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第十四話 西瓜は酸いか甘いか?

今回は露天風呂でのお話になります。

さて、秘蜜の花園に入った4人ですがまたまたすったもんだ劇場です。

はたして4人の行方は!?

さて、砂でじゃりじゃりした水着を脱ぎ捨てパピヨンへと

脱皮するべく露天風呂へと向かう事にする。

他メンバーは心地の良い汗をかいていたが、私だけ海汁で

べとべとである。

水着の隙間から砂が入った感触は最早最悪の一言。

胸やお尻やらあそこやらの付近がニチョジャリ感満載である。


「は……はやく、温泉に」

「大丈夫っスか、具合悪そうっスけど?」

「お前らだ、お前らが原因で漬物にされた挙句あげく

溺れ死ぬ所だったんじゃないか」

「まぁまぁ、なんとかなりましたし親睦は深まったかと」


全くもって激おこカムチャッカ半島ファイヤーである。


「ご、ごめんなさい」


立花はあの事件の後からずっと謝りっぱなしで、

最早気の毒になってきたので許すとしてもだ。


「ごめんなさい、私も乗り気でやってしまいました」

「いえ、いいんですよ」


爆乳爆尻の桐生院さんには何故か風当りが少ないのは

下心ではない。ええ、下心ではないんですよ。


「あ、自分ちょっとダッシュで温泉見てくるっス」


そういって廊下を爆走していく速水。

そんなに温泉に入りたかったのか。

まぁ、確かに海水はべトベトするし、ここは高台に温泉があって

海を一望できるらしいからな、まだ日は暮れかかりなので

さぞかし絶景を見られる事だろう。


シュタタタタ、足が8本に見えそうな擬音を口で叫びながら

去っていく速水を他所に絶景を想像して胸が熱くなる一行。


「この角を曲がったら温泉ですね」


立花が用意周到にこの旅館のマップを見つつ案内してくれる。

まぁ、思い切り順路が廊下に書いてあったのは秘密にしておこう。


「えーっと、女湯は左ですか」


ガラッ


いざ温泉におもむかん。みかんを剥かんじゃないぞ?

そして眼下に広がる女人達の裸体が……って!?

はぁ!?

眼下にはマッチョが広がっていた。どう見ても男性にしか

見えないのは目の錯覚であろうか。


「キャー」


マッチョが突然叫んだ。世界の中心でマッチョが叫ぶ。

祝映画化……するか馬鹿だろ!

どう贔屓ひいき目に見てもオッサンやマッチョや

少年しか見えないんだがー?少年にはきっちり股間に

オプションが付いていた。

何かがおかしい。私達は確かに女湯に入った筈なのに

この惨状は男湯そのものだ。

おいおい、その越布を外したらエクスカリバーやゲイボルグが

出てくるとか考えただけで震えてくる。


はっ!?


ここで先ほどの速水の行動の違和感に気付く。

先回りして看板をすり替えたのか!?


「す、すみませんでしたー!」


大声で謝るとすぐさまきびすを返し、反対の男湯と

ダッシュする。


……転んだ。


……いてて、なんで私だけこんな目に。

隣の男湯の暖簾のれんを潜ると、今度こそ女体の楽園が

広がっていた。ちらほらと若い子も居る。

ぐへへへへ、いかん転んだ痛みも忘れてよだれが。

みんな恥ずかしいのかエチケットなのか、胸とアソコだけは

タオルで隠している。そんなエチケットはいいからもっとこう

全て解き放とう。そしたら美味しくおかずにするからね?


「あの、転んだのもそうですけど、大丈夫ですか?」


オウフッ、またエロい妄想をしていたのがバレたのか

冷ややかな視線を送ってくる立花さん。

この子絶対、私の頭の心配をしていると思うが残念!

私は全く大丈夫じゃないのだ!……ハァハァ。

想像してみてくれ、思春期の男の子が女湯に入っていって、

何もナニも感じないのはおかしくないか?

そらもう●本満足バーがラグナロクを起こすだろ?

今、まさにここでシコりたい位である。


「だいじょばないですよ!」

「それは大丈夫ではないんでは!」

「あらあら、会長よだれが出てますよ?」


おっと、ジュルリポァ&フォカヌポウで御座る。

危なく悟られる所だった。

…さて、犯人は分かっているので見つけて尋問に移ろう。

着替えロッカーの陰でバツの悪そうな顔の加害者発見!


「おい、速水ちょっと来い」

「ひゃいっ」

「おま、女湯と男湯の暖簾のれんすり替えたろ?」

「へへっ、お代官様、めっそうもございやせん」

「お前先回りしただろ?バレバレだぞ」

「そんな、あっしはちんけな商人、そんな大それた事

出来やしやせんぜ?」

「あ、しらばっくれるんだ?打ち首獄門だな?」

「ちょ、ちょっとまってくだせぇ」

「無理」


エクスカリバーの園に放り込まれた怒りでぷんぷん丸と

化した私にはもう抑えきれなかった。

先の溺死事件も含めてインフェルノとなった私の怒りは

速水の体へと注がれるのだった。あ、暴力はしないよ?


