称号獲得したけど嬉しくない&警備隊長が無能者
おかしい、話の中で爆発事故が起きてからこの話の終わりまでで、三時間もたってないのに現実ではもう桜がほとんど散ってしまっている。予定では桜の季節の間に透理を転生させる筈だったんだが 。
どうしてこうなった。このままでは無事転生させる迄に夏になってしまいそうだ。はぁ、自分の才能の無さを自覚させられる。
称号名を一部変更
神々に → 神様に
2017/04/27
《ポーン》
『『新たな称号を得ました』』
称号 【神様に忘却されしもの】
称号 【限定特化型神越者】
《ポーン》
『神越者の称号により全てのスキルランクが上昇します』
『『『『スキル 【#¢£%#】のランクが上昇しました』』』』
《ポーン》
『スキルランクが上限に達しているためスキルが進化します』
『スキル 【気配認識EX】が スキル 【存在認識?】へ進化しました』
突然、頭の中に音が流れ、メッセージが表示されました。
ただ、スキルランクが上昇したのはわかってもそれが何のスキルかは理解出来なかったです。おそらくは不完全な測定のせいでしょうか。一つづつ順番に流れましたが何回スキルランク上昇メッセージが流れたのかもわかりませんでした。
まぁともかく、神様(どうせ大王とその部下でしょう) が私の持っていたスキルにより私の事を忘却したのは理解出来ましたので好きにさせて貰いましょう。
このメッセージが流れるまでの二時間の間に、ノートパソコンの状態と鞄の中身には、何の問題も無い事は確認出来ました。
それと、今頭の中に音とメッセージが流れたように、鳥居をくぐることで自分の状態を確認する事が出来るようになるらしいのですが、今の私はほとんどが文字化けで何のスキルが有るかは、一部を除いてわかりません。ひどいところでは、一列全て文字化けですから何個スキルを持っているかもわかりません。
罪科や功績と言った項目もあることから本来はそれらを本人へ納得させるために、表示させる処理をしているのでしょうが、今はそこも文字化けで何もわかりません。
唯一、称号だけは全て分かりますが何なんでしょうかこれは。あまり歓迎したいものではありませんね。改めて確認するとこうです。
――――――――――――
〔称号〕
【影無一族の虚無姫】 【超越者】 【紅茶愛飲家の極み】 【神様に忘却されしもの】 【限定特化型神越者】
――――――――――――
で、それぞれの説明がこれ。
――――――――――――
【影無一族の虚無姫】
影無の一族は先祖代々存在感が希薄で影が薄い又は無いと言われ続けている。
それは代を重ねても変わることなく続き、やがて称号を得るに至った。
今代ではさらにその力を強め一族史上最強であり、人が至る最高点へと至り称号名が変化した。なお、名前の由来は一族内での呼び名である。
気配遮断系スキル及び認識遮断系スキルは本来スキルのON/OFFができるが、地球というスキルの存在が認識されない環境と影無一族の特性・生活習慣・性格などにより、当称号を持つ者はスキルをOFFの状態でも35%程度はスキルが効果を発揮している。
――――――――――――
うんまぁ、家の一族が特殊なのはわかってましたからいいです。
ですが虚無姫ってなんですか!!?(゜ロ゜ノ)ノ
てか私が知らないところで皆からそんな呼ばれかたしてたんですか!?
コミュニケーションの放棄が結果としてスキルの強化に繋がってしまいましたか。
で、私は気配遮断系スキル及び認識遮断系スキルの両方を持っていて、スキルは常に発動しているということですか。
だからといってこれ↓はないでしょう!?
――――――――――――
【超越者】
人が通常至る事ができる最高点へ到達し、人間を越えた者に与えられる称号。
ここへ至るには当然相当の努力が必要であり簡単には至れない。
――――――――――――
人間を辞めた覚えは無いのですが(*`Д´)ノ!!!
