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影が薄いけど魔法使いやっています  作者: りょう
第1章影が薄くても冒険始めます
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第14話永遠の想いは魔法に乗せて

 雨が降ってきたこともあり、僕とハルカは一度家の中に。フードの助成はいつの間にかその姿は消えていて、結局何者なのかを聞く事は出来なかった。


「落ち着いた?」


「うん……」


 雨で濡れてしまった体を乾かした後、ハルカが落ち着くのを待って僕は口を開いた。


「さっきはごめんユウマ……。誰にも知られたくなかった事だから、私気が動転しちゃって」


「謝る必要ないよ。今まで誰にも話していなかった事ななら、動揺するのだって当たり前だよ。僕だってそうなる」


 誰にだって知られたくない秘密はあるだろうし、それを突然他人に知られたら気が動転してしまう。それは、僕が元々この世界の人間ではない事が他の人に知られた時にも同じ事が言える。

 しかも彼女は、その秘密をずっとこの小さな村で一人で隠し続けてきた。ミナさんはそんな彼女を救い出したかったのかもしれない。


「ユウマはどう思った? その、私の事を知って」


「どうって、驚きはしたけど僕自身その魔法について詳しくはないし」


「そういえばユウマ変な名前だし、珍しい魔法も使うと聞いたけど、それと関係があるの?」


「えっと、まあ」


 あれ、ハルカに魔法を使うところ見せた事あったっけ? アリスが知らないうちに話でもしたのかな。


「そう考えるとユウマって不思議だよね。この世界では滅多に見ない顔をしているし」


「そうかな? でもどちらかというと、沢山の人形を連れて歩くアリスの方が不思議だと思うけど」


「そ、それは否定できないけど。って、そんな話じゃなくて、ユウマにはどうしても分かってもらいたい事があるの」


「僕に?」


「うん。昨日協力してくれるって言ったから、これだけは話しておかないと思って」


 そこまで言って、ハルカが何を言おうとしているのかは理解できた。


「永遠の魔法についてだよね」


「そう。この村にかかっている魔法は、その名の通り時を止める魔法。そしてそれは、術者の時も止めてしまう、それは聞いたよね」


「そこまでは聞いたけど、それが全てじゃないって事?」


「私もそう思っていたの。でもこの魔法はね、術者の時を止める分、成長が通常の人より何倍も早いと言われているの。だから見た目はこんなに小さいけど、その何倍も生きている事になるの」


「それってつまり」


「私の命はいつ消えてしまうか分からないという事なの。でも分からないけど、長くもない。だから誰かと出会うのが怖かったの。別れが早く来てしまうかもしれないから」


「つまり分かれがいつ来るか分からないから、その覚悟だけはしておいてって事?」


「うん」


 そう言われてもすぐにその覚悟を決める事はできなかった。こんなに小さい女の子が、病気にもかかってないのに、その人生を終えなければならないなんてそんな話受け入れられない。


「ハルカはそれでいいの?」


「この場所を守れるなら、そのくらいの代償は引き受けるって決めたの。私のこの想いは、全部魔法に込めた。だから後悔なんてしてない」


「僕はそんな覚悟なんてできないよ。出会ってばかりの人間がこんな事を言うのはあれだけど、もうハルカは僕にとって大切な仲間だから、そんな見捨てるような事なんてできない」


「でもユウマ、それしか道がないの」


「だったら僕が見つけてみせる。それ以外の道を」


 ■□■□■□

 と宣言したものの、魔法の知識がない僕がどうにかできるような話ではないのは分かっていた。なので僕は、アリスが起きたのを見計らって、女神様が入っている人形と二人で村の中にある廃墟の中に入った。


「随分と無茶な事を言ったよねユウマ」


「どうにかならないかなって。神様ならなんとかできないかなって思ったけど」


「いくら神様でも、そんな事できるわけないでしょ! 」


「そこは何とかしてくださいよ、シレエモン」


「私はどこかのロボットじゃないの。それにこの格好じゃ動こうにもできないし」


「それは半分自業自得のような」


「何か言った?」


「ごめんなさい」


 人形に平謝りする僕。何ともシュールな光景だが、今誰も見てないから大丈夫なはず。


「ユウマ、人形返して」


 見られてました。


「あ、アリス、いつからそこに」


「謝ってたところから」


「一番見られたくないところ見られてた!? いや、それよりこの人形僕がもらっていいって言ったのに、どうして返して欲しいなんていうの?」


「喋る人形からお金の匂いがする」


「やめて、これ売り物じゃないから!」


 確かにこの人形の中に神様がいるなんて聞いたら、言い値で売れそうだけど。


「それは冗談。それよりユウマに聞きたい事ある」


「冗談には聞こえなかったような。僕に聞きたい事?」


「朝、何をしてた?」


 どうやら外が騒がしいのを聞いていたらしく、アリスはそんな事を聞いてきた。別に黙っている必要はないので、今朝起きた事をアリスに説明した。


「フードを被った女……。名前は?」


「いや、聞く前に姿がなくなってた」


「そう」


 何故かそれだけ聞くと、アリスは廃墟から出て行く。あれ、それ以外は聞かないのかな。


「何だったんだろう」

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