死神になってしまいました\(^o^)/④
圧倒的更新ペースダウン…(´-ω-`)
……………………。
目の前の丸っこい魔物はひたすら話し続けている。
そろそろ聞くのもだるくなってきた…。
「(しっかし…なぜこいつは鮮明にその時の状況をはなしてんだ…?魔王一人で行ったんだよな…?)」
「聞いてますか?」
「すまん、聞いてなかったし聞く気力もなかった。」
「仕方ないですね、要約して話します。」
要約できんのかよ。
「要約できるなら最初からしてくれ…」
「じゃあ話しますよ。こっちで死神がしんだのであなたが死神になるということです。」
うわぁ…さっぱりわからん。
「いろいろ納得できないが、納得するしかないのか?」
「はい。」
まじか。
「とりあえずだな…、俺の質問にだけ答えてくれないか…?もちろん簡単に言ってくれ。」
「わかりました。」
まず、だ。まず何を聞こうか。
「なぜ俺が選ばれたんだ?」
「魔王様が女神に苦戦して諦めて帰る時、条件にピッタリなあなたの魂がたまたま通りかかったからです。」
なるほど、たまたまか。
やっぱりどこかテキトーなとこがあるような…。
「あっ、そういえば俺と一緒に屋上から転落した奴がいるんだが…そいつはどうなったか知ってるか?」
「知りません、まあ運が良ければ天国、運が悪ければ地獄ですかね。どちらでもなければ、転生させられてると思います。」
えっ天国か地獄かって運なの…。ていうかどちらでもなければってなんなんだ…。
しかし、聞くと余計ややこしくなりそうだから納得したフリをしておこう…。
「で?この世界は何なんだ?」
「RPGとかで舞台になるファンタジーな世界です。」
この魔物がRPGとかファンタジーとか言ってる時点でぶち壊しな気がするんですが…。
「よくRPGとか、言葉知ってんな。勉強したのか?」
「いえ、今さっき調べました。」
「けっこうガバガバだな。」
だが調べた内容をすぐ把握するあたり、優秀なのだろう。さすが、エリート君。
あ、そういえば、この魔物なんて呼べばいいんだ…?
「お前名前あるのか?」
「名前なんて普通の魔物に与えられるわけがありませんよ。」
この世界の魔物はそんな大切なもんなのか名前って。
「ほーそんなもんなのか。じゃあ俺はなんて名前になってるんだ?」
「生前の名前をとって、タケルでいいです。あ、一応この世界に苗字という概念はないですし、基本カタカナ表記ですよ。」
「まんまかよ…カッコいい名前つけてくれるのかと思ったのに…。」
「あ、言い忘れてましたが魔王軍内では基本的にコードネームで呼び合います。あなたの場合は『死神』です。」
ほう、死神か。じゃあスライムとか吸血鬼とかいるんだろうか。
「わかった、死神だな?」
「はい。質問は終わりですか?」
「まぁ、一応はな。あとは魔王が来てから話してもらう。」
「そうですか。」
静寂が訪れた。
…あれだな、コイツ相手が話かけてこないと何も自分から話題を出さない奴だな。
静かだ…。
そういえば、屋上の静けさを最後に味わってから久しぶりの静寂だ。
あの自殺女め…。よくも巻き添いにしやがって…。
ちなみに、いくら厄介事であっても、ここが異世界だという事なので全くときめかないわけではないんだが…。
どうもこの城(?)の持つ禍々しさが不気味すぎてやばい。どうみても、ここから俺の新しい異世界生活が始まる…!!!とかいう雰囲気ではないな、これは。
ほんと…どうなるんだろ…俺…。