2012年設定 各キャラ詳細
【魔法】
九十九の能力。名前を持たないものは、他者と己との区別がつけられないため、魔法は使えない。
想いや性格に左右され、能力は様々。
【禁忌】
・九十九に自分の身体を与えてはならない。
想いだけの存在である九十九に己の身体を与えると、能力が強くなる、能力が追加されるなどの効果があるが、術者への負担が大きいことや、肉の味を覚えた九十九の凶暴性の増加、九十九が術者となり変わろうと術者を食らうなどの危険がある。(自分の心に自分が食われてはいけないということ)
例)目を与える→高い動体視力を得ることができる。
・他人の九十九を奪うことはできない。
九十九を引き剥がされれば、術者は抜け殻のようになる。
また、多数の九十九を得ることは、多数の人間の想いがひとりの術者に集結することであり、これを行った物は正気を失う。多数の意志をコントロールできるほど強い精神の持ち主なら可能。
☆カラス族
ホムンクルスであるイチから採取された細胞をもとに作られたクローン人間。ホムンクルスと人間の細胞を使っているため、生き物として不完全で身体が弱く、イチとは髪の色が違う。強い魔力の他にホムンクルスの力も備えている。
ダウニーに隔離され、研究員がカラス族の家族を演じ、その様子を観察するという実験が行われていた。
☆カラス狩り
ホムンクルスの力を恐れたリトルガーデンが、研究員ごとカラス族の存在を抹消した事件。
他国への詳しい説明は無く、誰のクローンなのかといった詳細は、今も明らかにされていないが、クローンを使った戦闘員の育成実験が行われていたことまでは、ジョニーの調査によって判明した。
【ホムンクルス】
人間を作ろうとして失敗したもののうち、生命をもつ者。
人間の細胞を腐敗させたものに人間の血を与え続けることで生まれる。犠牲が多いほど、基となった人間の容姿に近付くが、消して完全にはならない。代価の多かったイチはパケラ・ルスの息子に酷似して生まれ、記憶も断片的に受け継いでいるが、やはり完全な人間にはならなかった。
どんなに犠牲を払ったとしても、その人間には誰かにとってそれ以上の価値があり、代価と得る物が決して等しくならないため。
基になった人間が死んだ年齢まで成長するが、それ以上に老化することはない。生き血を栄養とする。
★カオナシ
青春系プーの人体生成により生まれた、顔の無いホムンクルス。
ガルディの地下に、全ての血液を抜いて封印されている。生まれ持った己の血も抜かれてしまったので、復活には人間の血とホムンクルスの血が混ざった生き血を必要とする。
★ナナシ
カオナシが生まれる前の試作実験で生まれたホムンクルス。青春系プーを“お父さん”と呼び慕う。厚いコートとマフラーを身につけているが、寒がり。幼稚で純粋無垢。
他人を食べることで、その人物の容姿と記憶、名前を得ることができる。自分の存在が欲しくて他人を食べ続けるが、イチに「人は他の誰かになることなどできない」と言われてしまう。
「食べていい?」
「そうだね、お父さん。誰でも無いってことは、誰にでもなれるってことだ」
名前が無く、誰にでもなれるが誰でも無いことで、孤独や寂しさから抜け出せずにいる。名前を自分でつけることは、所詮自分の物でしかない名前なので寂しさは消えず、やはり他人になるために食べ続けるしかない。名前は最高の贈り物のひとつということ。
★イチ
飄々としており、何かと笑顔で応える。頑固者、大雑把。敵対するものに容赦はなく、興奮状態にある時は尚更冷酷。贈りものをするのが好き。
頼まれごとを断れず、自分を顧みずに引き受けるので、窮地に立たされることが多い。結果、徹夜仕事をして、サンにコーヒーを作ってもらうこともよくある。
弱音は吐くが、弱いとこ見せるのは嫌がる。
「徹夜明けはやっぱ身体に来るなあ。歳?・・・はとらないか(笑)」
「困ったなぁ(笑)」
ホムンクルス。幼少の頃は吸血鬼の屋敷から出たことはなく、魔法書を読んで過ごしていた。名前が無く、己を“いらない子”と名乗り、ルスを“父さん”と呼ぶ。
「父さん、僕は誰なの?」
「君は誰?僕はいらない子。」
ルスが殺されたことによる強いストレスで凶暴性が増し、吸血鬼の屋敷にきた軍の人間を皆殺しにする。その後は、屋敷をルスの遺体ごと焼き、逃走。
血液の形状を変え、個体化する能力を持つ。戦う時は
「切り刻まれるほど切れ味のよくなる身体なんでね。」
逃走先でサンに遭遇した際、ホムンクルスとの戦闘で負傷したところをジョニーに助けられ、そのまま軍に入隊する。以来、サンと行動を共にする。
【ガルディ王国】
出身者(漢字の名前)
・王政の国。
・純粋なガルディ人は、透き通る水色の髪に新緑の瞳をしている。
・真面目で正直な気質、パンがうまい。
[ガルディに眠る兵器は具体的に何のか?]