「こちょこちょこちょこちょ」

「ぎゃはははは、ちょ、やめ!」

「こちょこちょこちょこちょ」

「や、やめるっス死ぬっス、死ぬっス」

「こちょこちょこちょ」

「ギブギブ、やめ、やめ」


私は速水の脇をこしょぐりまくった。

先の怒りを指先に込め、奴に注ぐのだ。


「こちょこちょこちょこちょ」

「ひーひー、やめ、やめ……ガクッ」


落ちたな。


「これに懲りたらアホな悪戯いたずらはやめるように!」

「うう、腹筋がよじれて死ぬかと思ったっス」


肩で息をしながら涙目になっている速水を横に

限界に達した不快感から水着を脱ぐ事にする。


「ほう、これはこれは」


速水から露骨に卑猥な視線を感じる。


「覗いたら頃す、今ので反省しないならあとでまた……」

「ヒッ、分かりました、分かりましたっスよー」


観念した速水は少し距離を取ってブツブツ言いながら

着替えを始めた。

……ほう、スレンダーながら良い体付きをしている。

ってこれじゃ、先の速水そのものじゃないか?

いやいや、奴は露骨だったが私は視線しか流していない。

つまりセーフだ!

おおっと、桐生院さんの胸やばいな、ナニはいってんだろ?

西瓜か、これは西瓜なのか!?

ああ、あの西瓜を両手で揉みしだきながら吸い付きたい。


立花は相変わらず白い、透き通るように白い肌だ。

普段から手入れを怠らない姿勢を感じる。

昼間オイルを塗ってあげた時もスべスべツルツルの

餅肌だったなぁ。じゅるり。

おっと、今ちょっと立花に欲情…浴場だけに欲情!?

いやいや、アホな事いってないで、あの子はそういう

キャラとしては見てない筈なんだけどなー。

しかし、桐生院さんのボディは眼福しかない。

あータオルで隠してるから見えないけどそそるなぁ。

勿論、私もタオルで隠している訳だが、露骨にエロい

視線をずっと感じている。速水だ、奴の視線だ。

さっきからニヤニヤしてるの見えてんぞ!


「速水君、君は再教育の必要があるように見えるのだが!」

「ファ、いえ何も見てない、何も見てないっスよ」

「あのその勘定だと桐生院さんを見てる会長も同罪のような」


ビクッ

バレてるじゃないですかやだー!


「え?ええ?私はいたって健全ですよ」

「健全ってエロい男子は健全っていう位曖昧な言葉のような」

「そ、そうっすよ、私だけ怒られて悲しいっス」

「速水は先の前科があるからな、おかげで別段見たくもない

マッチョの全裸を拝まされたからな?」

「ま、マッチョスか」

「マッチョスってなんかお菓子でありそうだな」

「それカッ●ェスじゃないですか?」

「ああ、それそれ」


こんなバカ話をしつつ、速水の視線がようやく外れたので

浴場へと向かう。


ガラッ


露天風呂なので湯船の手前でドアがある。それをゆっくりをけると

暮れかけて水平線へと沈む夕日と目隠し用の草木が赤黒の

コントラストを描きまるで絵画のような美しさだった。


「うわぁ、綺麗ですね」

「ああ、そうだな」

「綺麗っスね!」

「ほんと、心が洗われます」


一同に感想を述べると、まず一同体を洗うことにする。

さっき、砂浜で砂遊びしてたせいか全員割と砂だらけである。


ザバーッ


いやぁ、気持ちいい。私は埋葬されたあと、脱出してからも

水に触れていないので払っても取れない水着の中の砂が

肌にくっ付いて悲惨な事になっていたのが、漸く解放された。

このお湯も温泉なのか、少し酸っぱいような硫黄の匂いを

微かに感じる。

みな黙々と体を洗っているが、やはり桐生院さんの体と

立花の肌の白さが気になって仕方ない。

速水は…こっちガン見しとるやないかい!

この野郎、今晩のおかずにされたらたまったものではないので

注意しておこう。


「デュフフフ」

「速水さん、笑い方が変じゃないです?」

「え?いや何でもないです」

「ん?」

「今、なんでもって」


桐生院さんが連携してくるとは思わなかった。

ってか、このネタ知ってるんかい!


「何ですかそれ?」

ちまたで流行ってるホモネタ」

「はぁ、そういうのあるんですね」

「そうそう、なんでもって言われるとつい反応しちゃうの」

「あ、私もそれ知ってますよ」


立花以外知っているという現実。

というか、立花は本当に無垢だな。


さてと、このまま立って体を流すと速水に見られるので

座ったままザバーっと。


二ヤッ。

げ、胸見られた!?

