表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
産まれてきたことが罪ですか?  作者: 小林 牡牛
2/2

死に際

 僕がまだ地球での生を謳歌していた頃、正確には謳歌というほどの人生を送れていてはいなかったかもしれないが、人生を終えるまでの23年間思い出してみても本当になにも面白味のない一生だった。


 普通の家庭に産まれ、普通に進学し、普通に就職し、普通に死んだ。


 些か早すぎる死であったものの、誰かを助けてトラックに轢かれたわけでもなく、誰かに殺されたわけでもなく、ただのありふれた病だった。


 気づいた頃には手遅れで、あれよあれよという間に死んでしまった。


 死ぬ間際に思ったのは、本当にモブみたいな人生だったということだった。


 回りの人間の引き立て役にすらなれないスポットライトの端にもひっかからない石ころのような人生だった。


 死んでもだれかの記憶にすら残らない人生を送ってしまった。


 そのことに少しの後悔をした。


 いや、激しく後悔をした。


 もっとだれかの役にたちたかったしだれかに頼られたかった。


 子供の頃に憧れた画面の中のヒーローになりたかった。


 モブには文不相応な後悔と願望を胸に死んでしまった。


 その念が強すぎたのが良かったのか、悪かったのか、転生してしまった。


 この狂った世界に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