蛍の母に恋をしたプーは、彼女の死を酷く悲しんだ。
プーの心は蛍の母の亡骸に捕らわれ、化け物になってしまう。
ガルディ王とジョニーは、悲しい化け物を亡骸ごと封じた。
↑ガルディに眠る兵器?
心を失ったプーは、次第に狂い始める。
(あのKYなキラキラは、心がないため)
★青春系プー
紫陽花と相思相愛であったが、お互いに好きと口にすることは無かった。
紫陽花の病気を気遣い、富と権力を持つガルディ王子ならば彼女を幸せにできるだろうと、紫陽花に王子との結婚を勧める。
しかし、結婚祝いのパレードで見た紫陽花の顔に幸せの色はなく、病気も治ることはなかった。彼女が最後までプーの名を呼び続けていたと言う話を聞き、後悔と絶望に胸を痛め、どんどん、自分の感情に飲み込まれていく。
名前の“青春”は、永遠に彼女を想い続ける心を表している。
その後、ジョニー以外の青春系プーを知る人間を代価にし、死んだ恋人を生き返らせようとして失敗。
「悲しみがどんどん薄れて行く、彼女を忘れて行く。僕は残酷な人間だ」
「時が経つにつれて悲しみは薄れるどころかいっそう僕をしばりつけていく」
「僕は彼女を殺しつくした」
それ以後は姿を隠し、九十九狩りや裏から戦争や紛争を仕掛ける。目的は大陸の民を代価に紫陽花を生き返らせること。
★ジョニー 推定80歳
青春系プーと紫陽花とは幼馴染。青春系プーと紫陽花の中を深めようと、ちょっかいをかけていた。ガルディ国王と紫陽花との結婚に反対していたが、青春系プーには聞き入れてもらえなかった。
プーを救うため魔法に没頭し、偉大な魔法師のひとりとして星に名を馳せるまでになった今も、親友を止めることもできず、悲しみから救うこともできない己に強い怒りを感じている。
どこの国にも所属しない軍を作り、プーとの激戦に備え、また紛争の増える大陸の安全を守ろうとする。
★紫陽花/ガルディ王妃
青春系プーと相思相愛であったが、お互いに好きと口にすることは無かった。
ガルディ王子に、その容姿と聡明さを見染められる。プーの勧めもあり、不本意ながらガルディ国王に嫁ぐ。重度の病気が発症したが、本人には知らされていなかった。
死ぬ間際までプーのことを想い、プーの名を呼び続けた。
★ガルディ国王
村々の視察をしていたときに、紫陽花と出会い恋をする。その後、紫陽花とプーとの仲を知り彼女との結婚を諦めるが、プーに強引に進められ、紫陽花と結ばれることに。
紫陽花を幸せにすることもできず、病気を治すこともできず、プーの期待を裏切ったことに罪を感じ、プーが人体生成で生み出した巨大なホムンクルス“カオナシ”の守護者をする。
一夫一妻の姿勢など、王族でも浮いた存在。その温厚な人柄は政治にも現れ、国民からの信頼は厚い。
★愛華 26歳
ガルディ王の長男。柔らかい髪質は母親似だが、鋭い眼光は父親似。
責任感があり、努力家、優しく、周囲の期待に応えようとしてしまうので、己の本心は涼風のみに明かす。父親を尊敬している。
父王には、母親似の蛍を守るよう言われてきた。プーの暴走を止めることができるのは、蛍だと信じている。
次期王としての自覚を持ち、幼い頃から努力をしてきたが、周囲には才能のある者として期待されている。次期王・才能ある優秀な兄としてではなく、ただ良き兄としてなついてくれる涼風や蛍に心を許す。
その優しさに付け込まれ、プーに記憶と心を徐々に凍らせられて行く。
