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土曜日、午前中に引越し業者がきて、部屋の荷物をすべて回収してくれた。スッキリとした部屋を見て、最後に忘れ物がないかだけチェックし、1泊分の荷物が入ったリュックを持って私はホテルに向かった。
ホテルでのんびりしていると、梨央から電話がかかってきた。
電話に出ると、梨央は少し早口で私に言った。
「ねえ、大澤君が静香のこと探してるっぽいんだけど!」
梨央の言葉に私は少し固まってしまった。
「え?何で…?」
「何か急に連絡取れなくなったから何かあったんじゃないかって…。それで私のところにも連絡きたんだけどどうする?」
「あー…、携帯が水没しちゃったって言っておいてくれないかな?お給料日前ですぐには買い換えることができないからって言っておけば大丈夫じゃないかな?
梨央、申し訳ないんだけどもし大澤君から私のこと聞かれたら、今まで付きまとってごめん、もう関わらないからって伝えてほしい。」
私のお願いに梨央はわかったと言って電話を切った。大澤君、付きまとってくる女の心配をするなんてすごいなあ。もう関わらないから気にしなくていいのに…。
私は携帯を充電器に繋いでシャワーを浴びに浴室に向かった。そしてシャワーを浴び終えてベッドに横になったらいつの間にか眠ってしまった。
朝起きると、梨央から着信とメッセージが来ていた。
メッセージを確認すると、私が伝えてって言ったことを大澤君に伝えたよ、とのことだった。
ありがとうのスタンプを返し、私はチェックアウトの準備をした。
無事に退去の立ちあいも終わり、大家さんにお礼を伝えて東京駅に向かう。
来週梨央とご飯に行くので、梨央へのお土産を買って新幹線に乗り私は大阪へ向かった。