体の異変
気づいたらもう七月かあ(遠い目)
「お待たせしました。私から説明をさせていただきます。」
そう言って、現魔王と魔物がホワイトボードを持ってきた。
なんでホワイトボードがあるんだ…。と聞きたくなったがこの際、
そんなことはどうでもいいことだと判断した。
「お願いします。」
「あれ?なんでホワイトボードがあるのか聞かないんですか?」
「つっこんで欲しかったのかよ…。」
マジどうでもいいっす…。さっきの魔王(ウザい方)のノリでつかれてんだよぉ…!!
自分がげんなりとした顔をしてるのを見て察したのか、
現魔王は再び話し始めた。
「まあ、いいや。えーっと簡単に言いますと、あなたが死亡→転生→死神になるぞーっていう展開です。」
やべえ、わかりやすいようで理解しがたい。
「なるほど、でもそこら辺はそこの魔物に聞いています。」
「あ、そうでしたか。じゃあ次に重要なあなたの体の異変についてお話しします。」
「俺の体になんかしたんですか!?」
うわー、サイボーグとかにされてないよね?
だが、現魔王は無視して話し始める。
「転生の仕組みについてからお話ししますね。本来、転生は女神が行うものなんですが、今回は違います。女神は我々の敵みたいなものなんでね。」
そういいながら、現魔王がホワイトボードに書き込んでいく。
転生のしくみについて。
本来は死亡してから女神を通じて転生が行われる。
その際に、その転生者の肉体の複製と魂を肉体に埋め込む作業がある。
こう書き込んで、現魔王は言った。
「本来は正しいやり方があるんですよ。しかしね、今回は全くの例外です。私たちには女神みたいに肉体の完全複製なんてできませんからね。」
「え?でも体はどこもヘンな感じしないですし、顔も同じですよ?」
「表面上はね。」
「どういうことですか?」
「問題があるのは体質や内部の話です。」
いまだに理解が追い付かないでいるが、それでも現魔王は話し続ける。
「あなたの体の異常を書いていきます。落ち着いて見ててください。」
現魔王は書き始めた。
・不眠 ・食物など、栄養を摂取する必要がない
・疲れない ・痛みを感じない ・性欲がない
・内臓がない ・魔力の無限生産
「以上です。最後の魔力については後で説明します。」
「え…」
しばらく沈黙がつづいていた。不思議と自分は冷静だった。ひどく落ち着いていた。
「どういうこと…ですか…」
「魔王軍の幹部全員でなんとか形は直せましたが…なにせ医療面にはめっぽう弱いもんで…。」
「納得しろと?」
「そうしてもらわなければこちらとしてもあなたにしても困ると思います。」
「………わかりました。」
…確かに納得せざるをえないな…。
しかしどうする…!不眠でしかも疲れしらずだと…!?社畜のような労働が待っているに違いない。
しかも性欲がないだと…!?勃たないってことか…。
一生童貞はいやだあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
タケルは絶望の表情でうつむいていると、魔物がやってきた。
「そんなにショックでしたか?」
いや、まあ、ショックはショックだったけど…童貞とかあんま言えるもんじゃねえし…。
「いや、なんでもない。こっちの話だ。」
「そうですか。じゃあいいです。」
そういって、魔物は現魔王のところへ行った。
さてと…。なんかもう常識がわからん…。さよならファンタジー…
ん?そういえば、魔力がどうのこうの言ってたな。後で話すって言ってたけど…。
ま、いっか。
シリアス書こうと思ったらシリアスじゃなかった。
ま、いっか。
内臓がない のところで例のダジャレを思いついた人は一人ぐらいいるはず。
次はいつになるんだろう。