二ヤついてんじゃないかクソが。


「会長、胸綺麗っすねーデュフヌポォ」

「お前あとで覚えておけよ?」

「ヒッ、冗談ですよ冗談」

「え?ど、どうかされたんですか?」

「どうもしないけどされたんだよ!」

「???」


相変わらず会話がかみ合わないが、速水に

ズリネタを提供してしまった悲しみ。


「さて、みんな砂は落としたな?」

「いくぜ、この地平線に沈む露天風呂へな!」

「ヒャッハー!」


マナーが悪いのは分かっているが、時間が早く人が

居なかったので飛び込まずにはいられなかった。


ザバーン


激しい水飛沫みずしぶきと共に飛び込む約2名。

まぁ、速水と私だ、言うまでもない。

その後ゆっくり入ってくる立花と桐生院さん。

全くもって分かりやすい構図である。


立ち込める湯煙の中に女子4人。約2名は温泉よりも

女体に興味があるようだが、一見すると仲の良い

4人見えるからタチが悪い。


「はー、いい湯だな」

「ババン!」

「古いよ」

「ドリ●でしたっけ」


そうそう、あれ懐かしいよね。ちょっと待て、

この中の誰も生まれてないだろ。

……それはいい、それはいいんだ。

マナーの関係で、身を隠していたタオルは全員

頭の上にのっけたのだが、桐生院さんの爆乳の

全貌がみえ、みえそうで見えない。

くそ、波だってる水面のせいでぎりぎり見えない。

そして速水も同じような事を考えていた。

くそ、水面が波立って会長の控えめなおっぱいが

よく見えない……あわよくばアソコも見えたら

いいなぁ。……小鳥遊より重症だった。

こんな殺気だった空気を破るように、桐生院さんが

口を開く。


「そういえば、先ほど男湯に入ってしまったのですが

何人かたくましい方がいらっしゃいましたよね?」

「ああ、マッチョや細マッチョのイケメンが居たような」

「わ、私は何も見てませんよ!」

「ウフフ、あの細マッチョの方と隣で焦っていた男の子が

カップルだったら良かったんですがどうでしょうねぇ」

「え?男性同士ですよ?」

「そういうカップルも昨今はあるのですよ、ウフフ」

「やっぱりあの男の子が攻めなのかしら」

「せ、攻め?何を仰られているのか分かりかねますが」

「あらあら、知らないのでしたらあとでラノベをお貸

しますよ?」

「桐生院さんの愛読書ですか?それは気になります!」


これを機に仲良くなろう!


「速水さんも如何いかがですか?」

「あ、自分は遠慮しておくっす、小説読んでるとすぐ

眠くなっちゃうんで」

「そうですか、では立花さんは?」

「あ、じゃあ私もお借りして良いですか?」

「はい、喜んで」


そんな会話をしつつも目は互いに興味のある女性の

胸へと注がれる、これは酷い早くなんとかしないと。


すっかり長話をしている間に、随分時間がたったようだ。

水平線に見えた夕日は沈み、夜になっていた。

そして、他の入浴客が増えてきたので上がる事になった。


「ふぅ、人増えてきたのでそろそろ上がろうか」

「そうですね、そろそろのぼせてきました」

「あがりますかー」

「は、はい、私もちょっとぼーっとしてきちゃって」

「あっ」


ざばーん


立ち上がろうとしたその時、立花がふらついて

湯船に転んでしまった。


「おわ、ちょっと大丈夫か?のぼせてるじゃないか!」

「ちょっと体冷やした方がよさそうっすね」

「よし、私が連れていく」


おんぶした状態で浴場を出る小鳥遊さんと立花。

他の二人は先に上がって着替えをしていた。

更衣室に立花を寝かせてとりあえず浴衣だけ

着せていく。

すっぽんぽんの立花を目の前にした訳だが、何か

罪の意識があり直視しないようにしておいた。

純白の絹肌というか、彼女の肌は本当に綺麗だ。

今はのぼせて赤身がかっているが、なんとか浴衣を

着せる事が出来た。


「ここだと騒ぎになるから部屋に戻ろう!」

「そうですね、立花さんは任せました」

「私も戻って寝かせる準備しておくっス」

「うう、すみません。ご迷惑おかけして」

「いいから、いまは大人しくしててくれ」

「……はい」


のぼせて茹った立花は苦しそうだったが、少し

嬉しそうに笑ったかにも見えた。まぁ、気のせいだろう。



文系であまり体の強くない立花さん、のぼせて倒れてしまいました。

小鳥遊さんにおぶられてまんざらでも無かったのは秘密です。

さて次話は、旅館のお部屋での話になります。ではでは。

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