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転生した高校生の異世界開拓記  作者: 甘党丸
異世界集落の独立
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1/9

1話:異世界生活開始!

風が耳にあたる感覚が心地よい。

高校生の俺は自転車通学をしていた。

だが、次の瞬間、自転車に乗っていたはずの俺の体は、横から飛び出してきた何かにぶつかられた。

俺の自転車は倒されて、立ち上がれないほどの痛みが体中を襲う。

「あ、車…?」

後頭部が痛い。

運悪く、地面に頭を強く打ち付けたようで、急速に意識が遠のいていく。

俺の人生は良い方向へ進んでいたはずなのに…。

意識が薄れていく中、数ヶ月前の記憶が蘇った。


「ねぇねぇ、何の話しとるん?」と俺が言っても、

「……。」とそのグループの人達。


中学の頃はいじめられていたわけではなかった。

だが、周りからは空気のように扱われ、無視されることも多くなっていた。

誰にも話しかけられず、誰からも話しかけられない。

体はその人の生活に適するように変化していくもので、俺は滑舌が悪くなり、脳内での文章構築能力や耳から聞いたことを理解するという能力もかなり低下していた。

その結果、俺は話すのが苦手になり、中2のクラスでは完全に孤立、周りの人たちとの関わりがなくなっていたことで鬱病のようになり、高校受験勉強でもおいていかれていた。

だが、そんな状況から脱却するため、何事からも逃げない自分づくりに励んで、ついには志望校に合格した。

だと言うのに…こんなただの道路で轢かれて死ぬ、というのか…⋯?

朦朧とした意識の中、俺の頭には痛みや苦しみではなく、この世界への未練が強くあった。

家族にはもう会えないのか、これまでの努力はなんのためのものだったのか、これで終わってしまうのか…。

いや、こんなので終わりたくはない。

こんなところで終わる俺じゃないはずだ。


色々な思い出が頭を駆け巡ったが、ひときわ目立っている記憶があった。

俺の中学校から塾の間にあり、受験勉強期間に毎日お祈りしていた神社だ。

周りは住宅街に囲まれているにも関わらず、伝わってくる神聖な雰囲気。

不思議と、その神社の神様が何でも願いを叶えてくれそうな気がして、俺は小さくつぶやいた。

「まだ生きていたい…もっとたくさんのことを知って…体験して…。もっと…成長したい。」

段々となにも考えられないようになっていく。

だが彼方から「私は貴方の死期を調節することはできませんが、貴方を新たな生命として新たに作り出す事はできますから、俗世で言う異世界転生をさせてあげましょう。2度目の人生は満足のいくように頑張りなさいね。」と女性の声が聞こえた気がした。


そして目を閉じ、しばらくしてからもう一度目を開けると、俺は見知らぬ場所にいた。

なんだここ?

周りには何かの木がグネグネとのびていて、見える範囲に整備された道路やコンクリート製の建造物はなかった。

周りに木?!さっきまで道路の真ん中だったのに。

服は通学中の服装と変わっていないけど、青々とした植物の香りが鼻に伝わる。

まわりに地球の文明的なものは見えず、手つかずの自然って感じだ。

まさか、本当に異世界転生したのか?

実際、ついさっきまであった頭の痛みもなくなっていて、何よりも不思議なのが、視界の右端に常に「ステータス」「持ち物」「マップ」という文字が浮かび続けていたことだ。

これが本当に異世界転生なら、ステータスと浮かび上がっているあたりをさわれば、なにか表示されるはず。

そう思って触ってみたところ⋯

本当に自分自身の状態と言うべきであろう情報が浮かび上がった。


〈基本情報〉

名前/未設定

年齢/15

種族/人間

職業/未設定

〈能力〉(S+からG-の24段階)

体力F-

魔力?(魔法を使ったことがないので不明)