姫魅を人質に宵狐をSPITZに引き入れるなど、冷酷に任務をこなすようになった後も、蛍や涼風を見ると頭痛が走る、剣を振り下ろせなくなるなど、自覚は無いものの兄妹への愛がまだ心に残っている。
★涼風23歳
ガルディ王の次男。硬い髪質、鋭い眼光は父親似。
筋肉質な体で無愛想な外見だが、誰よりも兄妹想いの優しい青年。愛華を支えよう、蛍を守ろうという気持ちが非常に強く、シスコンと呼ばれることもある。寡黙だが、宵狐に対してはよく喋る。絵が非常に幼稚で下手。また、絵に加えるコメントも野性的なものばかりである。
愛華のように器用に生きることはできないという理由と、愛華を支えようという理由から、元帥を目指し軍に入隊する。その際、周囲には王族が軍に入ることを激しく反対されたが、涼風の心中を理解する父と兄が周囲を説得した。また、本人の軍人としての才能も相当のもので、入隊後は邪険にするものはいても異論を唱える者はいなかった。
多忙な父と愛華に代わり、蛍の面倒をよく見ていた。
愛華の変化を知りながら救えなかった己を責めている。
愛華の謀反以来、SPITZの本拠地が置かれるクエキフォリアにて幽閉されていた。
★蛍 19歳
ガルディ王の長女。顔は母親と瓜二つ。
幼い頃から、多忙な兄の周囲をうろついては怒られていた。非常におてんば娘。前向きな性格で、正義感のある熱い性格。困った人を放っておけない優しい女の子。傍ら、頑固で意志が強く、独りよがりだが、寂しがり屋でガラスのハート。
母親と話した記憶は殆どないが、その美しい髪は記憶に濃厚に焼き付いており、寂しさからか“母様から譲り受けた髪”を自慢にすることが多々ある。
「プーはお兄様の心を記憶ごと消したと言った。でも、人間の心は消えたりはしない。」
「忘却は、あなたに生きて欲しいと願う、母様からの贈り物よ。」
【リトルガーデン帝国】
出身者(野菜の名前)
・帝国。閉鎖的な国。国境の警備が厳しく、許可書を持っていないと入国はできない。
・ダウニーという村は、以前カラス狩りが行われた土地。
・純粋なレフサル人は、太陽のような金髪に青い目をしている。
☆吸血鬼の屋敷
リトルガーデンにある、パケラ・ルスの屋敷。薄気味悪い様子から、吸血鬼の屋敷と呼ばれた。
★パケラ・ルス
リトルガーデン人。イチが“父さん”と呼ぶ人物。息子を事故で亡くした息子を軍の人体の生成の実験を利用し、生き返らせようと試みる。実験により生まれたホムンクルスは死んだ息子に酷似していたが、息子ではない事実と、やり場の無い息子への愛情に困惑する。息子に似ていながら息子で無いイチを失敗作とし、いらない子と呼ぶ。
イチに対して愛情を抱けないでいたが、息子の顔をしたイチを軍に渡すまいと、イチを軍から逃そうとして殺される。
「お前はいらない子だ。」
「お前は息子ではない。人間ではない。失敗だ。」
ルスさんが欲しいのは息子であって、息子に似ていながら息子でないイチは、見る度に狂いそうになる存在であった。
自分が作り出したのに愛せない罪悪感もあり、愛したいのに愛せない。息子のように愛したいのに、息子に似過ぎていることで赤の他人よりも、同愛していいかわからないのである。
★碧詩姫魅 19歳
カラス族の生き残り。幼い頃は無邪気でよく笑う少年だった。体力がないため、昔から筋肉質な体に憧れており、腹筋10回は今も欠かさない。また、身長が宵狐より少々低いことがコンプレックスで、煮干しと牛乳も欠かさない。
