視姦男
和久田未来はグッタリしつつ、電車内、中央あたりのシートに腰掛けていた。彼はいまから、インターネットの風俗情報サイトを眺め、前から気になっていた風俗嬢に会いにいこうという段階なのであった。
しかしながら今朝、布団から起き上がることを目的として、右手で自身の倅を上下に擦り上げ、大量の息子もしくは娘の候補を放出してしまったために、これから会う、写真を観た限りは容姿端麗であろう女性が、自身の仕事を全う出来ず、プライドを傷つけてじうではないかと、不安げであった。
「(果たして自身の倅は、機能するのであろうか)」
試しに、ダウンジャケットのチャックを下から開き、そして、右手を中に着ているトレーナー下部から通し、その左乳首を、人差し指で愛撫しつづけた。
「(うーん、全然たたないね)」
これはマズイぞと、次はスマートフォン経由で購入した成人男性向けの漫画を読もうかなぞと考えつつ、ふと、正面からやや左側に目をやると、2人の若い小娘が座っており、女子大生だろうと目星をつけた。
そのうち、左側の女性はやや金髪じみた眺めの髪型であり、デニムのパンツを履いていた。そして右手は黒髪ボブであり、黒光りした滑らかなホットパンツから、おそらくはフェイクの肌色タイツでは無いと思われる生脚がスラリと伸び、また。白いニーソックスを着用していた。
2人とも何か猫の鳴き声のような会話をしつつ、スマートフォンの画面を眺めていた。
和久田はその姿に目が釘付けとなってしまい。自身のスマートフォンを右ポケットにしまうと同時に、左手もトレーナーの下を這わせて、右側の乳首も擦りはじめた。ちょうど、右腕と左腕がクロスしているという格好になる。
そうこうして快楽に没頭していると、小娘2人の更に左隣、細身でメガネをかけ、髪の長さは短髪ともロン毛とも言い難い長さであり、現代風にいえば、チー牛と表現できそうな男が、舐め回すような目つきでデニム女のスマートフォンを盗み見していた。
両乳首は引き続き弄りつつも、この変態チー牛野郎から2人の小娘を守らねばならないという使命感が、メラメラと和久田から湧いてきたのである。そして彼の方をジロリと睨みつけながらも、行為はいたしつづけていた。
しばらくすると、その男は和久田の攻撃的な視線に気付いたのか、先頭車両の方へと移動していった。完全なる勝利を収めたぞと、再び白ニーハイの方を眺めると、だんだんと興奮しはじめ、ついには勃起へと至った。ここまでくれば、予約した風俗嬢にも迷惑がかからないと安堵の表情を浮かべたその刹那であった。
「お客さーん!」
ふっと上を見上げると、そこには犯罪者をつかまえるぞという雰囲気でもって、車掌が目の前に立っていた。また、その後ろには例のチー牛野郎も立っており、おまけにスマートフォンのカメラでもって、和久田を撮影している様子だった。
「あなた、なにをしているんですか、迷惑行為をしながら、女性のお客さんをじっとみていたと聞きましたよ!え、みていただけで痴漢ではない?!あなたねぇ、ご存知ですか?!今春からねぇ!ジッと見る行為、いわゆる視姦も、痴漢行為の仲間入りしたんですよ!さぁ、取調室へご同行ねがいます!」
数時間、和久田が予約していた風俗嬢の写メ日記では、予約の無断キャンセルに怒り狂う記事が投稿されていた上に、SNS上で、迷惑乳首おじさんとして晒し上げられていた。完。