それに意図してスキルを高めた訳でも無いので努力もしていませんが。
――――――――――――
【紅茶愛飲家の極み】
【紅茶愛飲家】の称号は文字通りであり、自ら煎れ方や道具、ブレンドの配合などを研究するなど美味しい紅茶を飲む為に、あらゆる行動を起こしている者に与えられる称号です。
他にも、【珈琲】や【ワイン】等の酒類など様々な種類があります。
ソムリエなどの資格を持つような人はほぼ全員こういった称号を持っています。
【極み】とは、その道を極めた証としてつきます。
このレベルになると、1日最低何杯か飲まないと死ねるとか言い出す人達ばかりとなります。まぁ個人差はあるようですが。
何と言うか、15歳で極めるって凄いですね。どんな生活してたんですか?
――――――――――――
これは何と言うか、うん好きなんだから仕方ないじゃないですか(///ω///)♪
資格は、ティーインストラクターや、ティースペシャリストなど紅茶に関する資格は全て持っていますね。
さすがに私は何杯も飲まないとなどとは言いません。……精々1日一杯飲まないと死ねる程度です(///ω///)♪
どんな生活してたって、誰も気付かないから没頭した結果ですほっといて下さい!
――――――――――――
【神様に忘却されしもの】
文字通り神様に自分の存在を忘却されたもの
この称号は人・無機物・有機物・等一切問わない。等しく神々に忘れられるとつく称号。
当然余り名誉とはいえない。
――――――――――――
うんもう今さらですが、大王って本当に神様だったんですね。
人間のスキルに負ける神様って(笑)。
はぁ、わかっていたけど本当に忘れられましたか(..)
そして最後の一文、わかってますよ!!でもどうしろって言うんですか!!勝手にスキルが発動しているんです。止められない以上仕方ないでしょう(*`Д´)ノ!!!
――――――――――――
【限定特化型神越者】
特定のスキルや能力において、それ限定で神を越えた力を手に入れた証として与えられる称号。
神越者の称号を得ることで魂が昇華され全てのスキルや能力が一段階ランクアップする。
人のまま【神越者】と成ったものは地球の歴史上、過去現在未來の総てにおいて両手で数えられる程しかいない。
P.S. 元が人か人外かを問わず、過去【神越者】に成った者のほとんどが何らかの神々と敵対し、半数以上が野望を達成する事なく無惨な死を遂げています。
さぁアナタどうなるんでしょうか!!楽しみにさせていただきますね。
――――――――――――
限定的とはいえ神様を越えるとか畏れ多いですね。
確かにどうやら特定のスキルが二つ程、自称神様の閻魔大王(笑)に通用していましたから、わからなくはないですが。
魂の昇華はそういうものと納得するだけですね。
地球史上数える程って(;・ω・)
そして何よりも、最後のP.S.はなんですか!!誰がこの腹立つ追伸を書いた!!(#`皿´)
私は特に何もする事なく勝手に称号を与えられたのですからはじめから特に野望等は持っていません。だから私から神様と敵対する理由はありません。神様から敵対若しくは必要以上に挑発でもされない限りは何もありませんよ。
はぁ、いろいろと突っ込みどころが多く、特に欲しくもない称号ばかりですね。
「あの〜。透理さん?」
「え?あ、はいすいません。少し考え事をしてしまいました。」
おっといけないいけない。今は鳥居の修理を手伝っているんだった。
「いえ、それは少しくらい別に構いませんが。それよりも大丈夫ですか?先程から、急に考え込んだと思ったら、いきなり一人で百面相しはじめて何かありましたか?」
え、顔に出てましたか!?恥ずかしい。
「い、いえ、たいした事ではありません。死んだ後の今の状態でも、スキルは有効で称号とかが手に入ったりするものなのだなと思いまして。」
「まぁ確かに一応有効ではありますが、普通は使えませんし、称号なんて簡単に手に入る物ではありませんよ。」
「そういうものですか?ですが今頭の中にメッセージが流れて、称号を二つ獲得しましたが。まぁ私が何かをしたわけではありませんが。」
「は!?二つですか!?それはまた。因みにどんな称号ですかと聞いても?」