現在は、重い口を開いたかと思えば、容姿端麗な姿と美声、育ての親であるカーネルから譲り受けた気障な台詞で女性を惑わす。本人は無意識であり、恋愛感情には非常に鈍感。
感情をあまり表に出さない、というか出すのが苦手である。また、自分の考えも言わないので、非常に押しに弱い。
ダウニーでは、宵狐と双子の兄弟と言う設定であった。
カラス狩り後、兄がいないことを受け入れられず、カーネル・サンダースに引き取られてからは宵狐と名乗る。
常にカーネルの監視下にあるために、不本意ながら軍に入隊することになる。
ホムンクルスの血を持つ人間として、プーに狙われる。
★碧詩宵狐 19歳
カラス族の生き残り。幼い頃は責任感のある少年であった。無愛想なのはこの頃からずっと。
容姿端麗、美声。姫魅より少し背が高い。ダウニーでは、姫魅と双子の兄弟と言う設定であった。
カラス狩り後は、姫魅を人質に愛華にSPITZへの所属を強制される。
SPITZ内では、殺生を避ける戦闘、部下への気遣いがあり、少々浮いてはいるが、他人と壁を作ることで、冷たい印象を与えている。
SPITZクエキフォリア襲撃の際に、兄を殺された月香と姫魅の姿が重なり、月香を助ける。月香をSPITZに巻きこんだことを罪と感じており、彼女の手を汚させないため、様々な配慮をする。
月香には安全かつ殺生から離れた、医療者としての仕事を与える。
愛華に幽閉された際に涼風に出会い、それから涼風と共に行動することになる。
ホムンクルスの血を持つ人間として、プーに狙われる。
★碧詩母
リトルガーデン軍の研究員。ダウニーの実験では、碧詩兄弟の母親役を演じた。
家の本棚に並んだ絵本が、双子の精神を戦闘要員へと誘導する内容のものばかりであることをしりながら、実験当初は読み聞かせをしていた。次第に双子に対し愛情を抱き、本を読んでとせがむ双子から絵本を奪い焼き捨てるなど、実験に背く行動が増えて行く。最後はふたりを庇って死ぬ。
★カーネル・サンダース 26歳
リトルガーデン人。広い心を持ち、気遣いのできる優しい青年。落ち着いたふるまいをするが、イチやサンに青二才と呼ばれると不貞腐れるなど、可愛らしい一面もある。
帰宅後に出迎えてくれる姫魅の鼻歌が楽しみのひとつ。
かつてリトルガーデン軍に所属していた。カラス狩りが行われる数年前に、ジョニーの勧めを受け、平和維持軍に所属。
罪の意識から、カラス狩りで生き残った姫魅を保護し、育てる。
【プレッツェル共和国】
出身者(お菓子の名前)
・7人の議員により政治を行う大国。
・首都フォレノワールには、魔法師団(仮)の本拠地がある。
・大陸内で最も新しく、様々な国の者が集まってできた、文化の入り乱れる国。そのためか、自由で強かな国民性である。
・純粋なプレッツェル人は数少ない。
・酒がうまい。
★出雲
慰鶴の従兄。ゴールデントリガーでありながら名高い血族の養子に迎えられた慰鶴を快く思っていない。
★朝顔 17歳
姫魅に救われた少女。心優しく、のんびりとしている。ふわふわとした雰囲気が印象的。
笑顔が絶えない。
★サン 30歳
男のような言動が多く、腕っぷしも相当強い。曲がったことが大嫌い。
一人称は「僕」
ジョニーの右腕になってからは特に、イチと並んですごい貫録を持つ。
