幻の時空
2人のモーニングタイムは終わり、講義が始まった。とはいえここの大学は講義と言うより教授に与えられた課題を数人1組で思考するだけだ。
しかし、与えられる課題はどれも解の無いものばかりだ。しかしこの大学が作られた目的には何ら反してはいないのだ。
「では今日は、日本史における空白の四世紀に何があったかを考えてみましょう。」
と課題を与え教授は講義室を周り始める。
「シミュレーションしてみたらどうかな?」
「そんなのプログラミングだけでこの時間終わるだろう。」
今日の班は世界構造理解学の兎鯽と、情報工学のアンリアル、神話学の燈枝、歴史総合の都煉の4人だった。
「いいえ。間に合うわ。ログのみでいいなら20分あれば出来る。」
「お、おう。じゃあその間こっちである程度進めとくぞ。神話的に言えば四世紀は仁徳天皇とその2~3人前までが天皇をしていた頃だ。仁徳天皇ってあれな?堺にある馬鹿でかい古墳の天皇。百舌鳥耳原中陵って言うんだが。」
「それはマイナーな呼び方だよ。燈枝君。大仙古墳でいいじゃないか?」
「はぁ?ちゃんと意味が込められてるんだからそう呼ぶべきだろ?」
「全ての人がそれを言われて理解、納得できると思わない方がいい。歴史を見ればその愚かさがわかるだろう?」
「あーあ。喧嘩し出しちゃった。でも出来たよ。」
そこにはおびただしい量のログがあった。