に召しませんでしたか?残念ですが次からはそうします」
助かった、危うく黒塗りの高級車で送迎される所であった。
コンコン
不意に旅館のドアがノックされる。
時計を見ると既に7時だった。ああ、もう晩ご飯の時間か。
扉をあけると旅館の中居さんが所狭しと料理を運んで来る。
海の幸、山の幸満載の色とりどりの食材に一同興奮を隠せない。
「いつも思うんですけど、このアワビって何かに似て」
ガタッ
「オーケー、それ以上はやめろ、死にたくなかったらな?」
危なくR18の壁を突破するような発言に、小鳥遊は機敏に反応した。
「しかし、ここの旅館の船盛りは見事なものだな」
「そっスね、豪華絢爛といった風情っス。」
「は、はい」
「そうですね、お値段の割にかなり豪華だと思います」
「さっそくビール(お子様用)を小鳥遊が皆のコップについでいく」
「おっとっと、こんなもんですかね?」
「はい、有難う御座います」
「ありっス!」
「本物でも良かったのだけど、うふふ」
しかし、先もアワビの話になったけど、貝はなんかグロテスクに
見えてしまいシジミ以外まともに食べられないのだ。
さっきの速水のクソ発言は致命傷だった。
という事で嫌いな貝は全部立花に押し付けておこう。
そして好きなエビフライは速水から……
ガッ
「な、なにをするだぁ!」
「今、私のエビフライ取ろうとしたっスよね?」
「何のことだねワトソン君」
「あ、そうだこの卑猥なアワビ食べる?交換でいいよ」
「え?マジっスか?それならエビフライあげるっス」
しめしめ、嫌いな物と好きな物が交換できたぞ。
アワビぽーい、エビフライin!
よし嫌いな貝類はなくなった。しかしこの船盛の刺身うまいな。
ガキッ
最後の1枚のマグロに手を伸ばした所で速水の箸と衝突する。
強引に取ろうとするが、速水も負けじと強く押し込んでくる。
「こら、ここは会長に譲るもんだろう?」
「それとこれは話が別です」
くぎぎぎぎ、とかやっていたら桐生院さんが下からこっそり
刺身をゲット君していた。
「絶望だ、この世の終わりだ、カタストロフだ」
「魚だけに漁夫の利ってやつッすね」
「あらあらごめんなさいね、争いの火種をなくそうと思って」
「いいですよ、速水に食われるよりなんぼかましです。
「しょぼーんッす」
落胆する二人を他所に最後の一切れの油の乗ったマグロを
頬張る桐生院さん。とてもおいしそうに食べている。
まぁ、争いは憎しみしか生まないからこれで良かったんだ。
「あ、思い出したけどあとでお尻ぺんぺん忘れるなよ?」
「うげー、結局やるんすか」
「そうですか、期待してますね」
何故期待されているのかが皆目見当がつかない。
……そして夕飯のひと時が過ぎ、食器を片付けにきた中居さんが
巨乳で色っぽかったという印象であった。げぷ。
「さて、満腹でまんぼうみたいになってるみんな」
「お仕置きタイム行って良いかね?」
「あ、自分お腹の調子が悪いッす」
「めちゃ血色よさそうだけどな」
「それと桐生院さん、お風呂場での話覚えてますよね?」
「あらあら、お尻ぺんぺんでしたっけ」
「……さてと、速水から行くか」
そういうと、逃げようとする速水を抑えつけマウントをとった後
ひっくり返してお尻を向けさせた。
一連の動作はほんの数秒であるが、会長はなぜこんなに
手馴れているのか。
「折角の膝枕なのに全く嬉しくないっす、タイタニックに
乗ってる気分っす」
「煩い、刑は執行されるのだ」
「ほいやあああああ」
バシッ バシッ
「いたいいたい、お尻が痛いっす」
あ、何かに目覚めそう。というか合法的にケツが揉めるドン!
