魔王再び
GW入ったと思ってだらだらしてたらもう終わっていた…。
「あ、そうそう、忘れてたんだけどさぁ、一年前ってどういうことなの…」
肝心なことを忘れていた。死んでから一年が経過しているということだ。
再生に時間がかかったのだろうか?それともこの世界では普通なのだろうか。
気になる…
「それについては俺が話そう。」
後ろで声がしたのでびっくりした。
相変わらず、後ろから声をかけられるのは慣れない…。
誰だよ…と思いながら振り返ると
そこには大きくマントを翻した魔王の姿があった。
「なんだ魔王か…。って、えぇええぇ!?」
「む?なぜ貴様は俺のことを初めて見た人のような目で見ているんだ?」
突然自分のことを『俺』という魔王がでてきたので、気が動転している。
さっき一人称『私』だったろーが!いきなりどうした。イメチェンか…?
いや…よく考えろ…。ここにいる魔物の話の中に不自然なあったような…
「あー…思い出した…。おい、そこの魔物。」
「はい、…なんか私に対する態度がだんだん悪くなってません?で、ご用件は?」
「お前の話の中でさぁ、魔王が魂を探す話あったじゃん?」
「ほう、そこまで話したのか。俺から語ってもよかったんだがな。俺の武勇伝、もう一回聞かせてやろうか?」
「ちょっと魔王様は黙っててください。」
「さっきから魔王魔王と呼び捨てにしていたから気にしていたが、やっと様をつけるようになったか。えらいぞ。えらいえらい。」
さすがに魔王なので『様』を付けた方がいいかと思ったが
結構鬱陶しかったので、呼び捨てにすることにした。
「黙れ魔王」
「え…(´・ω・`)」
おっと、つい黙れといってしまった。魔王があっちの方で壁に寄りかかって泣いてるようにみえるが、きっと違うだろう。放っておこう。
「魔物、さっき言ったこと聞いてたか?」
「はい、魔王様が魂を探しに行くところですね。で、その話のどの辺でしょうか。」
「その話の、魔王が誰かと話してるとこだよ。誰なんだよそいつは。」
「魔王さまです。」
「は?」
意味がわからない…。どういうことだよ…。
「魔王が魔王と話していたのか?」
「詳しくいうと、魔王と旧魔王が話していたということです。」
「?????」
「魔王様の体には二つの命があるってことです。」
「あー…なるほd…ふぁ!?」
なんだかんだで一年間の話を聞けないタケル君。