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始まりの終わり
初投稿です。
今、まさに僕の腕の中からとても大切な人の命が零れ落ちようとしていた。
彼女の腹からは止めどなく赤いものが流れ、口からも零れ落ちていた。
僕にはそれを止めることができず、呆然と彼女を抱き締めることしかできなかった。
そんな僕に彼女は今にも消え入りそうな声で言った。
「ねぇ、ユウ。産まれてきたことが悪かったのかな?わたしはまだなんにもしてないよ?ねぇ、ユウ。どうしてわたしたちだけひどい目にあうの?こんなのあんまりだよ」
涙と血が混じり合い嗚咽まじりの最後の言葉を僕は強く否定した。
「産まれてきて悪いことなんかあるはずがない!カナは間違ってなんかいない!おかしいのはコの世界の方だ!この世界が狂っているんだ!」
彼女が最後まで聞けていたかはわからない。
いつのまにか彼女は冷たくなり僕の体温を奪うだけのものになってしまっていた。
僕が原罪人の町エルティードに産まれて13年。はじめて愛した人を殺されました。