愛であふれる理想的な家庭にひそかに憧れるも、なかなか頼れる男がいないため夫捜が難航している。そのうちに、慰鶴を引き取る。一転して親ばか。周囲はそれに更に恐怖を感じている。
嫌いなものは、意図的なぶりっこ、他人のノロケ話。
クエキフォリアとの国境付近にある、プレッツェルの小さな村出身。
その年は農作物がとれず、村の会議で帰らずの森に住む神に生贄をささげることが決定する。誰ひとりとして生贄になろうとは思わない中、身寄りの無いサンが生贄の候補に挙がる。サンもまた、生贄を買って出る。恐怖を噛み締め、しかし村人には微笑んで見せ、サンは帰らずの森に向かう。
日も沈み、歩き疲れ、行き倒れていたところをイチに拾われる。
イチに名前を与えたのは彼女。彼の腕輪に書かれた文字で、唯一読みとれるものが1だったのでイチ。
ウサギの生き血を啜るイチに驚くも、恐怖心は無く(人を見る目はある)、サンは経緯をイチに話すと安心して眠ってしまう。
傷だらけの足で歩けなくなったサンを背負い、イチが神を探す。(気丈に明るく振る舞うサンであったが、小さな体は冷え切っており、眠った彼女の頬には静かに涙が流れる。義務感と責任感に、寝言でも「あたしが生贄をするの」と何度もつぶやく)
歩き続けるイチの前に、自分が神だと名乗るホムンクルスが現れる。
彼は、村の人間が死人を蘇らせようとして生み出してしまったホムンクルス。創造者は人間に似ても似つかない(代価が少ないため、異形の者となった)その姿に怯え、彼を森に捨てた。ホムンクルスは捨てられた腹いせに、農作物を枯らし、神を名乗り生贄を要求したのである。
「何故邪魔をする。何故いけないのだ!」
村を襲おうとするホムンクルスを止めようとする2人に、ホムンクルスが困惑し、襲いかかってくる。イチが応戦する。
「悪いけど、切り刻むほど切れ味がよくなる身体なんだよ。(切り口から流れる血液を個体化し、刃にするため)」
相手を殺そうとするイチの前に、サンが立ちふさがる。
「違う!こんなの違う!イチ、殺さないで。」
「・・・何故かばう?」
「こんなのおかしいよ。だってあなたは人間を苦しませたいんじゃない。ただ、人間に愛されたいだけなんだもの。」
「愛・・・されたかった・・・」
「あなた、すごく寂しそう。そんなに人間が好きなのに、人間を恨んで死ぬなんて、悲し過ぎるよ。」
サンの言葉に、ホムンクルスが力を失い、涙を流す。ホムンクルスは人間への復讐を辞め、罪滅ぼしに、陰ながら村を守ることを決意する。
「俺は捨てられる悲しみを知りながら、同じものを生み出そうとしていたんだ。」
ホムンクルスと別れた後、サンは村に帰ることを拒む。
「だって、私が帰ったらみんな困っちゃうもの(微笑む)」
その後、サンとイチは一緒に村を離れるが、道中でイチが倒れてしまう。相手のホムンクルスの能力は、引っ掻いた物や噛みついたものに毒を回す能力だったようで、全身に毒がまわってしまっていたのだ。(ホムンクルス自身、その能力に気付いていなかった。イチ本人は毒に気付いていたものの、黙っていた)
弱っていくイチを抱え、サンは次の村まで歩こうと必死に踏ん張るが、村の入り口で倒れてしまう。そこで、偶然にも見回りに来ていたジョニーに助けられ、そのままイチと共に軍に入隊することになる。
そこで、イチの逃亡を聞きつけ探しにきていたジョニーに見つけられ、保護。イチとともに保護され、そのたぐいまれなる心の強さを見込まれ、ジョニーの側近としてイチとともに訓練される。
