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白ユリのきらめき

『私はお父さんの方に行くことになったよ』

『お姉ちゃん、一緒じゃないの!?』

『仕方ないよ。誰も悪くないんだから』


小さな手は何にも触れることがなく何もない空間を彷徨った。



「・・・・・」


つややかな長い黒髪にゆるく寝ぐせをつけたまま体を起こした少女がため息をつき、最悪の目覚めといったように目を伏せた。


まだ日は登っていないのか月が静かに濃紺を照らしている。


「全部終わらせなきゃ」





「今日は同業者、魔法少女ショコラミントさんに来ていただきました」


ショコラミントはぎこちなくカメラに向かって挨拶をする。


「先日生放送に間に合いそうになくて大変だったことがありまして、緊急で募集した援軍申請に秒で反応くださったんです」


リリートーンと名乗った花の女神や妖精を思わせる姿の魔法少女がニコニコとショコラミントの紹介をした。


「この子すっごい強いんだよ!!初めて見たときびっくりしたの!」


リリーキャットと名乗ったバルーンスカートにカラータイツの可愛らしい魔法少女が猫耳のように大きなリボンをゆらしながら続けていった。


「あの時は急いでいたとはいえ、あなたの言葉に甘えて片づけを任せてしまって申し訳なかったね」


リリープリンスと名乗った白い王子服を思わせる服をまとった魔法少女がまぶしい微笑みをショコラミントに向けた。


ショコラミントは三人のアイドルオーラにまぶしそうに目を細めた。


「いえ、事情が事情でしたから」

「クールだね~ヒュ~!!」


リリーキャットがショコラミントの周りを飛び跳ねながらキャッキャと盛り上がる。


「リリーキャットさんは本当に猫みたいですね・・・」


ショコラミントの引き気味の声にリリープリンスが苦笑いをした。


ショコラミントは目の前のテレビクルーに緊張しながらも淡々と質問に答えていく。


「この子の強さは本物ですよ。なんせ”あの”ストロベリースフレの後任なのですから」


リリートーンの言葉にテレビクルーやスタッフの視線がショコラミントに集まる。


「あ~史上最強の魔法少女の?」


リリーキャットが答えると、ショコラミントはその言葉を遮るようにして口を開いた。


「・・・あの!あ、えと、後任と言ってくれるのはうれしいんですが、担当地区と妖精のエルエルを引き継いだだけで同等の力はないです・・・私はどちらかというと攻撃よりもサポートが得意なので・・・」


「たしかにいろんな糸を操って動きを封じてくれたよね。ストロベリースフレは大きなハンマーを使ってたんだっけ?攻撃全振りみたいな」


ショコラミントの反論を受けてリリープリンスが冷静に分析を始めたその時だった。

大きな音を立てて近くの民家が大きく崩れた。


「そうでした。今日は廃工場に住みついてしまったガーゴイルの討伐が目的でしたね」


リリートーンがわざとらしくそう言うと、カメラにストップが入り、四人は移動を始めた。


廃工場に入ると、恐ろしく濃い魔力が立ち込めていることがショコラミントにもわかった。

こうなると普通の人間は入れないのでリリートンたちの契約している妖精であるニャネージが器用に小型カメラを持って空中からカメラを回すことになるらしい。


四人が一歩一歩足を進めるごとに呼吸音なのか不思議な音が大きくなっていく。


「・・・今日の獲物はどんな奴なんですか」


「大型とだけ」


「事前情報だと魚のような尾ひれが合って足が四本あるんだって!」


「キャット、大きな音を出すんじゃないよ」



《グルルルルル》


地鳴りのような大きな音が地面をゆらした。


その音に四人が構えると、真下の地面に亀裂が入った。


「・・!」


とっさに全員で近くのがれきの上にそれぞれ飛び乗ると、地面に大きな穴が開きそこから不思議な生物が飛び出してきた。


「あれは鯨型かな」


ショコラミントの冷静な分析にリリープリンスが驚いて声を上げた。


「博識ですね」

「前に似た形のやつを倒したことあるんです。鯨の形はしてないけどあのガタイで地面の中を泳ぐように移動するので鯨型って呼んでます。目玉が一つなのでたぶんレベル天災一歩手前ですね。さっさとやりましょう」