「あんまり嬉しい称号ではありませんが、一つは【神様に忘却されしもの】です。」
「なんと!それはまた珍しいものを。ってちょっと待って下さい。【神様に】なんですか!?それはつまりあなたが持つスキルが神様にも有効だったと言う事ですか。ならばもう一つの称号は【○○者】ですか。」
「はい。やっぱりその称号はあまり言わない方が?」
「いいです。ですがまぁ一応どんなものであれ、なかなか手に入らないものですから、称号獲得おめでとうございますと言っておきます。」
「うれしく無いです。っと。すいません、そこの機材からの通信がエラーを起こしています、確認して下さい。そちらの機材は電流過多アラームメッセージが出ています。」
うん、今度は話しながらでもきちんとお仕事してましたよ。
「こっちの修理終わりましたー。接続確認お願いします。」
「え〜と、あ、これですね。はい接続確認しました。アラームメッセージはありません。次は…」
と修理の手伝いを再開していた時でした。
《ドゴゴーーーン!!》《ドガン!バキバキ!ガサガサガサバサッ!》《ポーン!ピリリリリ!!》
突然、部屋内で轟音が鳴り響き、私の頭の中ではアラーム音が流れると共にステータスの表示が一部書き変わりました。
「何だ!?何が起こった!?」「何が!?」「誰か何かしたか!?」
「全員!!静かにしろ!自分達に怪我が無いかの確認の後、担当機材に異常がないか確認しろ!それと警備班は周囲の確認と警戒だ。」
「隊長あれを!!」
と言いながら警備の一人が桜の樹と祠を指差しました。
「何!?どこだ?」
「あれです。そこの桜の樹と祠です。」
「うん?あ、あれか!先程迄あんなものあったか?」
「ありませんでした。」「一応ありました。」
「どっちだよ。いやいい。元々この部屋にあんなものは無かった。全員警戒だ。一班は祠を調査、二班は桜の樹を調査してくれ。」
「待って下さい!その必要はありません!!」
「何だ君は。何故止める。何故調査の必要が無いとわかる!!構わん調査しろ!」
「その祠に触らないで!!(*`Д´)ノ!!」
《ガサッ!!バキ!ミシミシ!ガサガサ!!》
私がそう叫んだ瞬間、桜の樹が私の方へ向かって動きだした。それを見た警備は全員が動きを止め、桜の樹を警戒し始めた。唯一隊長だけは私を睨み付けていますが。
「止まって!!」《ガササッ》
そう言うと桜の樹は動きを止めた。
これを見て元々修理の手伝いをしていたために私の事をある程度解っていた方達は、ある程度事情を察知してくれたらしく警戒を緩め、他のわかっていない者へ説明に回ってくれた。
ただ、そこらへんが全く理解出来ていないらしい隊長は周りが説明しようとするのを聞かず私を取り押さえようと動きだした。その時でした。
《バタン!!》
「ヽ(♯`Д´)ノ コリャーッ 先程から大きな音をたてたり騒いだりと何をしておる!!静かにしておとなしく私に状況を説明せよ!!」
私が座る大王の執務机の後ろの扉から、神聖な雰囲気をまとい綺麗な和服姿の美女(これこそ大和撫子とか言うんでしょうか?)がそう叫びながら姿を現しました。
「フム、静かになったな。で、ここで何があった?そこのは警備の隊長か?は何故そのように怒り狂った様な状況になっておる。…(部屋全体を見回して)…そこの冷静そうな隊長各の者、状況説明しろ。あ〜、修理の者は作業を続けよ。」
いきなり入って来た和服美人は、相当に立場が上の人らしく、皆が一斉に動きを止め、彼女の命令に従って行動し始めました。そして副隊長に説明をさせようとしながらこちらを向き首を傾げた。
「うん?そこのお主、何者じゃ。何故そこに座っておる!?そこは閻魔大王が仕事をするための執務机じゃぞ。妾達神様や修理の作業員が一時的に座るならともかくお主は見たところ元人間の死者であろう?と言うか何故今この部屋に死者がおる?」
あぁ、どうやらこの執務机の椅子に座ろうとして私に気が付いたらしい。答えようかと思ったがどうやら副隊長さんが説明してくれそうなので、会釈だけしておとなしく黙って様子を見ます。それを見た副隊長が説明を始めました。
「その件についても含め、この部屋で起きたことの総てを警備副隊長の私から説明させていただきます。ですが、何から説明すればよろしいか?」