【クエキフォリア国】
出身者(花の名前)
・貧しく、治安が悪い国。
・クエキフォリアの国民は、薄い水色がかった銀の髪に、緑の瞳が特徴。
・SPITZの襲撃以来、混乱が続いている。
★チェン25歳
クエキフォリア人。冷静沈着、少々ずぼらで抜けたところがあるり、常に寝ぐせをつけている。大きな丸い眼鏡をつけている。
流行した疫病で妻を失い、医学を学ぶようになる。
幼い娘を残し、プレツェルで本格的に医学を学ぶが、SPITZがクエキフォリアを襲撃し故郷は壊滅、娘も行方不明となる。
ジョニーの勧めで平和軍に所属し、娘を探す。
その際、疫病はある大手会社が村を犠牲に行った実験だったのだと知る。その会社は既にこの世には無い。過去の経験から無知であることが嫌で、何に対しても興味を示す。
食事中にも食べる仕草など、あらゆるものに関心を示してしまうため、朝顔に怒られる。
★月香20歳
クエキフォリア人。流行した疫病で、母を失う。それからは、医学に没頭する父を兄と静かに支え続けた。プレツェルに医学を学びに行った父を手紙や電話のやり取りをしながら、兄と二人で待っていた。SPITZのクエキフォリア襲撃の際に兄を失う。月香も愛華に殺されかけるが、宵狐に救われSPITZと行動を共にすることとなる。
任務に就くことは宵狐に禁じられているため、SPITZ内では医学を学びながら、主に怪我の治療を行っている。
自分の意見や望みは言わず、迷惑をかけまいとする姿勢と大人しい性格は、両親のいない中兄と二人で過ごした過去から形成された。
最初はSPITZの一員である宵狐を恨んでいたが、寂しい瞳や月香への接し方、また殺生を避ける戦闘、部下への気遣い、愛華との関係などから、理由あってSPITZに身を置いていることを知り、次第に宵狐に惹かれてゆく。
宵狐の、冷たいながらも小まめに月香を気遣う姿勢が、月香をSPITZに巻きこみ手を汚させないためだと感じている。そのため、宵狐がSPITZの任務に関わらず、宵狐の側にいられるよう、宵狐が与えてくれた医療者としての仕事を精力的にこなす。
チェンの職場に遊びに行った際、カイをネズミの妖精だと思ったため、妖精はいると信じている。
★慰鶴20歳
クエキフォリア人の母とリトルガーデン人の父の間に生まれたハーフ。
怪力で聴甘党、タレ目。
幼い頃、政府に両親を殺されている。治安の悪化に当時の政治家が異国の人間の撤退命令を決定したためである。撤退命令に背いた両親は殺された。
その後、政府のやり方に異論を唱える者を集め、ゴールデントリガーとして傭兵集団をまとめていた。ゴールデントリガー時代は、咲蘭以外に心を許すことはなく、冷徹。少々大人びていた。
ところが、当時、対立関係にあった政治家の娘である咲蘭と恋に落ちる。
咲蘭宅に襲撃をかける際、傭兵集団に殺しを禁じるが、その甘さに異を唱え、咲蘭を人質にする裏切り者や、咲蘭の家族を手にかける者が続出する。
その様子を見て、自分の行いが過去に両親を殺した政治家と変わらず、間違っていたことに気付かされる。
チームメイトを殺し、咲蘭を逃がした後は、チームメイトを止められなかった己の弱さ、彼女を守りきることの出来なかった自分の弱さ、己の今までの行いへの罪悪感を胸に生きる。
