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『そ、そんな!レミリアはそんな子ではないわ!』
「クハハ。ここまで愚かとは。まぁ、よい。レミリアに会わせてやろう。再会を楽しんだその後は16になるまで生かさず殺さずで地下牢に住むがいい。」
叔父様が手を叩くと、扉から見覚えのある2人の侍女が入って来て私の両腕を必要以上に強く掴んだ
『いっ……。貴女達はお母様の侍女じゃない!!サリーにロッテ!何をしているの?!』
痛みに耐えながら、そう問うと見た事もない悪辣な顔で2人が笑った
「本当に腹立たしい娘ね。あの女にそっくりだわ」
「そうよ。ちょっと顔が良くて伯爵の娘だからって持て囃されて!私はずっとジェイド様が好きだったのよ!私だって実家が男爵じゃなかったら、ジェイド様に求婚できたのよ!」
2人が何を言ってるか理解出来なかった私は、本当に愚かなのかもしれない。
だって、お母様にあんなに勤めてくれていたのに
「あんなに良くしてやったのに、ジェイド様に紹介もしてくれなかったのよ?娘しか産めていないのだから、跡取りが必要でしょう?だから、私が産んであげると言ったのに、ジェイド様に会えなくするんだもの!」
「でも、そんな時にジェイク様からお話を頂いたの。侯爵夫妻に薬を盛って魔法器官を狂わせて身体も弱らせて亡きものにしたら、ジェイク様が爵位を継いで私達も妾にして正妻と同じ扱いをしてくれるって!あんな女に骨抜きのジェイド様より、愛して下さるジェイク様のがよっぽど良いわ!」
「バレないように2年も少量づつ薬を盛り続けたのよ?それが今日やっと報われるの!憎たらしい女にそっくりなアンタは、新しいお嬢様に可愛がって貰えばいいわ!!」
「おい、喋り過ぎだ。早くレミリアの元へ連れていけ。顔に傷はつけるなと、死なせないようにとしっかり注意しろ。レミリアが守れないようなら直ぐに地下牢に入れて面倒をみてやれ」
『うぐっ……』
理解が出来ず、あまりの拒否反応に胃の中の物を戻してしまう程だった。
「きったないわね!!誰が掃除すると思ってんのよ!」
ロッテに頭を叩かれたが、頭の痛みよりも心が痛くて苦しい
「あら、私達ではないわよ。だって私達はジェイク様の妻よ?新しく来た子爵家のメイドや下女が掃除するでしょうに」
「確かにそうね。ほら行くわよ。自分で歩きなさいよ!面倒臭いわね!」