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私から発せられた声に、大澤君は少し目を見開いた。
「11月9日…。あの日大澤君が通ってる大学まで私行ったの。」
ここまで話したら大澤君は察したらしい。
「いや、あの日はその、ごめん。ちょっと調子に乗って…」
「結局さ、大澤君は私と付き合ってたわけじゃなかったんだよね…?私が大澤君に付きまとってて迷惑してるって言ってたのを聞いたの。ごめんね、大澤くんが迷惑に思ってるなんて知らなくて…。もう関わらないから、私のことは放っといてくれないかな?」
それだけ言うと、私は立ち上がって駅に向かって歩き出す。いや、出そうとした。
歩きだそうとしたときに、大澤君に背後から抱きつかれて身動きが取れなくなってしまった。
「ごめん、本当にごめん…!!最初は川崎と付き合ってるつもりなくて、本当に付きまとわれてるって思ってたんだ。その、付き合った覚えがなくて…。
でも、あの日みんなに警察に行ったほうがいいって言われたときに思い出したんだ。川崎俺に告白してくれたことを。俺いつも告白する側だったからされたことなくて。だから俺は川崎に告白した覚えないってずっと思ってたんだ。」
大澤君の私を抱きしめる腕が少しふるえてることに気づく。そっと腕に触れると、大澤君はぴくっと反応した。
「俺が最低なことを言ったのはわかってる。でも、俺は川崎が側にいてくれないとだめなんだ…。川崎が側にいてくれないと安心できないんだ!だから、俺と付き合ってくれませんか?」
大澤くんが私のことを必要としてくれていることを知って、すごく嬉しい。
嬉しいけど、それは私のことを好きだからじゃなくて、情なのではないかと思ってしまう。1年側にいたから恋なのか情なのかわからなくなってるんじゃないかって…。