ショコラミントがその場から消えるように素早くガーゴイルの前に移動すると、銀糸を固めた大きな槍でその目玉を勢いよく突いた


《ギャァァァァァァ》


大きな叫び声をあげてのたうち回るガーゴイルが大きな埃を立てた。


「すごい・・・」

「よぉーし!私も!!!」


リリーキャットが光でできたクローを装備してとびかかる。


リリートーンが風を起こしてリリーキャットの足場を作ると、名前に恥じぬ身軽な足取りでステップを踏むようにガーゴイルに攻撃を食らわせていった。


「僕がとどめを刺します!皆さんは巻き込まれないように!!」


リリープリンスの声が頭上から降ってくる。

ショコラミントが見上げると、工場の梁に乗ったリリープリンスがショートソードを頭上に掲げた。


「ユリより白い(いかづち)よ、我の前にはばかる強大な壁を打ち砕け!怒れる花神の雷撃(サンダーブレイク)!!」


リリープリンスが呪文を唱えるとガーゴイルの巨体を頭上から降ってきた真っ白な光の柱が包み込む。


ガーゴイルが鳴き声を上げる前にその姿が光に飲まれ消えていく。


ガーゴイルがスッカリ消えたため、四人は廃工場からすぐに撤退した。

外で待機していたテレビクルーの回すカメラに各々ファンサをする三人をショコラミントがはなれたところから観察していが、それに気が付いたリリートーンがおいでと手をこまねいたため恐る恐る近づくとそのまま肩を組まれ巻き込まれた。


「今日はゲストがいたおかげでとっても心強かったよ!」

「また出てくれるかしら?」

「今度はトークもゆっくりしたいね」


三人の圧に気おされながらもショコラミントは苦笑いで首を縦に振った。







解散した後、ショコラミントはすぐにエルエルの名前を呼ぶ。


「無事集められたエル!!」


見覚えのある小瓶をもったエルエルが上空から降りてくる。


「ありがとう。さすがにカメラに映ったらこの前みたいに注目されかねないからね」


ショコラミントが小瓶を受け取るとエルエルは嬉しそうにショコラミントの頭上をくるくる回った。



葉月が端末の通知を確認すると、サエから心配の連絡がたくさん来ていた。

サエの通知ばかりの中に母親からお使いを頼む連絡が来ていたため、葉月はその足で近場のスーパーに足を向けた。


「今日はお好み焼きか・・・お父さん小麦粉は嫌だとか何とか言ってたのによく口説きおとしたな・・・」


葉月の呆れたような声が、カラスの合唱に合わさって夕暮れの空に消えていった。

~エルエルの魔法少女解説~

こんにちはエル!ぼくは魔法少女の相棒をしているエルエルだエル!


今日は魔法少女アイドルグループ、マジカルメロディについて解説するエル!!!

マジカルメロディはリーダー兼センターの「リリートーン」と、メンバーの「リリーキャット」、「リリープリンス」の三人からなるアイドルグループだエル!!

男女ともに人気が高く、魔法をステージパフォーマンスにも使っていたり、かなり多彩な魔法を使うことができるエル!

ちなみに代表曲はデビュー曲の「ユリたちの饗宴」エル!!

彼女たちの変身アイテムはほんのり色のついたダイヤモンドで、普段はストラップにして持ち歩いているエル!!一人一人それぞれ色が違うらしいエル!

三人は幼馴染で、リリープリンスだけ一歳年下らしいエル!なんだか意外エル!

戦うときは。近接がリリーキャット、リリープリンスで後衛兼サポートはリリートーンがになっているらしいエル!!

可愛くてかっこよくて歌もダンスもできる人気者だなんてすごいエル!あこがれちゃうエル!!

・・・は!もしかしてエルエルもアイドルデビューしたらそのくらい人気者になれるエルか!?

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