速水のケツが思った以上にぷりぷりでいいゾ~これ。
バシッ バシッ
「どうだ!これでもか!」
「ひーん、もうやめてほしいっスよ~」
これは……楽しい!!
バシッ バシッ
「あのお尻がヒリヒリしてきたっス、もうギブっスギブギブ」
「はぁはぁ、ギブアンドテイク?私が痛みを提供して
私がお礼のケツむにゅを受け取るて感じかな?」
「ちょ、楽しんでないでもうやめてほしいっス」
「よし分かった」
ぱぁーん!
勢いよくケツをひっぱたいてビクンとなった所で終了の
ケツドラムだ。
「いたた、たぶんお尻真っ赤になってるっス」
「昼間は危険が危なくてヤバかったから反省してくれ!」
「うう、了解っス」
そして次なる目標の桐生院さんに目を向けると潤んだ瞳で
こちらをじっと見つめていた。
「あの、やっぱり……やるんですか?」
「はい、あの時ご自身からの提案もありましたので」
本当は桐生院さんのお尻を揉みしだき30分したいだけですが。
「分かりました、恥ずかしいですけどどうぞ」
わんわんスタイルを自分からだと!?先輩分かってるな!
目をらんらんと輝かせ、お尻ぺんぺんポジションへと移す。
「じゃあ、行きますよ?」
「は、はい」
そういって速水より少し手加減した感じで手を振り下ろす。
ベチッベチッ
凄いお尻の肉が肉厚で抵抗してくる、流石桐生院さんだ!
「はっ、うん」
べちっべちっ
「やだ、いたっ」
お尻叩くたびに変な声が聞こえるのは気のせいだろうか。
「もっと、もっと強くして大丈夫ですから」
「会長、私と比べて手を抜き過ぎっすよ!」
「あ、ああ分かった」
バシッ バシッ
「んっ、これ、これですわお仕置きとは」
高揚した声で桐生院さんが叫ぶ。
この人実はドMなんじゃないのか。
「もっともっと強くお願いしますわ」
バシッバシッ
はっ、お尻の事をすっかり忘れていた。
……叩きながら鷲掴みしたらバレるだろうか?
やってみよう。
バシッ バシッ むにっ
バシッ バシッ むにっ
「会長、それすっごく良いです」
喜ばれた!?
息遣いも変な意味で荒いし、これ位にしようか。
あ、おしりの張りと肉付きは最高で御座いました。
「きょ、今日はこれ位にしといてやる!」
「はぁはぁ、有難うございました」
なんでお礼を言われているのだろう。
「先輩達、傍から見ると怪しげなプレイ中に
見えたっスよ」
「それは酷い」
「さて、お腹も膨れたし、明日も早いから寝るかね」
「布団はこの押し入れの中かな?」
ガラッ
お、入ってた入ってた。
「枕がやけに多いな10個位入ってるぞ」
「それきっと枕投げ用っすよ」
そんな訳はない。
「さぁ布団敷くぞ~」
がそ がそ ボフン ボフン
「よし終わり」
刹那速水上空から未確認飛行物体を確認。
「ぬおっ」
間一髪で避けるも、それは枕だった。
「こら、寝るって言っただろ!」
「聞こえませんでしたぁ」
バシッ
よける間もなく速水の枕弾が顔面に直撃する。
許すまじ速水。
我が黄金の右腕よ!睡眠を阻む者に永遠の眠りを!
バシィ
「いてて、よくもやったっスね!」
流れ弾が桐生院さんや立花にも命中する。
「うう、酷いですー!」
「これは報復待ったなしね!」
かくして大量の枕が飛び交う第一次枕ウォーズが
開幕したのであった。
数時間後疲れ果てて全滅したのは言うまでもない。
お尻ぺんぺんプレイは普通にエロいと思う。
そして次回は就寝後のお話。夜はまだまだこれからだ!