「そうじゃな。まずそこの鳥居が故障した原因から説明せよ。」
「それについては、修理作業責任者の私から説明させて下さい。
故障の原因は大きく分けて三つです。1/3が長い間使われなかった事による劣化で、1/3が大王にあり、残りの1/3が彼女にあります。
まず一つめは説明の必要無いので、二つ目ですが、劣化している状態で起動させた事、彼女の存在に気が付かず彼女を怒らせた事です三つ目は、大王に無視され放置されかけて切れた彼女が、自分のPCを鳥居に接続し、現状使えると思われた機能を全て起動させた事、彼女が特殊なスキルや称号を持っていた事、これ等が鳥居が故障した原因となります。大王が彼女に気が付いていたとしたらここまでの故障はまず起こっていませんので責任を三分割としました。」
おぉ、理解のある良い責任者さんですね。
「ほう、大王が其奴に気が付か無かったとはどういう事じゃ。そもそも何故この者が今もここにおる?」
「彼女の名は影無透理、今回の爆発事故の犠牲者の一人で、他の即死者と共にこの部屋に召還されました。しかし彼女の持つスキルが最大限効果を発揮し、この部屋にいた全員が誰も彼女に気が付きませんでした。
そのスキルと称号こそが特殊であり、鳥居故障の引きがねとなったようです。
又彼女の測定中に故障した為に、きちんと測定出来ていないので何も判断出来ないとして、鳥居の修理が終わるまで彼女はこの部屋で待機となりました。
その後は暇だから修理を手伝いたいと言われたので空いていた机の端末機との接続確認等の修理の手伝いをして頂いていました。」
「ふむ、それならばこの部屋にいるのも、そこに座っておるのも問題は無いな、但し修理が終わればそこから退くようにの。
では次、そこの隊長各の者が怒り狂ったのは何故じゃ警備副隊長。」
「隊長が、彼女の存在を完全に忘却していたため、訳のわからない者に自分の意見・命令を否定されたと感じたからでしょうね。先程天照様がおこしにならなければ、隊長は彼女を無理やり取り抑えるつもりで動きだしていました。」
「もしそれを実行しておれば、今ここら一帯は吹き飛んで更地になっておったかもしれんの。」
はい?意味解らないのですが。
「は?それはどういうことでしょうか。」
私だけじゃなく他の人?達もわからなかったみたい。聞き返したのは隊長さんですね。
「彼女のスキルは閻魔大王に通用したんじゃろ?ならば彼女は限定的かもしれんが神越者になっておるはずじゃ。違うか透理とやら。」
「はい、確かに今の私は15分ほど前にその称号を手にしました。」
あ、思わず素でそのまま答えちゃった。さっきあんまり言わない方がいいって言われたばかりなのに。
「ほう本当に持っておったか。しかし15分前じゃと故障したときの称号ではないの、さしずめ超越者でも持っておったか。
ともかく、そんな称号を持つ者で、どんなスキルを持っておるかもわからん者に身勝手に手を出せばどうなると思う?どんな理由にせよ閻魔大王相手に切れて怒った相手なのだろう。ならば怒らせたら容赦は無いと考えるべきじゃろ。まぁ地球から来ているため考えにくいが、もし攻撃的なスキルでも持っておればここらが吹き飛んでも不思議あるまい。」
あぁそういう事ですか、まぁ私にはちょっと無理ですね。
「その様なことも考えず、本来冷静に対応すべき警備の隊長ともあろう者が、何かを指摘されたからと怒り狂ったと。それではもう警備隊長の資格は無いの。隊長お主は明後日から行う予定の再研修講義に参加せよ。その後警備隊から配置替えじゃ。文句などは聴かん。明日の朝辞令を出す。明日中に総ての引き継ぎを終えよ。そこの副隊長を次の隊長に任命する。」
「はっ!了解しました。明日中に引き継ぎを完了し、元隊長を再研修講義にお連れ致します。」
「うむよろしく頼む。」
やっと何かの茶番劇が終わったみたい。ところでこの女神様、何でこの狭間の世界に来ていたんでしょうか。ちょっと聞いてみますか。
「あの、質問が有ります。あなたの名前とこの世界に今いた理由を教えていただけませんか?」
書いてみるとつくづく自分の文章力の無さを自覚させられますね。
小説家になれた人達って凄いな~と思う今日この頃です。