知力E

敏捷F

器用G+

幸運G-

〈状態〉

元気、眠気

〈スキル〉

未所持


体力はF-、敏捷もFか。まぁ、もともと運動音痴だし、低いとは思っていたし。

魔法を使ったことがない…でも使い方もわからないし、使い方を学ぶまではあってないようなステータスみたいだな。

知力はE…。他と比べて高めなのは地球の知識が少しは関連してるからかな。

器用G+と幸運G-だけは納得できないけど。


そのように考えていると、またどこからか

「うまく転生できたようですね。」と女性の声が聞こえた。

いや、女性というよりも女神様かもしれない。

「あの…ここって本当に異世界なんですか?」

「えぇ。ここは貴方がもともと住んでいた世界とは違う世界になります。」

「この世界って、魔力っていうよう要素がある感じ、RPGの世界みたいな感じなんですか?」

「そうですね。地球にいたものの何倍も強力です。」

「俺の能力が低すぎて生きていける気がしないのですが…。」

少し沈黙が続いて、女神様が続けた。

「今能力を確認させていただきました。確かに、今の状態で異世界を生き抜くというのは、なかなか大変そうですね。

私から『実績解除』というスキルを与えましょう。」

「実績解除?」

「はい、『実績解除』です。

とても使い勝手が良い能力ですし、きっと貴方の役に立つことでしょう。」

「ありがとうございます!」

実績解除…名前から察するに、なにかのスキルツリーを解放していく感じなのかな。

「二度目の人生、楽しんでくださいね。」

説明してくれていた女神様の声が段々と小さくなっていく。

これって、もう会えなくなる流れか?

「すみません!あと一つ言っておきたいことがあります!

受験の時に加え、今回も助けてくださって、ありがとうございます。」

これだけはちゃんと言っておきたかった。

女神様は一瞬固まっていたが、すぐに話し始めた。

「普段は私が依り代について感謝をされるので、私が私自身の身体に宿っている間に感謝をされたことは久しぶりで少し驚いてしまいました。

神からのご利益とは、信仰してくれることに対する加護のようなものです。

貴方の行いが掴んだ未来、きっと成功することでしょう。」

そして女神との連絡は途絶えてしまった。

本当にこんな状態でやっていけるのか?

そう思った瞬間、きれいに輝き光る粒子のようなものが俺の中に入ってきた。

なんだ?

体が内側からポカポカしてくる。温かい。

そして、温かさとともに、やる気が溢れてきた。

今後の心配とかどうでも良くなってきた。

「異世界転生と言ったら、スキルが重要だよな。

さっそく、女神様が言っていた、『実績解除』を確認してみよう。

どんなぶっ壊れスキルなんだ?」

ステータスを開き、スキルというところまでスクロールしていくと、『実績解除』のスキルが増えていた。


【実績解除Lv.1】

以下に表示されている目標を一つ達成すると、その度に好きなスキル・アイテムと交換できる

交換できるアイテムは目標のランク(SからG)によって決まり、高いランクの目標はスキルのレベルを上げていくと出現率が上がる

高いレベルの目標ほど難易度は上がるが、その分、とんでもないスキルやアイテムが得られる

現在の目標は①飲水の確保(F)

      ②食料の確保(F)

      ③すみかの確保(G)

特別目標  ①この周辺に集落を作り、人口を100人にする(C)


予想していたのとは違っていたが、目標を達成すればスキルかアイテムをゲットできて、女神様が言うように使い勝手が良さそうだ。

とんでもないスキルやアイテムというのもかなり気になる。

まずは、飲水の確保、食料の確保、すみかの確保と…集落を作ること?!

集落って…1から作れるもんなのか。

まぁ、そりゃあどの集落も1から作られてきたわけだけど…。

高校生ごときにできるもんなのか。

だが、それに加えて、新しいスキルが増えていた。


【太陽神の加護】

常時、体を内側から温めたり、やる気を出させたりしてくれる

解毒作用もあり、毒や病が効かない

集落の長など特定の社会集団のトップになると、追加効果を発揮する


【太陽神の加護】?

これはこれで、かなり過ごしやすくなりそうなのだが、いつ増えたのだろうか。

まぁ、そんな事を気にしていても仕方がないか。

解毒作用はサバイバルするうえではかなり大きいし、やる気を出させてくれるっていうのもかなりありがたい。

そして、下の部分よ。追加効果ってなんやろ。

不思議と、集落を作るというに対して面倒くさいというよりもむしろ、楽しそうと思っている自分がいた。

集落の長…か。

ここは、俺がこの世界で生きていくためにも、その弾圧されている人のためにも、この追加効果というのを知るためにも、集落を作るというのは最善の選択肢なのかもしれない。

せっかく与えられた二度目の人生。

どんどん元世でしたこともなかったような新しい体験をしてこそ、そのチャンスを存分に活かせるんじゃないか。


「よし!このスキルを駆使して異世界集落を作ってやる!」


こうして、俺の人生は新たな世界で再スタートしたのだった。

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