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靴を脱ぎ、また大澤君に手をとられたのでついていくと、シックなお部屋についた。
そのままベッドに押し倒され、あれよあれよという間に私は大澤君に抱かれた…。
抱かれながら、大澤君に名前で呼ぶように言われてその日から春樹、と呼ぶようになった。
そこから私と春樹は週に1回のペースで会うようになり、私が社会人になった今でも2週に1回は会っている。
思い返してみると、私の告白に対して大澤君は付き合うとは言っていなかった…。私はてっきり付き合っていると思ってたけど、あの日大澤君もお酒を飲んでたし、私の告白を覚えてなかったのかもしれない。
だとすると、大澤君が私に付きまとわれてると言ったことに納得がいく。いつの間にか自分の隣にそれほど親しくなかった女がいるんだもん。
思えばこの1年間、大澤君からデートに誘われたことは一度もなかった。連絡だっていつも私から。
そっか…。わたし、大澤君に付きまとってたんだ。彼女だと思いこんで。。
大澤君、怖かっただろうな。バレー部で集まろうって言っても予定があるからといつも欠席だったのは私がいたからなのかもしれない。
ぽたぽたと、アルバムの上に涙が落ちていく。私、最低じゃん…。
まだ明るかったときにアルバムを見ていたのに、気づけば外は真っ暗だった。
ようやく泣きやんだ私はアルバムの上の涙をふき、鼻水をかむ。今日は金曜日で明日は休みだからよかった…。確実に目元が真っ赤だと思うから。
私は誰かに聞いてほしくて、梨央に電話した。梨央は県外の大学に通っており、たまに電話してお互いの近況を報告しあっている。
私が電話すると、2コールで出てくれた。