行き倒れていたところをサンに拾われる。大陸の安全を守る軍の元帥を務め、プレッツェルの議員も務めるジョニーの一族に養子として迎えられるが、ゴールデントリガーという過去から、周囲にはあまりよく思われていない。また、周囲からのプレッシャーに応えられない己を責める。
普段は明るく務めており、周囲の雰囲気を大切にする気遣いのできる青年。タレ目ながらイケメンで、姫魅に負けず劣らずのモテっぷり。自分の感情を押し殺してしまう節があり、辛い役目を進んで買ってしまう。
頭が弱く、世間知らずなため(極端に貧しい世界と、極端に金持ちの生活しか知らないため)、アホに見られがちだが、判断力や観察力に優れ、非常に頼りになる存在。
★咲蘭 21歳
年の割に大人びている。元政治家の娘で、品のある言動をする。
かつて、ゴールデントリガーの恋人であった。
政治家の父は強硬姿勢をとる政派で、家の中でも頑固者、我が侭、また仕事ばかりが頭にある男だった。父のやり方が許せず、懲らしめようと、殺生抜きという条件で慰鶴に自宅への襲撃を許可する。
しかし、慰鶴の部下が反乱を起こし、家族を失う。惨状を見て、自分の甘かった考えに後悔する。また、初めてゴールデントリガーの涙を目にし、彼に辛い思いをさせたことを悔やむ。
その後、行き倒れていたところをエルモに救われ、長身を生かし、モデルとしてエルモの会社に勤めることになる。
ゴールデントリガーの持つ孤高な雰囲気に似た雰囲気を持つエルモに、次第に惹かれてゆく。
【シン】
出身者(短い音の名前)
・島国。
・褐色の肌が特徴。
・青春系プーの隠れ蓑。
【ヘゼ】
出身者(星の名前)
・内陸国。
・プレッツェル国と軍事協定を結ぶ国。
・徴兵制度があり、14歳以上の男性は必ず2年、軍に所属することを義務づけられる。
・リトルガーデンと戦争中。
★エルモ 22歳
ヘゼ国出身。アパレル会社の御曹司。
明るく、周囲への気遣いを忘れない好青年。おしゃれさんで、ファッションに強いこだわりがあるが、姫魅にことごとく砕かれていく。
徴兵制度により軍に所属していた頃、貴族の娘、シャウラに片思いをしていた。彼女にはアルファルドという恋人がおり、エルモは幸せそうな彼女を表面上では祝福していたものの、内心では快く思っていなかった。
ある時、リトルガーデン国とヘゼ国が戦争になる。戦争が始まると、突然アルファルドが行方を眩ました。
後日、二人に行方不明になっていたアルファルドが襲いかかってくる。彼は敵軍のスパイで、シャウラに近付き情報収集をしていたのであった。
さらに心を痛めるシャウラを庇い、戦うエルモ。アルファルドを殺し、シャウラを守り抜くが複雑な心境で立ち呆ける。
シャウラは悲しげに微笑むと、エルモの手の上から剣を握り、自ら腹を刺して死んだ。
シャウラを守れなかった自分を責め、もう二度と女は愛さないと決めたエルモだったが、運命のいたずらか、姫魅に出会ってしまい・・・。
口癖「ま、そういうこと~」「ごめんちょ~」関西弁
★パエリア16歳
ヘゼ国出身。エルモの姪。
無邪気な話し方から幼い印象を与える。明るい女の子。
モデルを職業としていたが、過去に辛い経験を持つエルモが心配で共に軍に入隊。
口癖「~みたいな?(笑)」「でしょ!」 語尾の最後に「っ☆」をつける。例)「うちらが勝つしっ☆」「エルモは馬鹿っ☆」
★ポッキントン24歳
エルモの執事。
稀に見る美男子だが、恥ずかしがりやで魚の覆面をかぶった残念なイケメン。
几帳面な性格で、よく気が付く性格。エルモ命!